関東近郊に住む人にとって、行きやすい世界遺産の一つが「日光東照宮」。
江戸幕府を開いた徳川家康が祀られている有名な観光スポットです。
我が家では子供が歴史を学ぶ年齢になったのをきっかけに、教科書の中の出来事を少しでも身近なものとして捉えてもらいたいと思い、日光東照宮を訪ねました。
大人とは違う子供ならではの視点や、子連れならではの大変さ、上手な観光テクニックを交えつつ、日光東照宮を紹介したいと思います。
もちろん、子供向けの日光東照宮の豆知識もたっぷり。
旅をしながら学ぶ力を育てる『旅育』として活用できます。
元・理系女子で歴史好き!当サイト管理人Uniの解説もお楽しみください!
子供に伝えたい歴史をわかりやすく
織田信長・豊臣秀吉とともに戦国武将として名を馳せた徳川家康。
日光東照宮は家康を御祭神「東照大権現」としてお祀りしている神社です。
愛知県で生まれ、幼少期を静岡県周辺で人質として過ごし、後には東京に江戸幕府を開いた家康のお墓が、なぜ栃木県にあるのでしょう?
家康は、1616年、静岡市の駿府城で75歳で生涯を閉じました。
お墓は近くの久能山東照宮に造られましたが、翌1617年、家康本人の遺言により日光へと移され、後に東照宮と呼ばれるようになりました。
日光を墓所と定めた理由は、家康が苦心して造成した江戸の町と江戸城、そして徳川家一門を災いから守りたかったから、とされています。
日本では古来から方位を重要視してきましたが、特に魔が侵入しやすい北東(鬼門)と南西(裏鬼門)に聖地を築いて、江戸を守ろうと考えたのです。
そこで、北東には台東区上野の寛永寺を、南西には港区芝の増上寺を建立します。
さらに神田神社(現:神田明神)と日枝神社も築き、魔除けの包囲網とするのです。
これらを提言した家康の側近・天台宗僧侶の天海は、江戸の外側からも守りを固めようと考えます。
それが、家康が最初に埋葬された久能山東照宮と、現在も眠るとされる日光東照宮なのです。
のちに、寛永寺には上野東照宮、増上寺には芝東照宮も建立され、家康公を祀ります。
増上寺や芝東照宮の観光情報はこちらの記事をご覧くださいね!
都内でも歴史観光&お散歩できるのでおすすめです(^-^)
これらの寺社が江戸の鬼門除けとして造られたという理由は後付けだという説もありますが、江戸の町に水路を引き、街の繁栄に腐心した家康なら、死後も江戸を守りたいと考えたのは間違いないでしょう。
子供に伝えたいのは、長い戦いの末、苦労して幕府を開いた家康の為政者としての平安を願ったであろう心情と、それを叶えるだけの力を幕府が持ち始めていたということ。
家康のお墓「宝塔」がある東照宮の奥宮(おくみや)へは、207段の石段を登らなければなりません。
江戸から離れた日光の地に荘厳な東照宮を築き、さらに細く長い石段を上り詰めた場所に墓を造った家康の威光と徳川家の権勢は、体感することで子供にもよく伝わります。
東照大権現として神格化された家康は、400年以上たった今も鬼門除けとして江戸を守っているのです。
子供が興味を持つ観光スポット
日光東照宮はとても広く見どころも多いので、子連れですべて巡るのは無理というもの。
ましてや隣接する輪王寺も参拝しようと思うと、大人でもぐったりのコースになってしまいます。
そこで!
当サイト管理人Uniと子供2人が実際に歩いて楽しめた日光東照宮の厳選スポットをご紹介します。
子供が飽きずに観光することを目的に選んでいますので、大人向きの観光スポットとは異なります。
悪しからず m(__)m
五重塔(重要文化財)
日光東照宮の拝観チケット売り場の近くにあるのが、この「五重塔」。
チケットを東武日光駅などで買い求めた場合は、すぐに表門から境内へ入ってしまうかもしれませんが、ぜひ近くまで行ってみて!
ついつい上と正面ばかり見てしまいますが、子供が注目したのは第一層にある「干支」の彫刻。
地元の名工・後藤正秀の作で、一面に3つずつ、十二支が並んでいます。
西洋式の「東西南北」が用いられるまでは、「子(ね)」が北、「卯(う)」が東…と方位を十二支で表しており、五重塔の干支の配置もそれに対応しています。
自分の干支を探しながら、ぜひくるっと回ってみてくださいね。
そして、この塔の構造にもご注目!
