子供と学べる箱根のおすすめスポット~ハイキングにジップライン!ワクワクたっぷりの体験を!

関東近郊の手軽な旅行先として人気の箱根。
アクセスのよい立地ながら、温泉や大涌谷、芦ノ湖などの観光スポットも多く、三世代にわたって楽しめるエリアです。
箱根の魅力はダイナミックな火山活動によるところが大きいですが、そこには学びのポイントがたっぷり!
社会だけでなく理科の教科書に出てくるアレもコレも、実は箱根で体感できちゃうんです。
難しいあの授業も、強敵の自由研究も、箱根に行けば解決するかも!?
旅行を楽しみながら、学びが身近になる「旅育」のヒントが満載の箱根エリア!
親子で発見を共有できる旅に出かけてみませんか?
目次
箱根について
かつては東西を結ぶ交通の要所だった箱根。
江戸時代には関所が設けられ、「入り鉄砲に出女(いりでっぽうにでおんな)」と言われるほど、江戸への人・モノの流れを監視する役目も担っていました。
現在は大涌谷などが『富士箱根伊豆国立公園』の一部となり、都心からのアクセスが良い観光地として温泉客や観光客で賑わう町となっています。
そしてもう一つ、新年の風物詩「大学箱根駅伝」の折り返し地点としても有名。
見せ場の1つである往路の5区はまさに箱根の山上りであり、最大の難所として知られています。
映画化もされた人気の自転車マンガ『弱虫ペダル』でも、箱根は難所として登場しましたね。
駅伝のルーツとされる江戸時代の「飛脚」たちもこうして山を上り下りし、重要な情報の伝達に寄与していたのだと思うと、別の視点で箱根を見ることができますね。
箱根へのアクセス
もちろん交通網が発達した現代では、箱根へ簡単に行くことができます。
移動手段は電車・車どちらでも便利なので、箱根での過ごし方によって選ぶのが良いと思います。
長距離のハイキングをするなら、駐車場に戻らずに次の目的地へ移動できる公共交通機関利用の方が良いかもしれませんね。
ちなみに、箱根観光の中心地「箱根湯本」へは、
【電車】 箱根湯本へのアクセス・所要時間の目安
- 新宿から
小田急線ロマンスカーで直通:約1時間25分
小田急線(快速・急行)+箱根登山線:約1時間45分 - 名古屋から
東海道新幹線ひかり+箱根登山線:約1時間30分 - 新大阪から
東海道新幹線のぞみ+こだま+箱根登山線:約3時間15分
【車】 箱根湯本へのアクセス・所要時間の目安(渋滞なし)
- 東京IC ➡ 厚木IC ➡ 小田原西IC ➡ 山崎IC ➡ 箱根湯本:1時間半
のようにとても便利。
一泊二日などの小旅行や、三世代での旅行にも最適なエリアです。
東京から車でも東名高速➡小田原厚木道路➡西湘バイパスと進めば、渋滞がなければ1時間半で辿り着くことができます。
後述する高速道路とのセット割もあるので、ご覧くださいね。
子供が小さければ車の方が気兼ねなく楽だと思いますが、箱根ならではの乗り物もあるのでぜひ利用したいものです。
これらの乗り物をお得に利用できる『箱根フリーパス』は超おすすめ!
乗り物好きには嬉しすぎる切符です。

【 箱根フリーパス 】
- 小田急線の1往復料金(発駅~小田原駅)
- 箱根登山鉄道、箱根登山バス、ケーブルカー、ロープウェイ、海賊船(芦ノ湖)など8種類の交通機関が乗り降り自由
- 2日間または3日間の利用が可能
代金は乗車駅により異なりますが、例えば新宿駅からだと大人1名・2日間有効で5,700円(ロマンスカーは別料金が必要)。
往復の交通費と現地での移動代も含まれていると考えれば、かなりお得です!
さらに、国が官民一体で進める新型コロナウイルスによる旅行業・地域活性化政策『Go To キャンペーン』を利用すれば、もっとお得に楽しめますね!
asoview!遊び予約・レジャーチケット購入サイト
このように気軽に行ける箱根にも、「旅育」の要素の1つ❝学び❞のポイントはたくさんあります。
今回は頭も体も刺激するスポットを紹介していきましょう。
「旅育」についての詳細はこちらの記事、
をご覧ください。
運休と運転再開について(箱根湯本駅~強羅駅)
2019年の台風19号被害により、箱根登山電車の箱根湯本駅~強羅駅は長期運休となり、箱根登山バスへの振替輸送と代行バスが運行されていました。
しかし、ようやく!!
2020年7月23日には全線運転再開となります!
ただし、箱根登山鉄道に限らず、施設によっては大涌谷など火山ガスの影響や新型コロナウイルスによる制限が行われる可能性もあります。
詳しくは各公式ホームページ、または箱根町公式ウェブサイト(交通規制情報)よりご確認ください。
箱根山:授業で学ぶものがゴロゴロ!?

