理科の自由研究アイデア集②【中学年編】実験?観察?調べ学習?簡単でも達成感のある❝水族館で自由研究のススメ❞!

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夏休みが近づくと「自由研究のテーマは何にしよう?」と頭を悩ませるご家庭も多いはず。

そこで今回は、小学校・中学校の教科書に精通した当サイト管理人・Uniが、自由研究のアイデアをご紹介
教科書と連動させつつ簡単な応用も盛り込み、無理なく宿題を進められるように構成しました。

しかも、夏休みのお出かけスポットの定番・水族館を活用したものを厳選してご案内します。
特別な道具を使わず、身近なもので代替することで、保護者の負担も軽減(ここ大事です!)できますよ。

なお、他の学年や中学生用、放置系・短時間系のテーマはこちらをご覧ください!
自由研究アイデア集 | 世界で1つのワガママ旅へ (uni-voyage.com)

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はじめに

今の子供たちが受験や就職で求められるのは「問題解決力」。
自由研究を通して学ぶのは知識ではなく、この❝問題解決の方法を考える力❞を育むことです。

そこで、この記事では理科の教科書を知り尽くした当サイト管理人・Uni が自由研究テーマをガチ提案!

学年に合ったテーマを選ぶことで、できるだけ子供自身のチカラで研究を進められるよう提案しています。(※取り組み方や自由研究のポイントに関しては、上記【低学年編】で詳しく述べています。)

しかも、夏休み定番のお出かけスポット❝水族館❞を楽しみながら、自由研究のネタも拾うという一石二鳥!

子供が自力で進めなくなった時は、記事内のヒントを少しずつ小出しにして、一緒に考える(フリをする、笑)と良いですね。

知的好奇心を育くみつつ、自由研究をスムーズに進めていただけたら嬉しいです。

中学年(小学校3年生・4年生)で学ぶ内容とは

小学1・2年生までは生活科でしたが、3年生からは❝理科❞として本格的な学びが始まります。
つまり、自然の法則への気づきを、観察や実験という手法を学びながら身に付けていくのです。

本記事のテーマに沿った部分を抜粋すると、

【3年生】四季の変化、ホウセンカ・ヒマワリなどの育成、昆虫の成長と体の作り
【4年生】四季の変化、ヘチマなどの育成、人体の構造と運動(骨格と筋肉)

…が挙げられます。

一方、生物分野以外では光や音、ゴムや風力、磁気や電気といった物理学、熱伝導や水の三体(気体・液体・固体)といった化学、太陽や地面の様子、星座などの地学も学びます。

物理・化学分野は実験を通して結果から考察に至る思考力も養うのですが、生物・地学分野は観察が中心。
実験が少ない理由は、他分野に比べ実験が難しく、条件を整えないと正しい結果が得られないからです。

おまけに、成長を伴う実験は、結果が出そろうまでに時間がかかる^_^;
反面、物理・化学分野は理論は難しくても、誰がやっても同じ結果がその場で得られる実験が中心なんです。

そんなわけで、3・4年生の生物分野は観察が中心になりますが、高学年へ繋がる学習の礎。

そこで今回は、観察から考察へと発展させやすいテーマを選び、ご紹介します。
水族館での観察をもとに、どんどん幅を広げてほしいと思います!

【観察&実験】ウロコを調べる

まずは水族館で魚の観察!
魚の体表はウロコで覆われていますが、よく見ると魚の種類によってウロコも様々なことがわかります。

一般的な魚(硬骨魚類)は外からウロコが見えますが、エイやサメ(軟骨魚類)はどうでしょうか?
また、硬骨魚類でもウナギやドジョウなどヌルヌルしている魚のウロコはどこにあるのでしょう?

ウロコの面白さでいうと、ピカイチなのがチョウザメ。

実は独特なウロコの形が名前の由来になっているんです。
興味を持った方は、ぜひこちらの記事もどうぞ!