実はあの超高層電波塔「東京スカイツリー」の制震システム(地震の揺れを抑える仕組み)と同じなんですよ。
当初建造された五重塔は火災によって消失し、現存するものは1818年に再建されたもの。
地震の多い日本でも倒壊しないよう、高さ36mもある木造の塔に古来から培われた制震技術が施されています。
さて、この制震システムについても高学年くらいなら話しておきたいもの。
簡単に説明しますね。
実は塔の内部には、4層部分から「心柱(しんばしら)」と呼ばれる直径60cmの木の柱が鎖でぶら下がっていて、下部が地盤から約10㎝浮いた状態になっているんです。
地震が起きたとき、この心柱が塔の傾きと反対方向に振り子のように揺れることで、全体の重心が常に中心近くに保たれ(慣性の法則)、倒壊を防ぐことができるんですね。
また、最上層の屋根は釘などで固定されておらず、はめ込み式になっています。
心柱と同様に、地震で揺れても❝あそび❞の部分は動くことができるため、揺れが収まれば元の位置に戻ることができるのです。
心柱にはこの屋根を自身の重さによって固定する役割もあります。
もっとも、心柱には宗教的な意味合いが強く、結果的に制震の働きをしているだけという説もあります。
経験によって生かされ、受け継がれてきた技術なのかもしれませんね。
三猿:神厩舎(重要文化財)
❝見ざる・言わざる・聞かざる❞のかわいらしいポーズの中に哲学を秘めた「三猿(さんざる)」。
作者不詳ながら、とても有名な彫刻です。
「三猿」があるのは、五重塔そばの表門をくぐり、道なりに進んですぐの左側にある「神厩舎(しんきゅうしゃ)」の屋根部分。
ここには人の一生を表す18体の猿が8場面の彫刻となって装飾されており、三猿はその一場面なんです。
この3匹の猿はまだ子供で、天台宗の教義「不見・不聞・不言」…すなわち「悪を見ること莫(なか)れ、悪を聞くこと莫れ、悪を言うこと莫れ」を表しています。
三猿の起源は古代エジプトと言われ、シルクロードを経てインドへと伝わり、8世紀ごろ天台宗の教えに含まれる形で日本に伝わってきたそうです。
かの有名なマハトマ・ガンディーも、常に三猿の像を身に着けて教えを諭していたとのこと。
近くには三猿をモチーフにしたキーホルダーやストラップがたくさん!
三猿の教えを忘れないように、買っておきましょうか(笑)。
ちなみに、2017年に65年ぶりの修復が行われ、現在はとてもきれいな状態で観ることができます。
もっともこの修復によって三猿の顔が変わってしまい、なんだか味気ないものに…。
また、三猿もかわいいですが、ほかにも親子そろったサルの彫刻などもあって、どれも哲学的示唆に富んでいます。
お気に入りの猿を探したり、子供と意味を考えてみたりするのもいいですね。
鳴龍:本地堂(重要文化財)
実は今回、うちの子たちが一番感動したのがこの「鳴龍(なきりゅう)」。
どんなに混雑していても聞く価値があります(と思います)!!
鳴龍があるのは陽明門手前の分かれ道を左に行ったところにある「本地堂(ほんちどう/別名 薬師堂)」の中。
神仏分離令によって日光東照宮と分けられ、現在は輪王寺の管轄となっていますが、東照宮拝観券の範囲内です。
本地堂の天井一面には6×15mの巨大な龍が描かれており、元の作者は狩野派の狩野安信(かのうやすのぶ)。
しかし、1961年の火災により焼失し、現在の絵は日本画家・堅山南風(かたやまなんぷう)氏によるものです。
この画像は下記YouTubeから拝借したものですが、龍の顔の下で音を立てたときだけ、龍の声が鈴の音のように聞こえることから「鳴龍」と言われています。
鳴き龍の素晴らしさが伝わってくる音と映像をぜひご覧ください。
(私が行ったときは撮影禁止だったので映像をお借りしました)。
中に入ると案内係のお坊様が鳴龍の説明をしながら実際に拍子木を鳴らし、龍の声を聴かせてくれます。
これが本当に素晴らしい!