箱根の景観や自然、温泉などの特徴は、「箱根山」によって作り出されたものです。
箱根山という名は神奈川県箱根町を中心に静岡県にかけて存在する火山の総称。
噴火によって生じたくぼ地の「カルデラ」と「中央火口丘」、そして二重の「外輪山」で構成されています。
大涌谷や芦ノ湖については別項で詳しく触れますね。

学びポイント:首都圏から近い火山

さて、現在も活発に活動を続けている箱根山は、気象庁の常時観測火山となっています。
2019年3月に見られた地殻変動による地震や噴気などの現象を記憶している人も多いのではないでしょうか?
火山活動については小学校6年生の理科「土地(大地)のつくりと変化」に関する単元で学びます。
溶岩の標本が理科室にあれば実際に触れ、ゴツゴツした手触りや他の岩石との違いを見比べたり、時間があると火山灰のプレパラートを顕微鏡で観察したりします。
でも、箱根に行けば溶岩はゴロゴロありますし、大涌谷周辺の砂には火山灰が含まれているので、観察&体感するにはぴったりの場所。
ちなみに、火山灰とはマグマが急冷してできた細かい粒(直径2㎜以下)のこと。
様々な結晶(鉱物)を多く含むので虫眼鏡や顕微鏡で見ると透明な物質が見られ、触るとジャリジャリしています。
紙を燃やした時にできる灰とは全くの別物ですよ。
火山灰を少し持ち帰って観察するのもおすすめ!
水に入れてしばらく置き、上澄みを捨てます。
これを繰り返して濁らなくなるまで洗ってから、沈殿した砂を虫眼鏡(顕微鏡)で観察するとガラスのような鉱物の粒が見られます。
中には大型化すればアクセサリーとして目にするものも含まれているので、ぜひお母さんも覗いてみましょう!
キレイな石が地球の奥深くから出てくるのだと知ると、子供はとても驚きます。
夏休みの自由研究にもおすすめなので、ぜひやってみてください!
一方、火山活動については中学校の理科第二分野「大地の成り立ちと変化」の単元で、火山や地震に対する防災教育と絡めて詳しく学びます。
火山の噴火の様子やマグマの性状によって溶岩の色に違いがあったことを覚えていますか?
- 噴火が激しく、粘り気が大きいマグマ ➡ 白っぽい溶岩
- 比較的穏やかな噴火で、流れ出るようなマグマ(粘り気が小さい)➡ 黒っぽい溶岩
さて、箱根山の溶岩はどんなタイプでしょうか?
大涌谷:大地の息吹と黒たまごのヒミツ

大涌谷は、約3000年前の噴火によってできた火口の爆裂跡。
あちこちから火山ガスが噴き出し、活発な火山活動を体感できるスポットです。
この火山ガスの主成分は水蒸気や二酸化炭素ですが、少量の毒性ガスが含まれます。
中でも亜硫酸ガスや硫化水素ガスは毒性が強く危険なため、観光客用に安全なルートが確保されています。
※ 喘息を含む呼吸器疾患や心臓疾患のある人は十分に気を付けてくださいね。
ぜひ、火山活動の証拠でもある硫黄のにおいを子供に体感させてあげてください。
「臭い!!」と文句を言うでしょうが(笑)、この❝腐った卵のにおい❞と称される匂いの正体こそ硫黄です。
そして、噴気孔周辺に近づくにつれガスの濃度は高まり、土壌の温度が上がるとともに酸性度も高くなっていきます。
まさに地獄のような環境となるわけです。
ところが、こんなに厳しい環境にあっても、逞しく生きる命があります。
代表的なものは地衣類の「イオウゴケ」。
※ 画像はこちら(岐阜大学教育学部理科教育講座)
コケとありますが、苔の仲間ではありません。
地衣類とは、菌類の仲間のうち、藻類(緑藻やシアノバクテリア)と共生しているものを指します。
イオウゴケは先端に赤い花のように見える子実体を持つので、見つけやすいと思います。
ぜひ探してみてくださいね。
学びポイント:湯気?水蒸気?と黒たまごの秘密
そして、大涌谷の名物といえば、食べると寿命が7年延びるといわれる「黒たまご」。
通常の温泉卵は半熟状態で売られていることが多いですが、大涌谷の黒たまごはガッツリ固まった固ゆで。
そして名前の通り真っ黒なのが特徴です。
理由は、大涌谷ならではの温泉卵の作り方にあります。
その方法は、80℃の温泉池で1時間ゆで、次に天然の蒸し窯で15分間蒸すというもの。
これだけ加熱すれば固ゆでになりますね!

