アフリカ❝サファリ❞におすすめの国は?ベストシーズンと見られる動物はこれ!

アフリカでのサファリは憧れの旅のひとつ。
でも、広すぎてどこに行ったらどの動物に会えるのか、初心者でも行きやすい国はどこかなど、旅先を選ぶのに悩む人も多いのではないでしょうか?
そこで、生き物好き当サイト管理人Uniがマニアックに各国おすすめのサファリスポットをご紹介!
ベストシーズンや見られる動物の種類を徹底調査し、行きやすさとサファリの魅力に絞って厳選しました。
個人旅行に行きたい人も、ツアーで手軽に行きたい人も、アフリカ初心者も、ぜひ情報収集にご活用ください!
目次
おすすめの国とベストシーズン
アフリカ大陸は大きく、外務省によると54カ国(2020年2月現在)ありますが、その中でもサファリが楽しめる国はほんの少し。
なぜなら、野生動物が暮らすのに適した条件と、私たちが旅するときのアクセスの良さやインフラ、そして安全性という数々の条件を満たす国が限られるからです。
さらに、海外旅行に慣れた人と初心者とでは、アフリカ旅行のハードルもかなり違います。
そこで、
- イギリスの大手新聞の電子版『The Telegraph』の記事 ❝50 incredible safari holidays❞
- アメリカのニュースチャンネル『CNN』の記事 ❝8 of the best safari destinations in Africa❞
を参考に、日本人の感覚で、かつ旅慣れていない人にもおすすめの国を選びました。
もちろん、生き物好きの当サイト管理人のチョイスですから、野生生物(哺乳類だけじゃない!)との遭遇率や種類もしっかりチェック済みですよ!
なお、ベストシーズンについては各国の政府観光局や大使館情報をもとに掲載するよう努めましたが、広いアフリカですからエリアによって異なります。
同じ保護区内でも動物が移動する・環境条件が変化するなどがあると、ベストシーズンもずれていくので旅先を選ぶときは時期にも気を付けてくださいね。
タンザニア
アフリカ大陸の東にあるタンザニアはコバルトブルーのインド洋に面し、野生動物の宝庫「セレンゲティ国立公園」、アフリカ最高峰の「キリマンジャロ」、そして世界第3位の「ビクトリア湖」など、大自然に恵まれた国です。
日本からの直行便はなく、ドーハ経由で乗り継ぐのが一般的。
所要時間は約22時間です。
雨季は1年に1~2回、通常は3月~5月と11月~12月が相当します。
乾季は内陸部と沿岸部で違いがありますが、セレンゲティ周辺の乾季はおおむね6~11月頃です。
セレンゲティ国立公園(世界遺産)
見渡す限りの大平原、アカシアの木の下で昼寝するライオンたち…。
私たちがイメージするサバンナそのもの、それが「セレンゲティ国立公園(Serengeti National Park)」です。
セレンゲティとは、マサイ語で「果てしなく広がる平原」の意味。
野生動物の種類が多く、四国と同じ面積の公園内に300万頭以上いると言われてます。
ここでは隣国ケニアの「マサイマラ国立公園」とを楕円を描くように周回する❝エコシステム❞を形成しており、壮大なヌーやシマウマ、ガゼルなどの❝動物の大移動(the Great Migration)❞が見られる場所として有名。
中でも、ケニアとの国境になっているマラ川をダイナミックに渡る姿は世界的に有名です。
また、西部にあるグルメティ川でも川を渡るヌーの姿を目撃できます。
この周辺は多くの野生動物が目撃できるので、サファリに人気のエリアとなっています。
そのルートにあるホテルは、シーズン中の予約が取れなくなるほどの人気ぶり!
同じエコシステムのマサイマラ国立公園よりもセレンゲティ国立公園の方がライオンやチーターとの遭遇率が高いので、特におすすめ!
また、憧れのビッグファイブを一日で見られる確率も高く、短期間の滞在でも多くの野生動物に会えるのが最大の魅力です。
ヌーたちの大移動はその年の気候によって変動がありますが、
- セレンゲティ東側中心 (マサイマラからセレンゲティへ): 例年10月~12月
- セレンゲティ南部中心(出産シーズン): 例年1月~2月(赤ちゃんが見られる時期)
- セレンゲティ西側中心(セレンゲティからマサイマラへ) : 例年6月~8月
となっています。
大移動を見たいなら、ベストシーズンとエリアをセットで考えるようにしましょう。
ただし、世界的な気候変動が起きているので、近年の動向を旅行代理店などに問い合わせた方が安心です。
ただし、この時期以外でも動物たちは見られるのでご安心を!