子供たちも目を輝かせて龍の声が響くのに聞き入っていました。
そして、拍子木を打つ場所によって、龍の声が聞こえたり聞こえなかったりするのを不思議がっていました。
では、その原理とは何でしょう?
実は、龍の顔の部分の天井だけ屋根方向に6cmほど持ち上がっており、この湾曲がホールのように音の反響を生み出しているんです。
通常の天井であれば床と平行ですから、拍子木を音源(音の出発点)として放射状に発された音は、真上の天井にぶつかったものだけが真下に戻ってくるので、これは❝やまびこ❞のように聞くことができます。
しかし、角度がついて天井にぶつかった音は、その角度の分だけ外側へ跳ね返り、❝やまびこ❞のようにはなりません。
ところが天井が湾曲していると、放射状に発された多くの音が音源付近に集まるように跳ね返ってくるのです。
そして床に当たって再び天井へ、また床へ…と往復反射を繰り返します。
そのため、音源として拍子木を1回ならしただけなのに、反射した回数分の音となって複数回聞こえるという仕組みです。
このような特殊な往復反射は湾曲の中央部でだけ起こるため、龍の顔の下で拍子木を鳴らしたときは反響が起こるものの、湾曲から音源がずれてしまうと通常の反響になってしまうから、音を出す場所が重要なんですね。
さらに、音源となった拍子木の音と、反射した後の音が異なる音色に聞こえるのも鳴龍の特徴。
これは周波数が変化することで音が粗くなる(濁る)ように感じるためです。
これが鳴龍の声に荘厳な感じを与えているのかもしれませんね。
鳴龍で起こる多重反射を「フラッターエコー」と言い、お堂で聞くなら神秘的な現象ですが、一般的には音響障害として扱われます。
…とはいえ、大迫力の龍の絵を見ながら高らかに響く声を聴けば、細かい話はどうでもいい!?
混んでいることが多いですが、数十人単位の入れ替え制で中に入れるので、思ったよりも待たずに済みますよ。
お堂の中に入ったら鳴龍だけでなく、薬師如来と十二神将もじっくりとご覧ください。
十二神将は十二支に割り当てられているので、自分の干支の神様を探すのも楽しいですよ。
陽明門(国宝)
東照宮に行ったら、絶対に外せないのが「陽明門」。
一日中見ていても飽きないことから、別名「日暮(ひぐらし)の門」「日暮御門」とも呼ばれるほどの壮麗さです。
2013年から2017年にかけての「平成の大修理」が終わり、現在は極彩色の美しい姿を見ることができます。
東照宮に行く前、「陽明門っていう有名な門があるんだよ」とだけ説明していたので、子供たちは鳥居を創造していたらしく、見てびっくり。
この陽明門は家康の改葬直後のものではなく、三代将軍家光が改修した姿で、江戸時代の有名な画家一派の一人・狩野探幽(かのうたんゆう)がデザインしたもの。
門には508体の彫刻が施されており、「孟母三遷の教え」「司馬温公の瓶割(かめわり)」など道徳的な中国の故事に由来するものや、偉人・聖人をかたどったものなどがあります。
子供たちが気に入ったのは陽明門に配された白や極彩色の「霊獣」たち。
陽明門の霊獣にはいろいろあって、
などです。
上の方は少々見づらいですが、平成の大修理を終えた今は白く輝いていて、晴れた日に見ると神々しく見えますよ。
子供たちには霊獣の表情がおもしろいようでした。
確かにコミカルかも(笑)。
混雑時はじっくり見られないかもしれませんが、見れば見るほど新しい発見があるスポットです。
さて、陽明門のもう一つの名前「北辰門(ほくしんもん)」というのをご存知ですか?
実は陽明門を正面から見ると、真北を向くように設計されています。
そして、真北の空には宇宙の中心と考えられてきた「北極星(=北辰)」があります。
一方、反対方向の南へ下ると、江戸があります。
つまり、江戸から陽明門を通り北へと続く道は、北天にある不動の星「北辰」へ通じる道を指し示しており、陰陽道として重要な構図になっているのです。
そのため、パワースポットとしても人気のある場所なんですよ。
石畳参道の上に最もパワーが集まる場所があるそうですから、霊獣と併せて探してみてくださいね。
また、陽明門には他にも見どころが!