ところで、蒸し窯の中は水蒸気で満たされていますが、この「水蒸気」については小学校4年生の理科「金属、水、空気と温度」の単元で水の状態変化として学びます。
授業では、水に温度計を挿して加熱または冷却し、温度によって水の姿が変わることを学びます。
- 氷(固体): 0℃以下
ビーカーに氷水と塩を入れ氷点下まで下がるようにしてから水の入った試験管を入れ、中の水が氷る時の温度を確認する。 - 水(液体): 0~100℃の間
- 水蒸気(気体):100℃以上
丸底フラスコに水を入れ、炎で加熱していき、気泡が生じる様子や水蒸気が発生する様子を観察するとともに、沸騰する温度を確認する。
さて、子供がよく間違えるのが「水蒸気」と「湯気」の違い。
気体である「水蒸気」は透明で、加熱した場合は水面と湯気の間の透明の部分です。
一方、白く見える「湯気」は水蒸気が冷えて生じた水の粒が空気中を漂っているもの…つまり固体です。
- 水蒸気=透明=目の前の空気の中にも存在
➡ 上空で冷やされると固体(雲)になって目に見える。 - 湯気=白く目に見える部分
➡ やがて見えなくなるのは水蒸気になったから。
大人でも混同している人が多いので、気を付けたいポイントです。

こういった高温の水や水蒸気を利用して黒たまごを作っているんですね。
そして、出来上がった卵を見て子供が不思議がるのが卵の黒さ。
黒くなるのは外側の殻だけで、中はきれいな白身ですが、なぜ黒くなるのでしょうか?
秘密は温泉の成分の化学反応にあります。
実はこの黒、硫化鉄(りゅうかてつ:FeS)の色なんです。
卵の殻には胚(将来的にヒヨコになる部分)が呼吸できるように、気孔と呼ばれる小さな穴が約1万個も開いています。
温泉池の中に卵を入れると、この気孔の部分に温泉に溶けている「鉄」が付着するのですが、これだけでは黒くなりません。
付着した鉄に、同じく温泉の成分である硫黄(硫化水素)が反応することで、初めて黒くなるのです。
Fe(鉄)+ S(硫黄)→ FeS(硫化鉄)
この黒たまごで起きる反応は、中学校の理科第一分野の「化学変化と原子・分子」の単元で、「化合」を学ぶ際に用いる方法と同じです。
激しい発熱反応(約800℃)が起こり、黄色い硫黄が反応するにしたがって黒く変化するので、非常に盛り上がる実験です(笑)。
この実験のポイントは、生じた硫化鉄が磁石につかなくなり、電気を通さなくなっている点。
…つまり、化学反応によって生じた化合物は別の性質をもった物質(硫化鉄)に変化しているというところです。
小学校6年生の「水溶液の性質」の単元で、塩酸に鉄片やアルミ片を溶かしたときにも、化合物の性質が変わることはサラッと習いますが、メインは中学校ということですね。
大涌谷でのおいしい化学反応。
黒たまごをじっくり見てから食べてくださいね!
仙石原:風物詩 ❝野焼き❞ の真実