乾季なら移動しない動物たちは水辺の近くに集まってくるので、会えるチャンスが増すことになります。
また、草木や葉が少なくなるので見通しが良く、鳥類のサンクチュアリでもあるセレンゲティならではのバードウォッチングも楽しめます。
一方、雨季は青々とした美しい草原を見ることができます。
さらに、大移動しないライオンやチーターなどネコ科の動物の出現率が増すとも言われています。
また、セレンゲティ中央部では年間を通して捕食シーンを見るチャンスに恵まれています。
予算的に安いという点もポイントです。
このように、比較的時期を問わず様々な動物に遭遇できるセレンゲティ。
サファリが初めてという人にもおすすめです。
セレンゲティに滞在するなら、こちらの記事、
もぜひご覧ください!

ンゴロンゴロ自然保護区(世界遺産)
セレンゲティの南東にある保護区が「ンゴロンゴロ自然保護区(the Ngorongoro Conservation Area)」。
もともとはセレンゲティと同一の保護区でしたが、ここに住むマサイ族の権利を尊重し、野生動物と人が共有する保護区として独立した世界的にも珍しいエリアです。
スワヒリ語で❝大きな穴❞という意味のこの保護区は、数百万年前の大噴火などでできたカルデラにあります。
その大きさは、なんと山手線の内側サイズ!
カルデラのため乾季の影響を受けにくく、一年を通して豊かな水と緑に恵まれているのが、ここの大きな特徴。
草原や森林、湖など多様な自然環境が豊かな生態系を支えているのです。
そのため、4月は雨季に当たりますが、一年中サファリのベストシーズンといっても過言ではないでしょう。
ただ、セレンゲティの近くではありますが、周囲を山(外輪山)で囲われているため、❝動物の大移動❞のコースには含まれません。
その一方で、閉ざされた環境ゆえに❝野生動物の箱庭❞と称され、豊かな自然に守られて絶滅危惧種クロサイなどの貴重な動物たちを見ることができます。
また、ビッグファイブとも高い確率で会えるのが嬉しいところ!
特にライオンが家族で行動する光景が見られるので、なかなかの迫力です。
また、湖に行くとカバや数千羽にも及ぶフラミンゴの群れが見られ、水辺の観察にはぴったり!
セレンゲティの乾燥した平原とは違う魅力があるので、両方を訪れる人も多いです。
なお、エリア内のオルドバイ渓谷からは化石人類も発掘されており、自然と文化の両面から世界遺産に登録されています。
ケニア
アフリカと言えばケニアを思い浮かべる人も多いほど、日本にもなじみのある国です。
イギリスの植民地だった時代もあり、国語はスワヒリ語ですが、公用語として広く英語が使われているため、言葉の不自由を感じにくいのが嬉しいところ。
赤道直下にありますが、高原地帯が多いので年間気温は平均10~28℃と低め。
意外と過ごしやすい気温ですが、沿岸部やビクトリア湖周辺以外は乾燥が激しいので注意が必要です。
エリアによる違いもありますが、おおむね乾季が12月~2月と6月~10月、雨の多い大雨季が3月~5月、週に数回の雨が降る小雨季が11月頃にあります。
直行便はありませんが、コードシェア便を含め日本からの発着便が多く、首都ナイロビまでのアクセスが比較的容易なのも特徴。
ドバイ経由などで最短19時間ほどで行けます。
サファリ発祥の地として知られるケニアには、有名な「マサイマラ国立保護区」のほか、「アンボセリ国立公園」「サンブル国立保護区」など多くの国立公園・保護区があります。
その中から初心者向きのエリアをご紹介しましょう。

マサイマラ国立保護区
「マサイマラ国立保護区(Maasai Mara National Reserve)」ケニアで最も多くの動物が見られるスポットで、哺乳類だけでも95種と言われています。
特にライオン、チーターなどネコ科の大型動物が多いのが特徴。
群れで生活するライオンに会えるエリアとしても有名です。
おまけに木が少ないので見晴らしが良いため、狩りの様子が見やすいのも嬉しいポイント。
ダイナミックな野生の営みを目の当たりにする、最高の機会が待っていますよ。
さらに、9月末~11月はセレンゲティから❝動物の大移動❞でやってきたヌーやシマウマ、ガゼルたちで平原が埋め尽くされるほどに!