左手2番目の柱は「逆さ柱」となっていて、魔除けの意味を込めて柱の模様(グリ紋)が1本だけ逆さに彫られているんですね。
12本の柱を見比べればすぐに見つけられるので、ぜひお子さんとチャレンジしてくださいね。
奥宮:御宝塔(重要文化財)
日光東照宮の中でも最も神聖な場所といえるのが、日光の地に眠ることを遺言した家康公のお墓「奥宮宝塔(おくみやほうとう)」でしょう。
1965年の日光東照宮三百五十年式年大祭を記念して一般公開されるようになりましたが、かつては徳川の歴代将軍のみが参拝を許された特別な場所でした。
東照宮にある極彩色の陽明門や回廊を通り抜けてきた後だけに、この御宝塔は驚くほど簡素に見えます。
しかし、その簡素さがかえって厳粛さを増し、家康公が400年に亘って泰然と首都を守っている姿と重なるようです。
御宝塔は日光東照宮の一番奥まったところにある「奥宮」にあります。
奥宮へは陽明門、唐門、御本社を通り、左甚五郎作として有名な「眠り猫」のある東回廊を抜けた先にある石階段を上ると辿り着けます。
この石階段こそ日光東照宮一番の難所!
全部で207段もあり、覚悟を決めて登り始めないといけません(笑)。
でも辛くなったら石段をよく見てください。
通常の石段なら同じ幅の石をいくつか並べて一段ずつ造っていきますが、この奥宮へと続く石段は1つの石を切り出して一段にしているんです。
継ぎ目のまったくない207個の石柱を積み重ねていると考えれば、なんと豪勢な石段なのでしょう!
しかも!いま上っている一段一段を歴代の徳川将軍たちも踏みしめていたと考えれば!!
なんだか恐れ多い気持ちにすらなりませんか?…いや、やっぱりキツイかな。
ただ、せっかく日光東照宮を詣でたからには、家康公に会ってほしいと思います。
実際のところ、家康公の遺骨がこの宝塔の中にあるかどうかはわかりません。
死後すぐに葬られた久能山東照宮では家康公を改葬していないとされているので、それが事実なら分骨でも改葬でもなく、御霊が宿っていると考えるほかないのです。
このような謂われから、日光東照宮最大のミステリーとも言われています。
真偽のほどはともかく、ここもパワースポットとして有名なところなので、ぜひ訪れてくださいね。
なお、奥宮には宝塔のほかに拝殿・鋳抜門(いぬきもん)・銅鳥居などの文化財がありますが、宝塔近くにある「叶杉(かなえすぎ)」も有名です。
管理人Uniが行った時には、宝塔よりも叶え杉への行列の方が長かったくらいで(笑)。
なんと樹齢600年だそうですから、日光東照宮が建立される前からここに立っていたことになります。
そして、下部にある空洞の祠(ほこら)に向かって願い事を唱えると、その願いが叶うとされています。
叶杉が地中深くに伸ばした根に、眠る家康公のパワーが注ぎ込まれ、御利益があるのだとか。
管理人Uniらはあまりの行列に負けて、宝塔だけ拝んできましたが、願い事がある人は頑張って並んでくださいね。
おすすめの回り方(拝観順)
さて、ここからは子連れ向きの「日光東照宮 拝観ルート」をご案内します。
一般的な拝観順では表門から順に重要文化財を鑑賞しつつ奥へ奥へと向かいますが、その順だと子供は飽きるし疲れてしまいます。
何より「人と同じように行動する」ことは、いつまでも混雑から抜け出せないだけでなく、子供の歩調に合わせていると遅れをとり、混雑がさらに酷くなってしまうことも…。
そこで、管理人Uniがおすすめする拝観順は、今回ご紹介した文化財を中心に
「子供の集中力が切れないうちに、押さえておきたいスポットを回りきる」
というもの。
このルートなら約1時間半~2時間で東照宮の奥宮まで回れます。
あくまでも子供の体調と興味を優先しつつ、親として見せたいスポットに絞り込んでいるので、ガイドブックのルートとは全く違いますが、ゆっくり歩いたり行列に並んだり、今回紹介したようにじっくり観察しながらでも、
実際、管理人Uniはゴールデンウィークに日光東照宮へ行き、御朱印もお土産もゲットしつつ2時間半で下記ルート②を制覇しました!(拝観開始直後に入山)
今回解説したスポットを中心にしたコースと、御朱印や世界遺産碑なども含めたコースに分け、
の2つを紹介します。
子供の年齢や体力など、条件に合わせて選んでくださいね。
ルート①:子供連れのおすすめコース
小学生くらいの子供なら207段の石階段も意外とサクサク登れるもの。
大人の方が辛いかもしれませんが、頑張って行ってみましょう!