ユネスコに登録された地球活動の遺産・ジオパークの一つでもある箱根エリアの中でも、特に貴重なのが特別天然記念物にも指定されている「箱根仙石原湿原植物群落」のある仙石原一帯。
周囲を山に守られたような仙石原は、大涌谷の荒々しさとは正反対の、穏やかな景観を見られるスポットです。
秋には仙石原一面にススキの穂が揺らぎ、絵葉書のような美しい光景となるので人気があります。

おすすめシーズンは秋より前!?
ただし、散策路が一本道のため、シーズン中は混み合うのが辛いところ。
一番の見頃となる10月下旬~11月中旬あたりは観光客が押し寄せます。
混雑を避けたい人は、春から夏にかけての青々とした仙石原に行ってみてはいかがでしょう?
とても清々しくて管理人Uniもお気に入りの季節です。

涼しくて過ごしやすいのもポイントですが、子連れ旅行に秋より前を薦めたい理由がもう一つ。
晩夏や秋になると、ススキが子供の背丈を超えるほどに成長してしまい、抱き上げないとせっかくの広大な草原を見渡せなくなってしまうんです。
できるだけ早めの方が親も楽ですよ(笑)。
仙石原草原の散策路は、700mほどの手頃な長さ。
高低差が少ないので、小さな子供を連れていても歩けると思います(舗装されていないので、ベビーカーは無理)。
秋だけの絶景・ススキの穂がキラキラ輝く景色を見たい人は、散策路の出入口付近なら高くなっているので見晴らしがよいです。
背丈を超えるほどのススキに囲まれるのも、巨大迷路に踏み込んだような楽しさがありますよ。
学びポイント:野焼きの目的 ~「植生遷移」の防止

ところで、仙石原といえば有名なのが、例年3月に行われる「野焼き」。
春の季語にもなっている野焼きは、箱根の風物詩でもあります。
2日前から晴天が続き、風の強さなどの条件が揃ったときに行われるので、タイミングが合ったら超ラッキー!
東京ドーム4個分の大地を炎が舐めるように動き、草原が真っ黒に変わっていく様子は壮観です。
野焼きを行う理由にはいくつかあります。
例えば、東南アジアやブラジルなどの熱帯では焼畑農業や開墾のため、アメリカのグレートプレーンズでは土壌中の窒素放出と山火事防止のため、などです。
仙石原の場合は、「ススキの景観を守る」という半ば商業的な目的と、「植生を守る」という自然保護を目的として行っています。
では、なぜ草原を焼き払う「野焼き」が、景観と植生を守ることに繋がるのでしょう?
70年ほど前まで、仙石原に生えるススキは付近の人々の茅葺き屋根や敷き藁の材料として刈られ、利用されていました。
ところが時代の流れとともにススキの需要が減り、放置されるようになったのです。
その結果、草原に低木が生えるようになりました。
これは草原が森林へと変化する途中に見られることで、生態学においては「遷移(せんい)」または「植生遷移」といいます。
植生の遷移は高校生物で学びますが、簡単に説明すると…
植生遷移の流れ
- 何もない大地に、苔や地衣類が生える。
- 草(ススキなどの草本類)が生え始める。
- 低木(ツツジ、ミツマタなど)が生え始める。
- 日射しを好む陽樹(サクラ、シラカンバ、マツ、イチョウなど)が生え始める。
- 日射しが弱くても生育できる陰樹(アオキ、ブナ、スギ、ヒノキなど)が増え、植生の最終段階(極相)となる。
のように、生育する植物の種類が自然に変化していくことを言います。
仙石原は②の状態ですね。
そして、放置すると③の段階に進んでしまうため、地表で芽吹く低木を排除できるように焼き払うことで草原を維持することにしたのです。
では、なぜ自然現象ともいえる植生遷移を止める必要があるのでしょうか?
仙石原にはススキをはじめ多くの草本類が生え、草原を構成しています。
そしてその隣には、「仙石原湿原」があり、貴重な湿生植物が生えています。
つまり、ススキ草原を草原として維持することで、湿原が侵食されないように守っているのです。
また、生える植物が変わると、そこに集まる昆虫や、それを捕食したり木々を住みかとする鳥類、哺乳類も変化していきます。
植生遷移を防ぐことは、そこに暮らす生き物たちを守ることになるんですね。
この植生遷移が非常に注目されているのが、2013年の噴火以降、今なお活発な活動を続けている「西之島」。
溶岩で覆われ荒涼とした島がどのように緑豊かな島へと変貌していくのか、世界的にも貴重な観察の場として100年単位の研究が行われています。
ちなみに野焼きをしても、地中に埋まっているススキなど草本類の芽に影響はありません。
野焼きによって地表の温度が上がり、春の日差しを届きやすくすることで、芽が出やすくなる効果もあります。
こうして黒くすすけた大地から、まず、コキクザキイチリンソウなど地表面に生育する背丈の低い植物が芽吹き始め、春らしい風景に変わっていくのです。
自然環境の成長プロセスともいえる「植生遷移」を止める仙石原の野焼きは、非常にデリケート。
しかも国立公園内ですから、慎重な調査のうえ実施される珍しい野焼きです。
芦ノ湖:富士山を臨む景勝地