圧倒されるほどの大群を見たい人はこの時期がベストシーズンです。

また、1~2月頃は出産シーズン。
ヌーやシマウマはセレンゲティに移動していますが、マサイマラに残っているライオンやチーターなどの赤ちゃんが見られるチャンスです。
親子の仲睦まじい姿ややんちゃなベビーを見たいなら、3月半ば過ぎあたりからがおすすめです。
マサイマラ国立公園ではビッグファイブのほか、ハイエナ、キリン、ヌー、シマウマ、ガゼル、インパラ、イボイノシシ、カバなどが比較的よく見られ、ポピュラーな哺乳類を見たい人におすすめのエリアです。
下記公式サイトにてマサイマラにいる哺乳類のリストが見られますので、詳しく知りたい方はぜひチェックを!
ナクル湖国立公園(世界遺産)
地球表面を覆うプレートの境界線にできた7,000kmにも及ぶ巨大な谷 ❝大地溝帯(グレートリフトバレー)❞。
アフリカ大陸東端を南北に切り裂くように走る谷の一部に「ナクル湖国立公園(Lake Nakuru National Park)」はあります。
この湖はアルカリ性のため、その水質を好む藍藻類と小型甲殻類が多く生息し、これらをエサとするフラミンゴが数百万羽も集まるスポットとして有名でした。
ところが近年、湖への流水量が増えたため中性に近くなり、水質の変化によってフラミンゴのエサが激減。
湖をピンクに染めるほどのフラミンゴの大群は見られなくなってしまいました。
その代わり、フラミンゴに占領されなくなった湖には、モモイロペリカンや蛇も丸飲みにするサンショクウミワシ、見事な羽色のライラックニシブッポウソウなど、450種類を超える野鳥が集まるようになりました。
以前に比べれば少ないですが、コフラミンゴを中心にフラミンゴもいます。
アフリカでバードウォッチングをしたいなら、超おすすめのエリアです。
もちろん、大型哺乳類を見たい人にもおすすめする理由が!
それは、一度は会いたいクロサイ、シロサイとロスチャイルドキリン(別名ウガンダキリン)の生息場所だから!
どれも個体数が少なく絶滅が心配されており、ナクル湖ではこれらの動物を守る保護柵が設置されています。
この柵のおけげで野生動物との遭遇率が高いのがナクル湖サファリの強みなのですが、背景を考えると悲しいことですね。
さて、シロサイには2つの亜種が存在し、その1つキタシロサイは2018年に最後のオスが死亡したため、残るはメス2頭のみ。
もう1亜種のミナミシロサイも個体数が少なく、特に南アフリカで手厚く保護されいています。
ナクル湖で保護されているのは、ミナミシロサイ60頭以上、クロサイ25頭以上。
とにかく会えたらラッキーですが、両種を同時に目撃できることもあるので、期待して出かけましょう。
そして、キリン!
現在十数亜種(遺伝子解析により検討中)に分類されていますが、ほとんどの人が思い浮かべるのは実はアミメキリンという種類。
日本の動物園が多く飼育しているのがこのアミメキリンで、一部マサイキリンも見られます。
…が!
そのどちらとも異なるのが、ロスチャイルドキリン(学名Giraffa camelopardalis rothschildi:画像参照)。
四本の長い脚に白い靴下をはかせたような模様が特徴です。
頭部も少し白地が多めで、優しい印象があります。
マニアック過ぎて、他のキリンと見分けがつかない??
でも、違うんですよ~!!
キリンに会える保護区は多いですが、世界でも1,700頭前後しか確認されていないロスチャイルドキリンを野生の状態で見られる貴重なエリアと言えるでしょう。
また、ナクル湖には草原や森林もあるので、かなりの高確率でキリンやウォーターバック、バブーン、インパラなどの草食動物に会えます。
そして、彼らを狙うライオンや、時にはヒョウにも会えるチャンスが!
