草津温泉で実験も!子供と楽しく学べる おすすめスポット5選(解説付き)

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日本最大級の湯量を誇る「草津温泉」。

首都圏からのアクセスも良くノスタルジックな気分にも浸れる温泉街は、幅広い世代に人気があります。
さらに近年の再開発により、子供連れでも利用しやすくなりました。

そんな草津には、温泉を楽しむだけでなく、子供と遊びながら学べるスポットがたくさん!
今回は、草津温泉で楽しみながら学べるスポットを紹介したいと思います。

旅育にも、自由研究のテーマ探しにも活用してくださいね!

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何かと便利な「草津温泉バスターミナル」

草津温泉へは電車・長距離バス・マイカーなどいずれもアクセスしやすく、どの方法で向かっても良いかと思います。

しかし、問題になるのは現地についてからの移動手段。

標高1,000m以上の山間にある草津温泉では、土地柄、移動手段は限られてきます。
マイカーなら問題ありませんが、徒歩圏外へ行きたいときの移動手段をチェックしておくと良いでしょう。

まず、ポイントとなるのは草津温泉の玄関口「草津温泉バスターミナル」。
草津のシンボル「湯畑」まで徒歩4分のところにあります。

最寄り駅のJR「長野原草津口駅」または「軽井沢駅」からバスで草津温泉へ向かうのが一般的ですが、降りるバス停はどちらも「草津バスターミナル」。

もちろん高速バスも同じです。

このバスターミナルから主だった旅館・ホテルへの送迎バスが発着しているので、荷物を持って温泉街を移動しなくても済むというわけ。

また、湯畑周辺から西の河原にかけては飲食店や土産物店が並び立つ温泉街です。
この周辺だけを観光しても十分楽しめますが、少し離れたところに行くにもバスターミナルを経由すると便利です。

おすすめは、ここを起点とする『草津温泉町内循環バス
レトロな外観のバスなので、ぜひ乗ってみてください!

草津温泉
草津町役場公式サイトより

小学生以上1回100円で乗車でき、「草津ベルツ記念館」「草津熱帯園」「草津国際スキー場」などへアクセス可能!

温泉街の外周を通って西の河原露天風呂へも行けるので、子供連れで移動が大変な人は巡回バスを利用するのもいいですね。

ただし、4路線あるので注意しましょう。

さらに、このバスターミナルには足湯があり、バスの待ち時間に足湯を楽しむのもOK
3階には草津町温泉資料館も併設されていて、歴史資料や観光案内があるので情報収集に利用するのも便利です。

ちなみに電車の切符も買えますよ。

なお、草津温泉周辺の最新情報は下記公式サイトをどうぞ。
ライブカメラも見られるので、冬の降雪・積雪状況などを確認するのにも良いですよ。

草津温泉ポータルサイト へ

湯畑

草津温泉
ライトアップされた湯畑

草津のシンボル「湯畑」は絶対外せない観光スポット!
最近は夜間のライトアップされた幻想的な光景も人気です。

周辺には老舗旅館や土産物店が集まり、とても賑わうところです。

草津温泉の効能は広く親しまれ、かの徳川八代将軍・吉宗公も草津から江戸城まで湯を運ばせたほどの名湯です。

この草津の地に湧き出る源泉は50~90℃と温度が高いことで有名

日本の❝温泉❞の定義は「25℃以上、または特定の物質が含まれていること」なので、かなり高温なことがわかりますね。

入浴には熱いですが、水を足しては温泉成分が薄まってもったいない…。

そこで草津の人々が編み出した方法が、草津名物の「湯もみ」。
濃厚な温泉成分を維持したまま適温まで下げられるのです。

もう1つは、源泉が空気に触れる時間を長くし自然に冷ますという作戦。
湧き出た源泉の水温を湯樋を通るうちに下げる仕組みなのですが、これにはもう一つ役割があります。

それは、硫黄など豊富に含まれる温泉成分を析出させ、採取すること
このことから「湯畑」と呼ばれるようになったのです。

子供と一緒に湯畑を科学する!