ハリセンボンなども興味深いですね(^-^)

このように、水族館で見た魚を元に、ウロコに着目して魚を分けてみてください。
そして、ウロコの機能について調べてみましょう

いちばんに挙げられるのは体の保護ですが、実はそれ以外にも水の抵抗の軽減や栄養貯蔵にも大きな役割を担っています。

エラ横から尾にかけて通る❝側線❞の役割もとても重要です。
余裕があれば、体色を変えられる魚(カレイ、ヒラメなど)について調べるのもおもしろいでしょう。

さて、ここからは応用編。
実際に魚のウロコを観察してみましょう。

おすすめは、タイ(真鯛、キンメダイ、アマダイなど)、アジ、サンマ、メバル、ブリ、イサキなど。
魚屋さんやスーパーでウロコ付きを買ってきましょう。

タイの仲間のウロコは硬くて大きいので、特におすすめ。
アジには特徴的な❝ゼイゴ(正式には稜鱗)❞と呼ばれる部分があるので、ぜひ見てみてくださいね。

生魚が苦手な人は大きな煮干し(=カタクチイワシ。8センチ以上)なら、体に残っているウロコを観察することができます。

数種類の魚のウロコの形を比較してみるといいでしょう。
ピンセットで何枚か引き抜いてみると、1匹の魚でも部位によって大きさが異なることがわかります。

多くの魚には前述の❝側線❞と呼ばれる線があります。
丸ごと魚を買い、側線部分のウロコはどうなっているか、見てみるとおもしろいですよ。

ここからは、実験にも挑戦してみたい人へ。ウロコで魚の年齢を調べてみましょう。

ウロコには年輪のような筋がありますが、所々に他よりも太い❝輪紋❞と呼ばれる筋があります。
輪紋は1年に1本できるので、これを数えれば年齢がわかるというわけです。

自由研究
北海道立総合研究機構
中央水産試験場
より

そのままだと見にくいので、薄めた食紅…なければ紅ショウガや福神漬けの汁に10分くらい漬けておくのがおすすめ!

あとはスマホなどで撮影し、ズームして鱗紋を数えてみましょう。

同様に耳石でも年齢がわかりますよ。
耳石とは魚の耳にあたる部分の骨で、ウロコのように輪紋が形成されます。

耳石は煮魚にすると探しやすく、輪紋も見やすいです。
ただ、5㎜ほどと非常に小さいので、見落とさないように気をつけてくださいね。

ウロコや耳石はきれいに洗って乾燥させ、標本にしておきましょう。

もっと調べたい場合は、ウロコと進化の関係を探るのはどうでしょう?

魚以外にもウロコを持っている生き物はいます。
爬虫類(ヘビ、トカゲ、カメなど)のほか、鳥類の足にもウロコの痕跡がありますね。

これらのウロコは魚類のウロコと比較して、どのような相違点があるでしょうか?
また、それによって得た進化上のメリットは何だったのでしょうか?

一方、ほとんどの両生類にはウロコがありません。
彼らの生息場所を考えれば、爬虫類との違いが見えてくると思います。

実際に、生物の体表(ウロコや皮膚など)の変化と進化について学ぶのは中学校です。

でも、生物好き・図鑑好きの子供なら、低学年でも知っている知識が多く含まれます。
興味があれば挑戦してみてくださいね。

《 自由研究の進め方・ポイント 》

  • 水族館などで魚のウロコに注目して観察する。
    ウロコのタイプによってグループ分けしてみる。
  • ウロコの機能について調べる。
    タイプ別の特徴や働き、側線などについて調べてみる。

《 発展学習 》

  • 実際のウロコを採取して観察する。
    複数の部位・魚のウロコを観察し、比較・検討してみる。
    標本にすると尚よい(押し花のようにして形を整え乾燥させる)。
  • 魚の年齢を推測する。
    採取したウロコを染色し、輪紋を数えてみる。
  • ウロコと進化の関係を考える。
    魚類とそれ以外の生物の「体表」と「生息環境」などを対比させて、メリット・デメリットを考える。