森林の近くではクロシロコロブスなど猿も多く見られますよ。
多様な地形に富んだナクル湖では一年中サファリを楽しめるので、いつでもベストシーズン!
フラミンゴを見たいなら、比較的多く集まる雨季の3月~5月がおすすめ。
ただし、近年は水量が増えている関係で辺りが湿地化し、思ったほどに近づけない日もあるので注意してくださいね。
南アフリカ共和国
アフリカ大陸最南端、喜望峰で有名な「南アフリカ共和国」。
英語とアフリカーンス語のほかアフリカ独自の言語も含め、11もの公用語を持つ民族の多様性が窺える国です。
大航海時代にはヨーロッパの列強が喜望峰を超えてインドを目指しましたが、18世紀には金やダイヤモンドといった鉱物が産出される国だとわかり、オランダ、イギリスの植民地となり、ヨーロッパ人が多く入植していました。
そのような背景もあって白人支配が強まり、かつてはアパルトヘイト(人種隔離政策)が行われた国として教科書的にも有名です。
しかし、ネルソン・マンデラ氏が大統領に就任後は黒人・白人間の協調政策をとり、アフリカ経済をけん引する国の1つとなっています。
FIFAワールドカップの開催も記憶に新しいですね。
半面、タンザニアやケニアよりも物価は高く、アフリカではトップレベル。
特に観光客相手の店や都市部ではその傾向が強くなります。
また、知る人ぞ知るワインの産地としても有名です。
サファリで滞在するロッジにもワインセラーを備えているところがあるほど。
大自然の中で飲むワインは、きっと格別な味なんでしょうね!(管理人Uniは下戸ですが。)

南アフリカは南半球にあるので、12月~2月頃が夏にあたります。
多くの都市は季節風の影響を受け、乾季(4~10月)と雨季(11月~3月)があります。
ただし、ケープタウン周辺は地中海性気候のため、乾季と雨季が逆になるのでご注意を。
一方、内陸部は高原地帯のため、夏でも過ごしやすいです。
なお、南アフリカには日本の桜のように一斉に開花する「ジャカランダ」という木があります。
10月~11月ごろの満開の時期は並木道が紫色に染まり、とても美しい光景が見られますよ。
日本からの直行便はありませんが、シンガポール経由でヨハネスブルグまで最短約19時間。
ケープタウンへは香港経由などで約21時間~となります。
クルーガー国立公園
四国ほどもある世界一大きい鳥獣保護区として知られるのが「クルーガー国立公園(Kruger National Park)」。
世界中から年間140万人以上が訪れる、人気のエリアです。
しかし、実際にサファリを楽しむ人が多いのは、クルーガー国立公園に隣接する私営保護区。
国立公園には基本的に自家用車かレンタカーで乗り入れるシステムになっているため、車の手配やルートの設定など自分たちで行わなければならず、手間がかかるからです。
その点、私営保護区内のロッジに泊まれば、経験豊富な専属のレンジャーがその時期に応じた野生動物のスポットへ案内してくれますし、貴重な瞬間を見逃す心配もありません。
また、私営保護区はサファリに対する規制も緩く、場所によっては車外に降りたり、道路から外れたりすることもできます。
川のそば、林のそばなど、ロッジ周辺の環境によって特色のあるサファリを楽しめるのも魅力です。
ざっくりですが、公園の北側は乾燥した野性味あふれる景観、南側は木々が多く緑が多めの景色が広がります。
もちろん動物たちは国立公園と私営保護区を自由に行き来OK。
エサや水を求めてあちらへこちらへと移動を繰り返しています。
クルーガー国立公園とその周辺保護区では、哺乳類147種、鳥類500種以上(渡り鳥含む)、爬虫類114種、両生類34種など多様性に富んだ生物が確認されています。
ビッグファイブに高確率で会えるのも、人気が高い理由のひとつ。
特にゾウは多く、アフリカ全土でも個体数の少ないクロサイ、シロサイも生息しています。
しかし、注目すべきは絶滅危惧種リカオンの生息数(一見パッとしない三毛犬のようですが、希少です)!
南アフリカ中の約3分の1に相当する150頭が確認されている貴重なエリアです。
中でもクルーガー国立公園の南西部に隣接する「サビサンド私営動物保護区」はマニア垂涎の場所!