ここでちょっと科学の話。
湯の温度が下がるとなぜ温泉成分が析出するのでしょう??

実はこれ、小学5年生の理科「ものの溶け方」の単元で習うことと関係しています。

水に溶ける物質は、無限に溶けるわけではありません。
100gの水に溶ける物質の量は種類によって決まっており、それぞれ特定の濃度しか溶かせないのです(溶解度)。

この溶解度は、水温によって変化します。

小学校では食塩とミョウバン(硫酸カリウムアルミニウム)を使い、物質の種類や水温によって溶解度が異なること、そして条件が同じであれば溶解度が一定になることを実験を通して学びます。

そして、溶ける限界量(=溶解度)になった状態を❝飽和水溶液❞といい、これを超えると溶け残りが生じるわけです。

自由研究に使える上にほったらかし実験なので、テーマに悩んでいる人は【 こちらの記事 】をご覧ください!
キレイな結晶が作れますよ! 

さて、話を湯畑に戻しましょう。

草津の源泉には硫黄を中心に、アルミニウム-硫酸塩などの塩化物が豊富に含まれています。
(種類や濃度は源泉により異なります。)

熱々の源泉が湯畑に広がると、表面積が広くなることでたくさんの空気に触れ、水温が下がっていきます。

草津温泉
湯畑の湯樋

温泉成分が溶けていられる量は水温が下がるほど減っていきます(=溶解度が低くなる)から、溶けきれなくなった物質が湯畑に析出してきます。

これが❝湯の花❞というわけです。

こんなウンチク、旅行中にしたら子供に「うざい」と言われそうですが(苦笑)、あの景色を見た記憶があれば、溶解度の小難しい話も頭に入りやすいかも。

湯の花もちょっと違った目で見られますね。

無料!足湯「湯けむり亭」

草津温泉
草津温泉ポータルサイトより

湯畑の脇に建つ東屋が、新しく整備された足湯用の「湯けむり亭」です。

24時間・無料で楽しめるとあって、観光客に人気のスポット。
しかも総ヒノキ造りという贅沢さです。

草津らしく水温高めの足湯なので、寒い時期でも数分間漬かれば全身ぽかぽかに。
冷え性の方は手も浸しておくと良いですよ

草津のお湯は成分が濃いので、子供や肌が弱いので心配という人は、ここの足湯で試すのがおすすめ!
最初は短時間で切り上げて、様子を見ましょう。

子どもはすぐに喉が渇くので、水分補給も忘れずに。
足湯を楽しみつつ、「次はどこへ行こうか?」なんて相談するのもいいですね。

西の河原公園と西の河原露天風呂

温泉街の西にあることから名付けられたという「西の河原公園(さいのかわらこうえん)」。
湯畑から約10分、西の河原通りを上っていくとあります。

公園内は湯畑周辺の喧騒から離れ、緑の多い散歩道になっています。
河原は溶岩交じりの岩がゴロゴロしていますが、遊歩道(石畳なのでベビーカーは注意)もあります。

ここにあるのが、草津6源泉のうちの1つ「西の河原源泉」です。
毎分1,400ℓという湯があちこちから湧き出し、湯の川が流れている不思議な光景を見ることができます。

西の河原公園

この湯の川、美しいエメラルドグリーンをしていますよね?
周辺にも「瑠璃の池」など特徴的な色から名付けられた湯だまりが見られます。

実はこれ、イデユコゴメという藻の色なんです。
漢字にすると❝出湯小米❞となり、まさに温泉の申し子といったところ。

ここの源泉のpHは2前後と極めて低く、土壌もその影響を受けるため、西の河原には草木がほとんど生えません。
その殺伐とした光景は、観光客がいなければまさに温泉地獄です。

