我が家に大人のフクロモモンガ「モモちゃん」が来て、悪戦苦闘の1ヵ月。
警戒心が強く、威嚇されっぱなしの毎日ですが、この1ヵ月でかなりの急展開もありました。
モモちゃんと少しでも仲良くなりたい一心で、悪戦苦闘してきた日々を我が家の工夫とともにご紹介します。
この1ヵ月で学んだこと。
それは「諦めなければきっと仲良くなれる!」です。
まだまだ弱々しい希望の光ですが、フクモモに威嚇されて寂しい日々を過ごしている方の参考になれば嬉しいです♪
まだまだ警戒…:飼育10日目
世の中のフクモモたちは夜にポーチから出てくるようですが、我が家のモモちゃんは寝坊助です。
夜11時過ぎまで全く姿を見せません。
そしてこの時間、もう私は眠いのです…
そんなわけで、夜はすれ違いの日々。
でも、私が起きる6時頃は、モモちゃんもまだ起きていることが多いです。
そこで、朝、少し早く起きて遊ぶことにしました。
遊ぶというか、おやつタイム。
おやつで釣って仲良くなろうという作戦です(笑)。
まずは手にメープルかハチミツを塗って、そっとモモちゃんの方へ。
すると、ペロペロと舐めてくれます。
これ、警戒させない良い方法があるので、別項にて紹介しますね。
時間のない日はサトウキビ。
触れることはできませんが、サトウキビは必ずポーチの外で食べてくれるので、食事風景が見られます。
プププ…と言いながら一生懸命かじっている姿…
至福のひとときです♪
でも、おやつ作戦を繰り返していたら、ちょっと慣れてきたみたい!
しばらくしたらマシュマロを受け取る(というか奪い取るw)ようになりました。
簡単なことのようですが、サトウキビと違ってかなり小さいマシュマロは、必然的に手との距離も近くなるため、始めはなかなか受け取ってくれなかったんです。
でも、根気よく続けた(モモちゃんの食い意地の)結果、何とか手渡しできるようになりました。
でも、これはポーチの外の話。
中にいるときに手を近づけると、マシュマロを持っていても怒って奥に潜り込んでしまいます…。
ポーチの洗濯も大変:飼育2週間目
2週間がたち、そろそろポーチを洗濯しないと…と思い始めました。
フクモモのニオイというよりは、糞尿臭とでもいうのでしょうか…なんとなく匂うんです(;^_^A
そこで朝の機嫌がよいうちにポーチを取り、中に入っていた布を替えのポーチ(今回はなかよしポーチ)に入れてぶら下げてみました。
ところが、いつまでたっても入らない!!
ヒーターの上で丸くなって寝ようとするではありませんか。
このまま仕事に行くのは心配なので、元のポーチを戻し、2つぶら下げた状態にしてみました。
すると、間もなく元のポーチに入って眠り始めた模様。
うーん、警戒心が強すぎるモモちゃん。
そのままポーチをぶら下げること一昼夜。
翌朝見たら、替え用のポーチで寝ているではありませんか!
そこで、ポーチを取り替えたいときは夜のうちにぶら下げておくことにしました。
こうすると、夜間の活発な時に新参者のポーチを自分なりに調べられ、安全を確認できるようです。
もともと好奇心旺盛なフクモモですから、変わったもの(=交換用のポーチ)には興味がある様子。
この方法でポーチの交換は毎回クリアできるようになりました!