【 子連れ日光東照宮観光 おすすめルート 】
- 五重塔
表門外、チケット売り場そばにあるので、誰かが列に並んでいる間に子供たちは五重塔を見ながら待つ…というのも一法。 - 表門 ➡ 東回廊:眠り猫
混雑時は通過しながら見上げるイメージ。
立ち止まることはできません。 - 奥宮:拝殿・奥社宝塔・叶杉など
長い石階段を経て、家康公の墓所へ。
叶杉に願掛けする列としない列に分かれている場合があるので注意。 - 唐門・御本社
国宝の御本社は日光東照宮の中枢。
後回しにして申し訳ない気持ちでいっぱいですが、お参りしていきましょう。 - 本地堂(薬師堂):鳴龍
陽明門を見ずに通過して、先に本地堂へ。
本地堂へは靴を脱いで上がるので、そこも混み合います。
小さいお子さんは少し離れた場所で、落ち着いて脱ぎ履きさせてあげましょう。 - 陽明門
少し戻って陽明門をじっくり堪能しましょう。 - 神厩舎:三猿
出口(表門)へと向かいながら、三猿を鑑賞。
三猿グッズなどが売られているので、子供の疲れも吹き飛びます。 - 表門
通常の拝観順から完全に逸脱したコースですが、これには「混雑するスポットを空いている時間帯に見てしまう」という意図があります。
また、子供がいろいろ見て回って疲れた後で長い石階段を上がるのは大変ですが、早い段階でならパワーも十分。
「本当に207段あるのかな」と数えながら進む余裕もあるはずです。
もう一つ、この石階段は幅が狭いので、混雑し始めると右側通行となり、自分のペースで上れなくなってしまいます。
たとえ子供に駆け上がる体力があったとしても、長蛇の列をノロノロと進むのは別の意味で疲れを感じることでしょう。
そこで、いろんな意味で子連れの難所ともいうべき「奥宮」を攻略し、次に混雑しやすい「本地堂」で鳴龍を先に見てしまうルートをおすすめしているわけです。
また、奥宮まで行って疲れを感じても、不思議な鳴龍の声を聴くという体験がそれを忘れさせてくれます。
さらに再び疲れたころに「神厩舎」の三猿と出会い、お土産なども見ていると、子供のテンションも持ち直すというわけです。
ルート②:子連れのよくばりコース
日光東照宮は二荒山神社・輪王寺の二社一寺の建造物群と、それらを取り巻く遺跡(文化的景観)が、『日光の社寺 Shrines and Temples of Nikko』として1999年にユネスコ世界文化遺産に登録されています。
これを記念した「世界遺産地区登録記念碑」が、国道120号線横「神橋(しんきょう)」の近くにあるので、少々回り道になりますが行ってみるのも良いかも。
また、300円で「神橋」を渡ることもできます(通り抜け不可)。
かつては将軍や勅使など身分の高い人しか通れない橋でしたが、現在ではこの橋の上から紙飛行機を飛ばす「祈願紙ヒコーキ」(100円)が人気。
朱色の橋と水の碧さ、木々の緑のコントラストを見るだけでも心が洗われる美しさですよ。
また、管理人Uniの子供は御朱印を集めていて、寺社へ詣でると必ず頂いて帰ります。
今回も当然その流れとなりました。
しかし…有名な寺社では長蛇の列が当たり前。
そこで…上記の「記念碑」と「神橋」、「御朱印」を合わせたルートがこちら。
前項の「おすすめルート」と異なる部分は着色してあります。
【 子連れ日光東照宮観光 よくばりルート 】
- 五重塔
- 入口授与所:御朱印
表門と五重塔の間にあります(拝観料を払わなくても頂けます)。
本来は本殿をお参りしてから頂戴するのが作法ですが、子供ゆえに参拝前に頂くのもやむを得ず…ということで。 - 表門 ➡ 東回廊:眠り猫
- 奥宮:拝殿・奥社宝塔・叶杉など
こちらでも御朱印を頂けます。 - 唐門・御本社
- 本地堂(薬師堂):鳴龍
こちらでも御朱印を頂けます(我が子は今回パス)。 - 陽明門
- 神厩舎:三猿
- 表門
- 参道を進み、石鳥居を抜け、輪王寺の横を通って旧日光街道へ
杉に囲まれた風情ある参道を歩いてみましょう。
石鳥居まで来たらぜひ振り返って、歴史ある風景を目に焼き付けて。
旧日光街道はマイナスイオンたっぷりの小径です。 - 世界遺産地区登録記念碑
ユネスコの世界遺産ロゴが入っています。 - 神橋:祈願紙ヒコーキ
朱色が目を惹く美しい橋です。川の流れも清々しい。
川の反対側にある「日光金谷ホテル」で休憩するのもおすすめ。
…というわけで、頂いた御朱印がこちら。
また、奥宮では御朱印と一緒に「眠り猫竣工記念シール」も頂けました。
ありがたみが増しますね!