【観察】魚の泳ぎ方とヒレの違い

魚を上から観察したことがありますか?
上から見ると、どのように魚が体やヒレを使って泳いでいるのか、よくわかります。

そこで、魚の泳ぎ方に着目して調べてみましょう。

一般的な形の魚と、エイやヒラメのような平べったい魚、あるいはウツボやドジョウのような細長い魚では泳ぎ方が違います。

キンギョやメダカ、ドジョウなら自宅でも観察できますが、水族館に行ってみても良いでしょう。
アクアワールド大洗水族館」のように上から観察したりできる構造になっているところがあります。

以前、千葉県の「鴨川シーワールド」に行ったとき、タッチプールでエイに触ったことがありますが、間近で泳ぎ方も見られて楽しかったです。

また、前述の「さいたま水族館」では庭池でコイやチョウザメが泳いでいます。
上からも観察できるので、おもしろいですよ。

さて、泳ぎ方を観察したら魚の体型とヒレの位置の関係を探ってみましょう
この2つは前述の泳ぎ方と深く関係があります。

そうそう、ヒレの名称(腹びれ、胸びれ、背びれなど)も調べてくださいね。

国立科学博物館のサイト(魚類研究室)がわかりやすくておすすめです。
改めて調べると、ヒレの数にも違いがあることがわかるでしょう。

また、ヒレの形…特に尾ビレや胸ビレは魚の生態とも深い関りがあります。

我が家には熱帯魚の「パールグーラミィ」がいるのですが、彼らは細くて長い腹ビレを持ち、ツンツン触って確認します。

この腹ビレで仲間と挨拶するような仕草も見られるので、コミュニケーションにも役立てているのかな…という気がします。

自由研究
パールグーラミィの長い腹ビレ

また、海水魚のホウボウは手(足?)のようなヒレを持ち、海底を動き回ります。
何をしているのか、調べてみてくださいね。

こういった泳ぎ方には筋肉や骨格が関係しています。

4年生の理科では人を中心に骨格と筋肉の働きについて調べ、発展学習として他の生物についても触れるので、魚の骨格や筋肉の違いに焦点を当てて研究するのもおもしろいと思います。

ちなみに、魚の筋肉は❝赤身の魚❞❝白身の魚❞と見た目も違うので、子供も認識しやすいでしょう。
赤身・白身の違いによって魚の泳ぎ方にも言及できるので、研究にまとまりがで出ますよ。

さて、ここからはもう一歩踏みこんだ応用編。
泳ぐ生き物は魚類だけではありません。

例えば、イルカ・クジラ、アシカ、オットセイなどの哺乳類の泳ぎ方やヒレの位置、構造などを調べ、相違点を探してみてはどうでしょう?

例えば、サメ(魚類)とイルカ(哺乳類)は全体の形は似ていますが、尾びれの付き方が決定的に違います。
「この部分は似てる」「ここは違う」をまとめると良いですね。

同様に、泳ぎが得意なペンギンを鳥類代表として調べるのも面白いかも!
興味のある方は行ってみてくださいね。

国内最大級のプール型ペンギン水槽がある「すみだ水族館」や、ペンギンが空を飛ぶように見える「サンシャイン水族館」は人気がありますよ。

なお、このヒレ(前脚もしくは翼)は生物の進化とも関係しています。

詳しくは中学校で習いますが、人の手や犬の前脚、クジラの胸ビレ、鳥類やコウモリの翼などは魚の胸ビレから進化した相同器官です。

相同器官とは元は同じ(この場合はヒレ)だったのに、現在は違う形や機能を持った器官のことを指します。

一方、相似器官というのもあり、こちらは起源が異なるけれども同じ目的・機能を持った器官のこと。

例えば、昆虫の翅も鳥類の翼も飛ぶための器官ですが、前者は皮膚(外骨格)から、後者は魚類のヒレ(内骨格)からの進化です。

この辺りは感覚的に理解しやすい部分なので、掘り下げに向いている分野だと思います。
ぜひ挑戦してみてくださいね!