それなのに、源泉にどっぷり漬かっていても生きられるイデユコゴメの生命力の強靭さ。

頑丈な細胞壁をもち、その周囲に沈着するケイ酸が秘密なんだとか。
ケイ酸は酸への強い耐性を持つ物質なんですよ。

非常に原始的な藻類で、太古の地球の厳しい環境も生き抜いてきたんでしょうね。
温泉街の湯滝の幻想的な碧い色も、この藻のおかげというわけです。

さて、ここに行ったらぜひ楽しみたいのが、日本有数の広さを誇る「西の河原露天風呂」。

こちらは西の河原源泉ではなく、草津の中で最もマグマ近くから湧き出していると言われる「万代源泉」から引かれています。

この源泉、なんと水温は94~95℃、pH1.5の高温で強酸性のお湯なんです。
この点では草津最強の湯と言えるでしょう。

男湯・女湯に分かれていますが、それでも十分な解放感を味わえます。
子どもは間違いなく泳ぎだしますね(笑)。

また、金曜日の夜限定で男性風呂が混浴に変わります(女性風呂は女性専用のまま)。

家族やカップルなどでの温泉旅行は、せっかく一緒に来たのにお風呂は別々…ということも多いので、みんな揃ってリラックスタイムを過ごせるのはいいですよね。

ちなみに、女性は湯あみ(レンタル)か持参した水着、男性は無料の湯あみを着ての入浴となります。
子どもは水着を持参してくださいね。

ビジターセンター

西の河原公園まで行ったら、もう一つ訪ねたいのが「ビジターセンター」。

露天風呂の近くにあり、無料で草津の成り立ちや自然を学べるスポットなので、ぜひ寄ってみてください。
夏休みの自由研究などネタ探しにもぴったりです。

草津温泉一帯は上信越高原国立公園に指定されているエリア。
パネルが中心ですが、草津ならではの植生や地質について展示されています。

この地に温泉が湧き出る理由も教えてくれますよ。

ここでも、火山と地質について子供目線で触れておきましょう。

火山を自由研究に絡めると…

草津温泉は、標高2,160mの草津白根山の端に位置します。
嬬恋村にまたがる本白根山とともに、今なお盛んな火山活動が行われているエリアです。

2014年、火山性地震が多数観測されたことから草津白根山・湯釜付近の噴火が警戒されていましたが、2018年に実際に水蒸気噴火を起こしたのは本白根山側でした。

火山活動の予測の難しさを記憶している方もいるのでは…と思います。

さて、小学校では6年生理科の「大地のつくりと変化」の単元で、海の生物の化石が山頂から採取される例などをあげ、大地の隆起が自然の大きな力によることを学びます。

さらに、火山の噴出物や河川による運搬によって土砂が堆積し、❝地層❞ができることも学びます。

地層はその土地の年表のようなもので、下層にあるほど時代が古くなります。
地層の中に火山礫(れき)や火山灰があれば、その時代に噴火があったことがわかる、という具合ですね。

火山灰をルーペや顕微鏡で見ると、とても美しい鉱物(斑晶)がみられます
この鉱物は噴火前のマグマの中で成長した結晶なのです。

採取地にもよりますが、火山灰に含まれる鉱物で判別しやすいのは、石英(水晶)や黒雲母、角閃石など。

そして、これらの鉱物の含有量によって石の色味が変わることや、マグマの冷え方によって火成岩(火山岩と深成岩)の種類については中学校の科学で詳しく学びます。

火山の近くに行ったら、砂を持ち帰って観察して見るとおもしろいです(採取OKの場所のみ)。
ちなみに、園芸用の鹿沼土や赤玉土も火山灰を含むので、鉱物を観察することができますよ。