本地堂の御朱印を頂きたい人は、表門を入ったらすぐに本地堂へ向かう方法も。
こちらも御朱印授与所が混み合いますよ。
奥宮と本地堂の御朱印の優先度を考えてルートを組みましょう。
なお、東照宮の御朱印は、以前は陽明門を過ぎたところにある「神楽殿」で授与されていたのですが、現在ではルート②のように表門の外で申し込むようになっています。
駐車場について
管理人Uniは車で日光東照宮へ行きました。
子連れ旅行は車で行くと移動は楽なのですが、駐車場探しが大変ですよね。
日光東照宮にも専用駐車場があり、参道に近くて便利なのですが、あっという間に満車になってしまいます。
待ち時間を車内で過ごすのも、子連れには辛いですよね。
なので、日光東照宮へ行く前に駐車場の候補地をいくつか調べておくと良いでしょう。
管理人Uniがおすすめするのは、小杉放菴記念日光美術館に併設された「日光市神橋駐車場」。
美術館専用ではないので、東照宮観光にも利用できます。
日光ICを降りて国道119号線で日光橋を渡り、交差点「神橋」を右折して、少し走った右側にあります。
駐車料金は普通車510円。市営なのでリーズナブルですね。
東照宮まで徒歩12分ほどかかりますが、東照宮宝物館の横を通って表参道へと抜けることができます。
東照宮へ近いわりに空いているうえに、キレイなトイレが併設されているのも子連れにはありがたいところです。
我が家が通ったルート②ですと、帰りは世界遺産地区登録記念碑と神橋の方へ抜けるので、神橋駐車場へは遠くなりますが、川の流れを見ながら歩いてたらあっという間に戻れました。
もちろん、行きと同じルートで戻れば楽々です。
ぜひチェックしてみてくださいね。
なお、日光東照宮・二荒山神社・輪王寺の駐車場は複数個所あり、いずれも寺社に隣接しているので、観光にはぴったりですが、あっという間に満車になります。
駐車場は今回紹介した「日光市神橋駐車場」の他にも周辺にたくさんあります。
例えば…
- 市営西参道 第一/第二/第三駐車場
東照宮まで比較的近く、リーズナブル。 - Times日光 第一/第二/第三/第四駐車場
東照宮まで距離があるが、空車状況がネットで把握できるという点でおすすめ。
大人が2人いれば、東照宮近くで1人が子供を連れて降り、もう1人が駐車しに行くという手も。
などです。
無理に東照宮や近隣寺社の駐車場に入れようとせず、付近を探した方が結果的に早く停められると思いますよ。
また、予約できる駐車場「タイムズのB」を利用するのもおすすめ♪
日光東照宮から徒歩圏内の駐車場を予約できます。
条件は駐車場ごとに異なり、利用上の注意もあるので、タイムズのBの詳細はこちらの記事をご覧ください!
子供連れの日光東照宮、ぜひ楽しんでくださいね!
さらに周辺をもっと楽しみたいという方は、こちらの記事もご覧ください!