《 自由研究の進め方・ポイント 》

  • 魚の泳ぎ方を観察する(自宅、池、水族館など)。
    体やヒレの動かし方に着目する。
    筋肉(赤身・白身)について調べるのもおすすめ。
    教科書の単元「人体の構造と運動」について関連付けるのも◎。
  • 魚の体形とヒレの位置・形・数などについて調べる。
    グループ分けして見やすくするなど工夫すること。
  • 体形やヒレの特徴と、魚の生態について考察する。

《 発展学習 》

  • 魚類以外の泳ぐ生き物が持つヒレについて調べてみる。
    魚と比較し、相違点を見つける。
  • 泳ぐ機能から進化について言及する。
    相同器官・相似器官についてまとめてみる。

【実験】体の色調べ

時間に余裕があり、かつ実験したいという子におすすめしたいのがコレ。

魚は視力だけでなく色覚も優れているといわれています。
それを実際に確かめてみましょう。

実験に適しているのは、黒メダカ、ドジョウなど黒っぽい色の魚。
ヒメダカは黒色色素が少ないため、少々分かりにくいですが使えます。

また、ここで言う黒メダカとは鑑賞用(改良品種)のことで、野生のクロメダカではありません。
黒メダカはヒメダカよりも少し高価(1匹100円ちょっと)です。

基本的にメダカやドジョウの飼育にはエアレーションやフィルターも不要です。
※ 多く入れている場合は必要。

ただし、一週間から10日に一度、水槽の水を半分くらい入れ替えてください。
数日汲み置いた水かカルキ抜きした水を使ってくださいね。

さて、これらの魚が手に入ったら、周りを黒い紙で囲った水槽と、白い紙で囲った水槽を用意して、魚を入れてみましょう。

水槽の代わりに、大きめのプラコップや、虫かごにもなる飼育ケースで代用してもOK。
100円ショップで売っている、バーベキューとかで使うコップです。

中に入れる水は、メダカが入っている元の水槽の水を使ってください。
水質が急変すると体色に影響を与えてしまったり、弱ったり病気になったりすることもあります。

また、1つの水槽で紙を張り替えてもOKです(ただし、一度に結果を得られないので時間がかかる)。

メダカは1匹よりも複数入れた方がわかりやすく、メダカも落ち着くので、小さすぎるカップは避けた方がおすすめです。

さて、メダカを入れて静かなところに置いておくと、体の色が周囲の色に近づいていきます(変わるときは5~10分で変わります)。

静かに写真をとったら、紙を張り替えてみてください。
どうなるでしょうか?

さらに、他の色や白黒のストライプの紙にしたらどうでしょう。
線の幅を変えたり、水玉にしたり、いろいろ試してみてくださいね。

明るい紙の水槽でも暗所に置いておいたらどうなるか…など、光の条件を加えるとデータの幅が広がりますよ。

なお、実験が終わったら速やかにもとの水槽に戻してあげましょう。

メダカは心配ありませんが、ドジョウは飛び出すことがあるので必ず網目状の蓋をかぶせてください。
※ 他の魚が混ざっていると、メダカも驚いて飛び出すことがあります。

さて、ここからは応用編

魚類は体色が変化しやすい生き物で、前述のパールグーラミィも寝ている時や照明が消えている時は色褪せています。

驚かせたときも退色し、彼らの特徴であるスポット模様が薄くなります。
※魚の体色はホルモンの作用でも変化します。

中でも前述の実験のように、周囲の色に体色を変化させることを❝背地適応❞といいます。

優れた能力の持ち主としては、ヒラメやカレイが有名。
自分の周囲と同じ色や模様に体の色を変えるのを見たことがあるでしょう。

また、魚類以外では軟体動物のタコも❝海の忍者❞と称されるほど擬態が上手。

そこで、このような魚を調べてみましょう。
水族館に見に行ってもいいですね。

さらに、深掘りしたい人は、なぜ色が変えられるのか調べてみるとおもしろいです。

実は魚の体表にある細胞には❝色素胞❞という色の粒が入った袋があるんです。
色素胞には黒色素胞・白色素胞・赤色素胞・黄色素胞・虹色素胞などがあり、魚の種類や品種によって異なります。

この色素胞が刺激を受けると収縮したり拡張したりするので、魚の色が変化して見えるという仕組み。

細かく理解するのは難しいですが、こちらのメダカ通販サイトさんの解説図は非常にわかりやすいので、興味があったら見てみてください!