箱根の中でもリゾート地として有名なのが「芦ノ湖」。
ニジマスやブラウントラウト、ワカサギのほか、ルアー釣りで人気のオオクチバス(通称ブラックバス)などが生息し、釣り客で賑わう湖でもあります。
ちなみに、芦ノ湖にも生息するウグイの学名は Tribolodon hakonensis といい、❝hakone(箱根)❞という地名が入れられているんですよ。
観光船:これに乗らなきゃ始まらない!?
ここに来た多くの観光客が利用するのが観光船。
実は2種類あるってご存知ですか?
1つは、伊豆箱根鉄道グループが運営する「芦ノ湖遊覧船」。
4つの港を結ぶ定期航路タイプと、同じ場所で乗り降りする周遊タイプがあり、後者は発着場所により30分・40分・70分のコースが設定されています。

定期航路の『十国丸』の3階には「ハイハイルーム」があり、赤ちゃんがハイハイしたり靴を脱いでくつろいだりできるスペースも用意されています。
もちろん見晴らしも抜群!
ちなみに愛犬も一緒に乗れますよ(有料、航路要確認)!
客室内ではキャリー(無料レンタルあり)に入れなければなりませんが、展望デッキはリード装着&抱っこがOKです。
そしてもう1つは、小田急グループが運営する通称「箱根 海賊船」。
現在は3艘が運航しており、
- フランス艦隊がモデルの『ロワイヤルⅡ』
- イギリス戦艦がモデルの『ビクトリー』
- ゴールドの船体が目を惹くオリジナル船『クイーン芦ノ湖』
があります。
何と言ってもインパクトのある外観は子供に大人気!!
デッキで風を受けるのも、豪華な海賊船の中でくつろぐのも楽しいですね。

3つある乗り場の1つ「桃源台港」はロープウェイや箱根登山バスなどの発着場所にもなっているので、観光の起点でもあります。
この港はバリアフリーになっているので車椅子やベビーカーも楽々。赤ちゃん休憩室もあります。
また、期間限定で高速道路利用とのセットプランがあるのも魅力。
スマホ・タブレットのユーザー限定ですが、
高速道路 + 海賊船(大人2名分) + レストラン食事・買い物券(2,000円分)
などがセットになっています。
高速を利用し始めるインターチェンジによって料金は異なりますが、
1日目 都内(東京IC利用)➡沼津IC:箱根泊
2日目 箱根口IC➡都内(東京IC利用)
の場合、約2,000円お得になります!
詳しくは「NEXCO中日本 速旅セットプラン」をご参照ください。
さらに、最近は水陸両用の「NINJA BUS」も運航され、新しい楽しみも加わりました!
この地を治めていた北条氏の諜報部隊として暗躍した「風魔一族」にあやかって名付けられました。
「箱根園水族館(箱根園バス停)」や「伊豆箱根バス 箱根営業所(元箱根バス停)」から乗車でき、周遊するコースが組まれています。
このバス1台に乗ったままで、箱根の山も湖面も満喫できるなんて、ちょっと自慢しちゃうかも!