ちなみに、火山灰から鉱物を取り出せば、簡単な自由研究が完成します。
詳しくはこちらの記事をご覧くださいね。

火山灰から鉱石を取り出す方法や、火山灰を使った自由研究については、こちらの記事をご覧くださいね。

なお、2020年より小学校は新学習指導要領となり、火山の噴火が私たちの暮らしに及ぼす影響についても学ぶ機会が設けられています。

草津への旅行は、温泉の恵みと火山の恐ろしさを知る良い機会になるのではないでしょうか。

光泉寺

正式には「草津山 光泉寺」といい、非常に古い歴史を持った温泉街の名所です。
湯畑を見下ろせる高台にあります。

温泉街にはもう一つ有名な「白根神社」があり、長い石段が有名です。

高所にある境内から湯畑を見下ろす景色が楽しめますが、傾斜のある長い石段を上るのは子供には少々キツイかも。
光泉寺の方が楽に登れるのでおすすめです。

また、光泉寺の石段に1,200ものキャンドルを並べるイベント「夢の灯り」が楽しめる時期もあります。
山門のライトアップは毎晩行われているので、こちらも映えるポイントです。

草津温泉
ライトアップされた光泉寺山門

観光スポットとして人気の光泉寺ですが、その歴史は遡ること奈良時代、草津に立ち寄った高僧・行基上人が病人のために祈祷したところ、温泉が湧き出たとの言い伝えに始まります。

そして、病気平癒の信仰対象である薬師如来を本尊として薬師堂を建てたのが、この場所というわけです。

ちなみに光泉寺は、同じく行基上人が建てた西の名湯・有馬温泉「温泉寺」とともに「日本三大温泉薬師」とされています。

3か所めの寺は諸説あるのですが、光泉寺は間違いなくカウントされていますので、ご安心を。

では、光泉寺の名はいつから…といいますと、かつて白根山の湯釜にあった白根明神の別当寺として鎌倉時代の初め(1200年)に再建されたところから始まります。

光泉寺は創建当時から広く信仰を集め、南北朝時代の護良(もりよし)親王、軍記『太平記』に登場する新田義貞、楠正成などの両雄も訪れています。

800年を経た現在でも、前述の薬師堂とともに釈迦堂・不動堂などが光泉寺境内に残っており、多くの観光客が訪れる寺です。

そして、近年、さらに光泉寺が話題となっている理由があるのです。
後ほどご紹介しますが、まずはもう少し歴史を紐解いておきたいと思います。

草津で学ぶ奈良時代

さて、薬師堂が建てられた奈良時代の特色といえば、大陸から知識や文化を積極的に取り入れたこと。

特に中国へはたびたび遣唐使を送り、その法制度をまねて大宝律令を作り上げ、朝廷への集権をより一層強めていった時代です。

同時に、文化や仏教も日本へ持ち込まれました。

唐はシルクロードを通じて西アジアやインドの影響も受けていたので、唐を経由して日本にも伝えられ、天平文化として花開くのです。

興福寺の阿修羅像、東大寺正倉院の螺鈿紫檀五弦琵琶など、奈良時代を代表する文化財はどこかオリエンタルな雰囲気を醸し出していますね。

一方で、この時代は地震や飢饉、疫病の流行が度々起こりました。

❝天然痘❞によるパンデミックが起こり、多数の死者が出た記録が残っています。
一説によると、遣唐使など海外との交流によって、日本に持ち込まれた可能性が高いとか。

当時、政治の中枢にいた藤原氏の四兄弟も病死し、その猛威は政治を混乱させるほどだったそう。
致死率の高い天然痘により、なすすべもなく家族を失っていく民衆も途方に暮れたことでしょう。

そこで考えられた策が、仏教の力でこの難局を乗り切ろうというもの。

聖武天皇は全国に国分寺と国分尼寺、奈良・東大寺の大仏建立を命じます。
一方で、唐の高僧を招聘するため使いを送り、鑑真上人が苦労の果てに日本へ渡ってくるのです。

同じ頃、疫病や飢饉を憂えた僧が人々を救うため、仏教を説きつつ寺院や溜池の施工、架橋などを行っていました。
それが、行基上人です。

当時、布教には国の許可が必要だったため、行基は朝廷に逆らう者として度々弾圧されます。

しかし、民衆からの信望篤い行基に着目した聖武天皇は、膨大な銅と人員が必要とされた大仏建立への協力を仰ぐのです。

大仏建立の想像を絶する労役の厳しさは、1人の青年の成長と葛藤を描いた帚木蓬生氏の小説『国銅(上・下巻)』に記されています。

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一気に読めるほど面白いので、興味のある方は是非ご一読ください!