顕微鏡と取れたてのウロコがあれば色素胞の観察もできますが、一般家庭では難しいので調べ学習で十分だと思います。

【注意】今回の実験のためにメダカやドジョウを購入する場合、きちんと最後まで責任をもって飼えるか考えてから行動しましょう。

実験が終わっても絶対に野外に放してはいけません
特に野生のメダカ(クロメダカ)は絶滅危惧種に指定されています。

加えて、地域ごとにDNAレベルの違いがあり、同じクロメダカでも採取地と違う場所に放つと雑種が生まれるので問題となっています。

購入できるメダカは色に関わらずすべて改良品種と心得て、最後まで愛情をもって飼育してあげてくださいね。

《 自由研究の進め方・ポイント 》

  • 魚(メダカがおすすめ)を数日以上飼い、飼育環境・水質に慣らす。
  • 周囲の色を変えた水槽(カップ)に魚を入れ、体色の変化を観察する。
    水槽(カップ)、白や黒などの紙、セロテープ、スマホなどの撮影器具を用意。
    体色変化にかかった時間なども記録しておく。
    できるだけ条件を揃えること。
  • 実験の条件を変えて、いろいろ試してみる。
    紙の色や模様、明所・暗所などの条件を変えて実験を行う。

《 発展学習 》

  • ❝背地適応❞について調べる。
    水族館で他の魚の背地適応や擬態について調べる。
  • 魚の体色が変わる仕組み(色素胞)について調べる。

【調べ学習】水生昆虫と陸の昆虫、どこが同じでどこが違う?

水族館で観察できるのは、魚だけではありません。

❝水族❞とは水中や水辺で生活する生き物のことなので、アシカやペンギン、カエルやカメなども展示されていることが多いです。

そんな❝水族❞には❝水生昆虫❞も含まれます。
夏といえばカブトムシやクワガタですが、視点を変えて❝水生昆虫❞にスポットを当てるのはどうでしょうか?

…というのも、3年生・4年生はちょうど昆虫について学ぶ学年にあたります。

3年生のうちに昆虫の成長(卵→幼虫(→蛹)→成虫)や体の作り(頭・胸・腹、足6本など)などの基本事項は教わるので、習うこと・習ったことを生かす絶好の機会です!

※ 学校によっては夏休み後の学習になる場合あり。

一般的な昆虫は馴染みがありますが、反面、理科的な論理でまとめ上げるのは意外と難しいものです。
そこで、それらの昆虫と、同じ分類でありながら少し変わった生態を持つ水生昆虫を比較してみると良いでしょう。

水生昆虫は採取するのは難しい地域が多いので、図鑑で調べても良いと思います。

実物を見たい場合は、ペットショップやホームセンター、下記のように展示している水族館や昆虫館に行ってみても良いでしょう(2022年7月現在)。

【水生昆虫のいる水族館・昆虫館リスト】2022年7月現在

夏休み期間は水生昆虫の企画展示を扱うところが増えるので、各公式サイトをチェックしてみると良いでしょう。

さて、実際にみると姿・形は陸上の昆虫とよく似ていますね。
では、何が違うのでしょう?

決定的なのは、水中で生活しているところ。
では、どのように呼吸するのでしょうか?

そもそも昆虫って、口で呼吸しているんでしたっけ?
水生昆虫も飛べるのかな?

また、陸上の昆虫は葉や土の中などに卵を産み付けますが、水生昆虫はどうしているのでしょうか?
エサや泳ぎ方などもそれぞれに特徴があります。

このように陸の昆虫と水生昆虫を比較して、彼らの体の仕組みや生態について調べていくといろんな秘密が見えてくることでしょう。

さて、ここからは応用編

水生昆虫の多くは一生を水の中で過ごしますが、その一方で、トンボやホタル、蚊の幼虫のように一時期だけ水中ですごす昆虫もいます。

このような昆虫について、その一生を調べてみてはどうでしょう。
蛹を経て水中から水上に適応する変態の過程は、まさに生命の神秘!