学びポイント:カルデラって何?
箱根でも1・2を争う観光スポットの芦ノ湖ですが、その湖面は標高約720m、周囲をくるっと箱根山に囲まれたカルデラにあります。
ちなみに、カルデラとは直径2㎞以上の陥没した地形を指すので、必ずしも噴火によって生じるものではありません。
火山性カルデラの場合は、地下に溜まっていた大量のマグマが噴火によって吹き出し、空洞になった部分の天井が落ちて露出することにより出来上がります。
周囲の山は「外輪山」と呼ばれます。
こうして生じたカルデラに、外輪山などに降った雨水が溜まってできたのが「カルデラ湖」。
ですが、芦ノ湖はカルデラ湖ではありません。

芦ノ湖は、約3000年前の噴火時の火砕流によって、カルデラ内にあった早川が堰き止められて生じたため、「堰止湖」に分類されているのです。
現在は周囲の山々に浸み込んだ雨水が地下水となって湖底から湧き出していると考えられ、豊かな水を湛えた湖となっています。
その水は静岡県側へ1日15トンも流れ出ているとのこと。
カルデラについては中学校の地理(理科ではないところがミソ)で、九州地方を学ぶときに阿蘇の世界最大級のカルデラが取り上げられています。
独特の地形と火山活動を利用した地熱発電や放牧、温泉などの産業が盛んなことを学ぶんですね。
子供にとってカルデラという地形はなかなか理解しづらいもの。
関東・関西からもアクセスのよい箱根で体感してみるのがおすすめです!
年齢にあったハイキングコースで楽しむ

芦ノ湖は湖上から楽しむだけでなく、湖畔でも様々な楽しみがあります。
管理人Uniが特におすすめしたいのは、「環境省 箱根ビジターセンター」の周辺。
芦ノ湖の海賊船「桃源台港」から徒歩5分、遊覧船「湖尻港」から徒歩15分の所にあります。
箱根ビジターセンターはバリアフリーになっており、ベビーカー・車いすはもちろん、目や耳が不自由な方への対応も可能と頼りになる場所。
箱根エリアの模型などもあるので、情報収集がてら訪れて、観光の起点にするのもおすすめです。
周辺には手頃なハイキングコースが多くあり、マップも置いてあります。
子連れでも楽しめるものをご紹介しましょう。
小さい子向きのコース
小さい子供連れなら、ビジターセンター周辺の1時間コースがぴったり。
途中には「野鳥の森」や「子供の広場」があるので、飽きずに回れます。
ロープウェイの下を通り抜けるのも、ちょっとしたスリル!?
一部がバリアフリーのコースになっているので、ベビーカーなどでもOKです。
日によっては無料のガイドツアーもあるので、参加するのもいいですね。
なかなか気づけないポイントを、プロの視点で教えてもらえますよ。
しっかりハイキングコース
小学生なら途中でお弁当を食べるくらいの仙石原コースがおすすめ。
約6㎞、3時間の道のりですが、起伏が少ないので体力に自信がなくてもOKです。
ビジターセンターを出発して林道を抜け、耕牧舎跡(長尾峠分岐)を通ってススキの生い茂る仙石原や湿生花園へ至るハイキングらしいコースですよ。
ちなみに、耕牧舎跡とは新札に登場し、2021年の大河ドラマの主人公・渋沢栄一が自ら現地に赴いて創立に携わった牧場の跡地。
事業としては軌道に乗り切れなかったようですが、日本資本主義の父と呼ばれる彼にも難しいことはあるのだと慰められますね。
それはさておき、青々とした芝生はお弁当や休憩にもってこいのスポット。
帰りは仙石原からバスを利用することもできますよ。
その他にもたくさんのコースプランが用意されています。
環境省 箱根ビジターセンター
にて紹介されていますので、ぜひチェックしてみてください!
学んで遊べるおすすめスポット