なお、行基上人は草津の他、北は青森県、西は宮崎県まで600もの寺を開いたと伝えられています。

1300年も昔に行基上人が奈良から遠い草津や東北まで足を運べたのは、国分寺や大仏を作るための道路網が全国に発達したことが大きかったと言われています。

さて、唐とのつながりや仏教の影響、聖武天皇の政治と天平文化については小学校6年生で、行基や鑑真の果たした役割については中学校の歴史分野で深く学びます。

コロナ禍を経験した子供たちにとっては、疫病封じの妖怪「アマビエ」のように、聖武天皇や行基の願いも単なる❝歴史❞とは異なるものとして捉えられるかもしれませんね。

草津屈指のパワースポット「遅咲き如来」

近年訪れる観光客のお目当てが、この「遅咲き如来」。
敷地内の釈迦堂のご本尊・釈迦如来像のことです。

では、なぜ❝遅咲き❞と呼ばれているのでしょう?

実はこの釈迦如来像は、江戸時代の高僧・公慶上人によって1702年に造られ、その後、江戸の医師・玄賀によって安置されたと伝えられていました。

しかし、それは言い伝えに過ぎないと思われていたのです。

なぜなら、公慶上人は焼失していた東大寺大仏殿の再建と大仏の修復に多大な情熱を注いで尽力した人物。
公慶上人の座像が東大寺に祀られているほどの僧なんです。

しかも、光泉寺に安置されている釈迦如来像は、その公慶が大仏内腹の骨木で作った二体のうちの一体であり、大仏修復に貢献していた玄賀が賜ったものである、というのです。

つまり、かの東大寺の大仏の内部にあった木材から彫った…というんですね。

言い伝えでは、玄賀が「藁屋二間四面の堂に安置せよ」という夢のお告げを受けたのち、湯治でやってきた草津の光泉寺境内を理想の場と定め、釈迦堂を立てて安置したとされています。

こういったエピソードは寺社仏閣にはつきものですが、ここからがスゴイ。
平成17年の調査で、古文書からこれらの言い伝えが事実であることが分かったのです。

300年もの月日を要して解き明かされた真実…ということで、「遅咲き如来」と呼ばれるようになったそう。

境内には「今まであまり花を咲かせられなかった方々、もう一度花を咲かせたいと願っている皆様、是非お参りし、願いを叶えていただきますよう祈念申し上げます」と書かれています。