それと同時に、少しずつモモちゃんの気持ちがわかるような気がしてきました。
それは「ケージの中は人間(Uni家族)と自分(モモちゃん)の共有領域」で、「ポーチの中は自分だけの聖域」と認識したようだということ。
朝、モモちゃんがまだ活動している時におやつをあげると取りに来ますが、眠ろうとしてポーチに入ったあとは全く見向きもしません。
起きているからとサトウキビを近づけても、ひたすら怒るだけ。
でも、ポーチの外側であるケージの扉を開けたり、ゴミを拾ったり、トレイを引き出して新聞紙を取り替えたりしても、あまり怒らなくなりました(声をかけながらやっています)。
ですが、ポーチに手を近づけると、途端にジコジコ。
ポーチが少し揺れるだけでも(ワザとじゃないよ)ジコジコ。
つまり、この数週間で「ケージの中には手を入れてもいいけど、安住の場所であるポーチには触るなよ」というレベルまで仲良くなれたのかな、という感じです。
その後、メープルシロップ・ハチミツとサトウキビに加え、ペット用マシュマロが好物と判明したモモちゃん。
朝のご機嫌なタイミングを狙って、手に付けたメープルをペロペロさせ、手渡しでマシュマロをあげる日々が続きました。
サトウキビを与えると、以前はひったくるようにして隅っこに持って行ってたのに、目の前で食べる姿を見せてくれる日もできてきました。
落としそうになって、必死で食べている姿。
かわいいのもありますが、無防備なお腹を見せてくれたことが嬉しかったです。
こうして姿を見ていられるのは毎朝10分程度。
お腹がいっぱいになると、さっさとポーチに入ってしまい、翌朝まで姿を見せてはくれません。
この頃には、ペレットをふやかす湯の量もかなり減らしています。
だいぶ大人になってきたかなという印象でした(いや、実はもう十分大人だったのですが、このときは離乳後期だと信じていた…)。
そして、3週間後の朝。
Uni が起きたときにはすでにポーチに入っていたのですが、声を掛けたら身を乗り出してきました。
期待を込めた眼差しで(笑)こちらを見ているので、マシュマロを取り出し、そっとポーチに近づけてみたのです。
いつもなら威嚇の声が上がるところまで近づけても、鼻でクンクン探っている様子。
そこで少し近づけると、出て来ないものの体を目一杯延ばして指からマシュマロを取ってくれたんです♪
聖域のポーチに少し近づけたかな。
このように、日々の世話に加え、ポーチの洗濯やおやつでのコミュニケーションと、少しずつ接点が増えていきました。
そして、大きな間違いに気づいたのです。
ポーチの真の活用法に気づく:飼育3週間
間違いに気づいたのは、モモちゃんが前述の「なかよしポーチ」に引っ越した頃。
なかよしポーチごと取り出して、首から下げるというのを実践してみたのです。
なんといっても、なかよしポーチのファスナーを閉めれば飛び出せないので安心!
しかし、めちゃくちゃジコジコと怒る…。
まずは落ち着いてもらわなくちゃ!
そこで、ファスナーの隙間から楊枝に刺したマシュマロを与えてみたところ…
(すごく怒っているので手で渡せなかったんです)
「ジコジコ、プププ。ジコジコ、プププ」と、怒っているんだか喜んでいるんだかわからない声を出しながら食べてくれました。
何個か与えるとようやく落ち着いてきたのか、眠った様子。
服の内側に入れて、静かにパソコン作業をしていました。
でも眠りが浅いのか、少し動くと威嚇の声(笑)
私のニオイを覚えさせるのが目的なので、「ここは安心」と思ってもらえるよう極力動かずに過ごしました。
1日1回、2時間以内…が限界でしょうか(私も肩凝る)。
とにかくファスナー付きのなかよしポーチには「絶対飛び出せない」という安心感がありました。
ただ1つ大きな問題は、なかよしポーチの素材がしっかりしているので、外からモモちゃんに触れないという点です。
よくSNSに上がっている動画では、布にくるまれたフクロモモンガが撫でられながら寝ている様子がアップされていますよね。
あれがなかよしポーチだとできないんです。
もちろん慣れているフクモモなら手を入れれば良いのでしょうが、モモちゃんの場合は頭上に手が見えるだけで激怒。
とても撫でられない状態です(苦笑)。
そこで、ハッと思い当たったのが、我が家が使っていたテント型のポーチ。
綿入りで暖かく、見た目もかわいいのですが、厚みがあるため、こちらも外からは触れないものでした!
「袋型で綿の少ないポーチの方がいいのかも。」…と、今さらながら気づいたわけです。
そこで、着なくなった有名ファストファッションのフリースを袋型ポーチにリメイク。
少しだけ綿を入れました。
ポケット部分を利用したので、ほとんど縫う場所はありません(笑)。
そして、モモちゃんの眠りが深い午後3時ごろ、ポーチごとそっと取り出してみたのです。
フリース越しにモモちゃんの感触…初めてです!
もちろんジコジコ怒られました。
しかし!
そのまま動かずに持っていると、丸くなって眠り始めた様子。
掌で下側を包むように持ち、指先でそっと撫でてみたところ、なんと仰向けになって熟睡モードに♪
そうか、これだったんだ!…と3週間も経ってからポーチの正しい選び方とモモちゃんの習性に気づきましたw
ポーチについては後述しますね。
ハゲた…♡:飼育1ヵ月
別記事でお伝えしましたが、ペットショップから迎えた当初、モモちゃんはフードの状態から離乳後期ぐらいだろうと判断していました。
ところが、飼育一か月目にして立派なおハゲができたのです!