箱根エリアは観光も学びも盛りだくさんなので、家族旅行にぴったりです。
頭を刺激するだけでなく、体もしっかり動かせば脳の働きもアップ!
ここからは親子で思う存分楽しめるスポットをまとめてご紹介します。
なお、新型コロナウイルスの影響で開館時間などが変更される可能性もあります。
事前にホームページで確認することをおすすめします。
環境省 箱根ビジターセンター
- 料金:無料
- アクセス
・箱根高速バス「白百合台」、徒歩すぐ。
・海賊船「桃源台港」、徒歩5分。
・遊覧船「湖尻港」、徒歩15分。
➡ 公式ウェブサイトへ
整備されたハイキングコースの案内、箱根のジオラマやパネルの展示があり、箱根の情報取集に最適の場所。
観察会などのイベントもあります。
芦ノ湖からのアクセスもよく、箱根の交通の起点「桃源台」が近いので、ぜひ立ち寄ってみてください。
芦ノ湖を一望できるラウンジや、バリアフリーのトイレなども設置されていますので、休憩にも利用できますよ。
箱根町立 箱根ジオミュージアム
- 料金
インフォメーションゾーン:無料
ジオホール:100円、未就学児無料 - アクセス
箱根ロープウェイ 大涌谷駅、「くろたまご館」1階
➡ 公式ウェブサイトへ
前述の「黒たまご」で有名な大涌谷にあるので、気軽に立ち寄れるミニ博物館。
箱根ジオパークの拠点となる「インフォメーションゾーン」は無料で利用可能。
ジオパークや、大涌谷の自然や火山ガスへの防災など、リアルな情報が満載です。
また、有料エリアの「ジオホール」では大涌谷必見ポイントの紹介のほか、箱根の火山活動や仙石原などのコラム展示、触れる実物展示品もあります。
時折開催されるミニ実験も人気です。
神奈川県立 生命の星・地球博物館
- 料金
大人 520円、15歳以上20歳未満・学生 300円、高校生・65歳以上 100円、中学生以下 無料 - アクセス
箱根登山鉄道「入生田(いりうだ)駅」から徒歩3分(小田原駅より約13分)。
➡ 公式ウェブサイトへ
46億年の地球の歴史を、1万点を超える展示品とともに紐解いていく博物館です。
展示室は「地球を考える」「生命を考える」「神奈川の自然を考える」「自然との共生を考える」の4つで構成されています。
面白いのは巨大な百科事典が置かれた「ジャンボブック」の展示室。
実物大で見られるので、リアリティたっぷりですよ。
講座や観察会も行っているので、夏休みの自由研究にもぴったりです。
箱根やすらぎの森「森のふれあい館」
- 料金
やすらぎの森(公園):無料
森のふれあい館:中学生以上 650円、小学生 400円、未就学児 無料
※箱根フリーパスなどによる割引あり - アクセス
箱根町港より熱海行き又は三島行きのバスに乗り、「箱根やすらぎの森」で下車。徒歩すぐ。
➡ 公式ウェブサイトへ
公園の中にある施設で、箱根の情報やハイキングコースの案内のほか、各種パンフレットや割引券などが置いてあります。
森についてのクイズコーナーや、迫力満点のツキノワグマのジオラマ、箱根の貴重な植物の展示を見たり、工芸室で木の実クラフト(マグネットやペン立て:有料)を作ることもできます。
夏の特別企画「生きた昆虫展」は人気のカブトムシやクワガタが勢ぞろい!
2020年は新型コロナウイルスの影響で外国産昆虫の展示規模が縮小されますが、昆虫好きキッズ(大人も)にはたまらない企画展です。
また、周辺の公園「箱根やすらぎの森(無料)」は緑たっぷりの憩いの場。
整備された道があり、敷地内の様々な広場を散策したり、お弁当を食べたりすることもできますよ。
フォレストアドベンチャー・箱根
- 料金
大人 2,800円~、子供(18歳未満)2,800円
※料金はコースにより異なる。身長110センチ以上から。コースにより保護者同伴。 - アクセス
箱根登山線 箱根湯本駅より無料送迎あり
➡ 公式ウェブサイトへ
「フォレストアドベンチャー・箱根」は、日本各地で展開するフランス発の自然共生型アウトドアパークの1つ。
環境に負荷をかけないよう、森をそのまま利用して作られています。
滑車を使って木から木へと渡る、いわゆる❝ジップライン❞は大人も童心に帰る楽しさ!
梯子を上り樹上の一本橋を渡るなど、スリル満点のアクティビティは親子で楽しめるものばかりです。
注目したいのは、ここのポリシーが❝自分の安全は自分で守る❞という点。
そのため、コースによっては自分で安全装置を扱うようになっており、レクチャーを受けてから遊ぶのです。
東日本大震災でも注目された、自らの手で自分を守るという❝大自然に接する際の鉄則❞を体感できるシステム。
防災教育としても活用できるので、自然災害の多い日本では意識したい考え方です。
…とは言っても、まだまだ自分で対処するのが難しい子供向けに、操作不要の安全装置を使ったコースも用意されています。
身長や年齢に応じてコースを選べるので安心ですよ。

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