中でも、ホタルは夏休みシーズンは観察する機会に恵まれるのでぴったり!

ちなみに東武動物公園の「ほたリウム」は一年中ホタルの観察ができる貴重なスポットです。
昼夜逆転させているので、昼間に行っても光るホタルが見られるんです!

遊園地や動物園も楽しめるので、おすすめですよ。
こちらの記事もぜひチェックしてみてください!

また、機会があればトンボの幼虫❝ヤゴ❞を飼ってみてください。
学校のプール掃除でヤゴを持ち帰ってくる子もいるかもしれません。

ヤゴは、上部をカットした2Lペットボトルや、大きめの空き瓶などでも短期間の飼育ができますよ。

ただし、エアレーションしないので、開口部が大きい広口タイプに。
プラケースならバッチリです。
水はカルキ抜きしたもの、もしくは1日太陽光に当てたものを使ってくださいね。

実は、ヤゴは呼吸や泳ぎ方の仕組みを観察するのにピッタリの昆虫です。

さらに、部屋を暗くして横から光を当てると、ヤゴはどちら向きになるでしょう?
飼育ケースの外側を黒・白のストライプにしたら、ヤゴはどちらに集まるでしょうか?

簡単な実験を通してヤゴの身の守り方や習性がわかるので、実験に挑戦したい小学生におすすめです。

また、ヤゴは不完全変態の代表格で、蛹にならずに成虫(トンボ)になる昆虫です。
完全変態と不完全変態についてまとめるのも良いでしょう。

ちなみに、ヤゴのエサは赤虫やイトミミズなどの生餌です。
エサが動かないと食べないので、乾燥赤虫などを食べさせるのは不可能ではありませんが難しいです。

生餌を与えられない場合は、観察と実験を2日以内に終わらせて、採取した場所に返してあげてください。
この程度の期間なら、エサを与えなくても大丈夫です。

もし、飼育できても、羽化に成功してトンボになったら放してあげましょう。

実はトンボのエサも生餌。

生きた羽虫を好み、他の虫も食べますが、とにかく肉食なので大変です。おまけに広さがないと羽が傷み、あっという間に弱ってしまいます。

羽が渇いて飛べるようになったら、外に出してあげてください。

ちなみに、水生昆虫の個体数は激減しており、多くが絶滅危惧種となっています。
その理由は、水生昆虫が環境に対して敏感で、汚染などの変化に適応できないからです。

そのため、水生昆虫の仲間は水質の❝指標生物❞になっているものも少なくありません。
もし、近くの川や田んぼなどで採取できたら、その水のきれいさがわかるというわけ。

水生昆虫が棲める水辺を守っていくことも、大切なこと。
この研究をきっかけに、水質汚染や環境問題に関心をもってくれたら嬉しいです。

興味をもったら、環境省の『全国水生生物調査』や『いきものログ』に参加するのもおすすめ!
お住いの都道府県窓口やインターネットからエントリーして、自分が見つけた生物を登録してくださいね。

《 自由研究の進め方・ポイント 》

  • 陸上の昆虫と水生昆虫を比較して、相違点を探す。
  • 図鑑や水族館・昆虫館などで、実物の水生昆虫を観察してみる。
    ヤゴは比較的採取しやすく、ペットショップで売られている水生昆虫もいる。
  • 水生昆虫の特徴や生態について、①②で気付いたことを元に調べてまとめる。
    呼吸・食べ物・泳ぎ方・飛び方などについてまとめる。
    対比させる・グループ分けするなどの工夫をすると見やすい。

《 発展学習 》

  • 水の中で過ごす期間が短いものについて、その一生を調べてみる。
    ホタルやヤゴは時期的に観察の機会に恵まれる。
  • ヤゴを飼育し、観察や実験をしてみる。
  • 完全変態や不完全変態を調べてみる。
  • 指標生物や環境汚染にも言及してみる。
    環境省のプロジェクトに参加しても良い。

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