フクロモモンガのオスは生後12~15か月程度で成熟し、臭腺のあるおでこを擦りつけてマーキングするため、ハゲができるとのこと。
…ということで、モモちゃんは早1歳(もしかしたらもう少し年上)ということになります。
ペレットをお湯でふやかさないと食べなかったのは月齢のせいではなく、フクロモモンガの食性として乾燥したものは好みでない、ということだったようです。
もう大人なら人慣れにはもっと時間がかかってしまうかも…と残念な気持ちもありましたが、とりあえず❝成人式❞です!
ゼリーをプレゼントしてお祝いしました!!
さらに!
大人のオスなら、それはそれで扱いようがあるというもの。
案の定、臭腺のあるおでこや胸を触ると気持ち良さそうにしてくれます。
(日中限定。寝てないときは威嚇です…)
スキンシップで触れる場所の目印としてもハゲは大活躍ですw
胸を撫でると首を「うーん」と伸ばして爆睡モードに。
天使の寝顔を見せてくれることが増えた、飼育後1ヵ月の日々でした。
人慣れへのステップ ~わが家の工夫~
そんな1ヵ月を過ごし、いろいろと分かったことがありました。
スキンシップを取ることが良いと分かっていても、人慣れしている子と威嚇する子では方法が違います。
正直なところ、本やブログを見ても、威嚇するフクモモとどう付き合うかはイメージしにくいものでした。
気長に付き合うことの大切さは理解していても、じっと待ち過ぎて仲良くなるタイミングを失ってしまうかも…とか、多少強引にでもスキンシップを図った方が良いのでは…とか、気持ちは堂々巡り。
そんな試行錯誤の中、気付いたことをまとめておきたいと思います。
特に初めてフクロモモンガを飼う方に、威嚇されても仲良くなる方法の1つとして参考にして頂けたら嬉しいです。
威嚇するフクロモモンガに適したポーチとは
初めてフクモモを飼育するにあたり、お迎え前にポーチを用意したのはこちらの記事にある通り。
人慣れしているかどうかわからなかったし、そもそも❝小動物=すばしっこい❞というイメージがあったので、口を閉じられないハウスやポーチを取り出すという発想はなかったんです。
Uni が飼っていたシマリスは寝ていても目が覚めれば一気に全力疾走する子でしたから、その印象もあったんです。
ところが、モモちゃんのように人慣れしていないフクモモでも、寝ている時にポーチごと動かしても飛び出してきたりしません。
ジコジコ威嚇の声は挙げても、手を突っ込まずに待っていればそのまま熟睡モードに。
そしてぐっすり寝てしまえば、体を撫でても起きません。
モモちゃんは前述の通りのビビり君ですが、袋型ポーチを使い始めてからスキンシップが取れるようになりました。
もちろん寝ている間限定です^_^;
でも、わずか一カ月でおでこやお腹・胸を触れるようになったのですから、これは進歩だと思いたい!
そこで、モモちゃんの場合を例として、ポーチ選びで気づいたことをお伝えしておきたいと思います。
【 ポーチがらみで気付いたこと 】
ベタ慣れのフクモモをお迎えしたのなら、ポーチは季節と好みに合わせて選べば良いと思います。
テント型もかわいいし、ハンモック型もいいですよね。
でも、人を怖がるフクモモの場合、柔らかい素材で開口部が大きく、深さのある袋型がおすすめ。
その理由は、
…からです。
前述のポケット利用ポーチのあと、自作したポーチはマチなしで縦21cm・横20㎝。
薄手のフリースを二重にしています。
寒くない季節なので、綿は入れていません。
こちらも子供用パジャマのリメイク品。
内側はズボンの筒部分を利用しているので、縫う所は少ないです。
ちなみにポーチはS字フックでケージに取り付けているので、ナスカンは縫い付けていません。
逆さの台形や半月型なら開口部が大きいので、フクモモに触りやすいと思います。
ただし、逃げようとしたときに開口部を閉じにくいので、Uni は袋型にしました。
手作りポーチは使い勝手がよく、スキンシップに重宝しています。
ケージから取り出した時こそ威嚇の声をあげていますが、マシュマロをあげると奥に潜り込み、そっと撫でていると眠ってくれます。
あくまでもモモちゃんの場合…という前置きはあります。
でも、ベタ慣れ目指して頑張りたいという方は、ぜひポーチの形を見直して頂きたいと思います(^-^)
おやつで仲良くなる方法
動物に詳しい人には良く知られたことですが、慣れていない動物と接するときの鉄則は、「指先を出さない」ということです。
ついつい指でつまんで差し出してしまいますが、怯えている動物は噛める物には噛みつきます。
指先はまさに格好のターゲットになるわけです。
そして、一度噛まれると飼い主の方にも恐怖心が芽生え、スキンシップを図りにくくなります。
動物は人間の感情に敏感ですから、怯えを悟られてしまうでしょう。
そのため、小さいおやつを与えるとき、初めは指先で持たないようにしましょう。
スプーンに載せて近づけたり、楊枝の尖ってない側に浅く刺して与えたりするのがおすすめです。
おやつを認識してくれたら、スプーンや楊枝を少しずつ短く持つようにして、距離を縮めていきます。
相手がおやつをひったくるように奪わなくなったら、指で持って与えても上手におやつだけを噛んで持って行くと思いますよ。
おやつは何種類か試して、フクモモちゃんのお気に入りを見つけておきましょう。
モモちゃんの場合、鉄板はマシュマロです♪
ポーチを持ち上げてジコジコ言っても、マシュマロをあげると落ち着いてくれます!