歴史ロマンを感じさせる光泉寺。
かわいい筒に入ったおみくじも人気です。

環境体験アミューズメント

ちょっとお堅そうに聞こえますが、Uniのイチオシが国土交通省 関東地方整備局の「品木ダム水質管理所」!!
実は理科の教科書に掲載されている施設なんです。

❝草津の湯は強酸性❞・❝湯量が豊富❞と何度も書いてきました。
そのおかげで私たちは草津温泉の効能を、源泉掛け流しという贅沢さで楽しめているわけです。

でも!
そんな強烈な湯があちこちから大量に湧き出ているのを放置していたら…生物はイデユコゴメくらいしか生きられず(笑)、金属は腐食してボロボロになります。

そこで、温泉に利用した湯が流れる川の水を、❝中和❞という化学反応を用いて水質の改善をしているんです。

これが見られるのが、品木ダム水質管理所のある「環境体験アミューズメント」

敷地内には草津の歴史や古文書、ダムに水没した集落などを紹介する5つの小屋があり、pHや中和についても学べます。

さらに、中和工場の見学や石灰石の粉を投入するところも見られるんです!
pH実験場ではpH試験紙を使った測定実験も体験できますよ~。

さらにさらに、石灰石と草津温泉の性質を利用した「百年石」というものが作れます。

詳しくは次項にて触れますが、実験好きのキッズにはぜひ行ってほしいスポットです。

草津温泉
環境体験アミューズメント(百年石)より

品木ダム水質管理所 公式サイト(環境体験アミューズメント) へ

化学の入門❝中和反応❞

さて、中和を超簡単に説明すると、
酸(H+)とアルカリ(OH)が反応して、塩(えん)と水(H2O)ができること
です。

「やめてー」という声も聞こえてきそうですが、子供たちが化学の基礎に触れる機会は意外と早いもの。

酸性やアルカリ性、中性といった水溶液の液性については小学校6年の単元「水溶液の性質」で、イオン(H+やOH)と化学反応については中学校(3年生)の科学で学びます。

ここで一緒に体感しておくと化学嫌いにならずに済むかも…なんて、私も1人の親として淡い期待を抱いています(笑)。

さて、草津で行われている中和処理は、源泉が放出されている❝酸性❞の湯川に、反対の❝アルカリ❞の性質を持つ石灰石の粉を投入することで、どちらの性質でもない中性にするというもの。

中性の確認は、小学校の実験では赤と青のリトマス試験紙を使います。

どちらの試験紙も反応しない状態が中性。
では酸性のときは…赤が青に?青が赤に?…子供に聞いてみてくださいね!

一方、中学校では酸性・中性・アルカリ性の強さを色味から判断できるBTB溶液を使うこともあります。

酸性が強いと黄色、中性に近づくにつれて黄緑を帯びていき、緑色が中性です。
アルカリに傾いていくほど青みが強くなり、強アルカリでは鮮やかな青色に変わります。

これ、きれいなんですよ~!
色が変わる様子と見ると、子供たちから歓声が洩れるほどです。

酸やアルカリをpH(水素イオン指数)で表すこともできますが、それは主に高校の化学で。

ここの実験場では細かいpHが判別できる指示薬を染み込ませた試験紙を用いるので、リトマス試験紙よりも色の変化が楽しめます。

さて、草津温泉の中和に大活躍している石灰石の主成分は、炭酸カルシウム(CaCO3)という物質。

太古の海に生きていた有孔虫の外殻が石化したものなんですが、日本各地で多く採れ、セメントの原料にも使われています。

この石灰石と草津の湯を使ってできる面白い実験が「百年石」を作るというクラフト
水質管理所に併設されている「百年石制作小屋」で参加しましょう。

石灰石の表面にペンキで図柄を描き温泉につけておくと、ペンキが付いてない(=石灰石が剥き出しになっている)部分を酸が溶かすため、図柄が浮き上がるというものなんです(前の画像をご参照ください)。

完成するまで2日間漬けておく必要がありますが、スタッフが仕上げした後、自宅へ発送してくれます。

世界にたった1つの思い出が作れる体験ですが、参加費・材料費は無料!
宅配便の費用(着払い)だけでこんなおもしろい体験ができちゃうなんて、かなり太っ腹だと思います。

草津旅行を計画している子連れの方、ぜひぜひ行ってみてください!

場所は「草津熱帯園」のそば。
前述の草津温泉町内循環バスに乗ると近くまで楽に行けますよ。

終わりに

日本には約3,000の温泉がありますが、その中でも常に上位にランキングされるのが草津温泉。

昔も今も変わらぬ名湯につかりながら過ごす至福のひとときは、日本人冥利に尽きるといっても過言ではないでしょう。

この草津の町は温泉を通して、その大地の奥深くでの出来事を私たちに教えてくれています。

この地で暮らす人々の苦労と、そこから生まれた知恵は、旅する人に新しい知見をもたらしてくれることでしょう。
大人も子供も同じように学ぶ楽しさを、身をもって感じられるスポットだと管理人Uniは思っています。

そして、❝健康を願う気持ち❞は千年を経た今も変わらないのだと、痛感するのです。

そんなことを考えつつ、草津温泉の親子スポットを紹介してみました。
子供との話題作り、夏休みの自由研究など、活用していただけたら嬉しいです。

※最新の情報は必ず各公式サイトなどでご確認ください。