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フクモモは好きな食べ物でも硬い部分や気に入らない部分はペッと吐き捨てる食べ方をします。
だから、ポーチの中にゴミを残さないためには、常に完食してくれるおやつが必須!
その点、マシュマロは吐き捨てる要素がないので安心なわけ^_^;
我が家ではマシュマロは常備品です(笑)。
また、フクモモはメープルシロップやハチミツ、モモンガミルクなどの液体も好きですよね。
でも、指先に付けてあげると、かなりの確率でカプッとされます(甘噛みが多いですが)。
舌が長いので金網越しに与える方法もありますが、距離感を間違えると噛まれるし、アクリルケージだとできないですよね。
でも、慣れていない動物に液体のおやつをあげる良い方法があります。
手の甲に塗るんです。
できれば手はグーのように握った状態にして、おやつを塗った手の甲を相手の下側からゆっくり近づけましょう。
フクモモが威嚇しても逃げないようであれば一度ストップして、ニオイを嗅ぐ仕草をしたら再び近づける…のが経験上良いと思います。
手の甲側に塗り、手を握って与えるメリットは2つあります。
1つ目は平たく硬いので噛みつきにくいという点。
例えばお皿の縁には噛みつけても、中央部は舐めるしかないというのは、人間でも一緒ですよね。
2つ目は指が見えないという点。
指は気をつけていても動かさないのが難しいうえ、特に小動物では❝掴まれる❞という意識が働くように感じます。
手をグーにすることで表面積を小さくする効果もあり、相手に与える圧迫感も減らせます。
大きな手が近づいてくるのは、フクモモにとっては物凄い恐怖だと思いますから。
Uniは犬などの他の動物にも、今のところこの方法で噛まれたことはありませんので、ぜひ試してみてください。
手の甲で慣れてきたら次は手のひらの手首側に塗ってみます。
部位でいうなら「母指球」「手根」あたり。
手をグーにしても隠れない部分ですね。
手の甲と同様に平らで噛みつきにくいという特性があります。
おすすめは手根に塗る方法。
フクモモに与えるときは手首を反らせて手根から近づけていきます(体勢が難しければ母指球でOK)。
頭上から近づけるのは絶対にNGですよ!
これにも慣れてきたら、今度は指を揃え、おやつを塗った手根を近づけてみましょう。
ニオイに誘われて近づいてきたら敢えて少しずつ距離をとり、手のひらに乗るように誘導してみます。
怖がってしまったら、無理強いせずに前のステップに戻すのがおすすめです。
この方法には香りの強い液体が適しています。
甘い香りのメープルシロップは最適だと思いますよ!
似た香りですが、❝ケーキシロップ❞は偽物。
サトウカエデの木から採取した100%メープルシロップを与えましょう。
メープルシロップはミネラル分が多いのもおすすめポイントです。
開封後は冷蔵庫で保存してくださいね(室温だと発酵しちゃいます)。
また、ハチミツも甘いので大好き!
海外の文献でも副食品として紹介していることが多いです。
でも、赤ちゃんフクモモに蜂蜜は与えない方が良いと思います!
蜂蜜には食中毒の原因となるボツリヌス菌が混入していることがあります。
体力のないベビーは抵抗力が弱いので、小さいうちはメープルシロップの方が安心だと思いますよ。
(人間の場合も1歳未満の赤ちゃんにはハチミツはNGです。)
我が家のモモちゃんは現在前脚はUniの手に載せてくれるようになりました。
後ろ足はハードルが高いので、このまま様子を見ていくつもりです。
気長に頑張ります!!
その後のベタ慣れ進捗具合はこちらでチェック!