リカオンを手厚く保護しており、ライオン、ヒョウなどのネコ科の大型動物も多く見られます。
高級ロッジの多いエリアなので近くに空港があり、飛行機で楽にアクセスできるのはさすが!
泊まってみたいなぁ…(笑)。

クルーガー国立公園は亜熱帯性のため、12月~3月は気温も湿度も高く厳しい真夏に当たりますが、緑が美しく出産シーズンを迎えます。
サファリは年間を通して楽しめますが、草丈の低い4月~8月(秋~冬)は見晴らしがきき、動物たちが水辺に集まりやすいのでベストシーズンと言えるでしょう。
暑すぎず寒すぎない8月~11月(冬~春)も過ごしやすいのでおすすめ。
クルーガー国立公園にはゲートが9つあり、どれを利用するかにもよりますが、ヨハネスブルグからだと車で5時間かかります。
さすがアフリカ。スケールが違いますね。
日本からの長いフライトに加え、さらに長い道のりを行くのは辛い…という人は、クルーガー・ムプマランガ国際空港を利用すると国立公園まで楽にアクセスできます。
近年、サファリ観光客向けにクルーガー・ムプマランガ国際空港を利用するツアーも組まれています。
ボツワナ共和国
アフリカ大陸南部の内陸にある「ボツワナ共和国」。大部分が高原地帯になっています。
日本ではあまりなじみのない国かもしれません。
しかし、アフリカ諸国の中でも内紛がなく、政情が安定している数少ない国の1つなので、個人旅行におすすめしたい国ナンバーワンです(危険がないわけではありませんよ)。
外務省 海外安全ホームページでも危険レベルは1未満。
人気の旅行先モロッコやカンボジアなどが危険レベル1であることを考えると、その安定性がわかりますね。
また、公用語として英語が使用されているのも嬉しいポイントです。
さて、ボツワナの特徴は、国土の7割を「カラハリ砂漠」が占める点。
降水量が少なく乾燥していますが、厳密には砂漠ではありません。
乾いた地面と所々に植物が生える程度の荒涼とした景色かと思えば、水と緑に覆われた世界最大の内陸デルタ「オカバンゴ・デルタ」もあります。
そんな国土の17%が指定保護区となっているのが、ボツワナのスゴイところ。
多様な自然環境と、そこでのびのびと暮らす生物を求めて、世界中から研究者が訪れる国なんです。
研究者も一目おくほどの大自然にも関わらず、今回紹介したどの国よりも安くサファリが楽しめるのも、おすすめしたい理由の1つ。
コースの長短はありますが、タンザニアの1/3~1/4くらいの値段でサファリに行けるところもあるくらいです。
驚くほどに野生動物と接近できることもあるボツワナ。
大自然の恵みをダイレクトに感じたい人にぴったりです。
残念なのは、日本からボツワナへのアクセスがあまりスムーズでないこと。
日本からの直行便はないので、アジアまたはヨーロッパなどを経由することになりますが、どのルートを選んでも20時間以上、便によっては24時間を超えることも珍しくありません。
比較的短時間で航空運賃も安めなのが、香港で乗り継いでひとまずヨハネスブルグへ入るルート。
そこから国内線に乗り換えて、目的地まで移動するのがおすすめです。
オカバンゴ・デルタ(世界遺産)とモレミ野生動物保護区
記念すべき1000件目の登録となった世界遺産が、この「オカバンゴ・デルタ(Okavango Delta)」。
「オカバンゴ・デルタのあるカラハリ砂漠は降水量が少ないのに、なぜ?」と思うかもしれませんが、水源は800㎞も離れた国アンゴラの雨季に降った雨水なんです。
その雨水は川となってカラハリ砂漠を進み、例年5月頃に平坦なこの辺りまでやって来ると、川水は4カ月もかけてゆっくりと周辺に広がっていき(ホントに平なんですね)、東京都の約8倍もある広大なデルタ(三角州)ができるわけ。
通常は河口域で見られる現象ですが、内陸にできる珍しいデルタなんです。
そして広がった水は、やがてカラハリ砂漠に浸み込んで消えていきます。
周辺にすむ生き物たちにとっては、まさにオアシス。❝カラハリの宝石❞とも称されています。
このオカバンゴ・デルタの魅力は、水陸両方のサファリが楽しめる点。
ボツワナ観光局によると、このエリアだけで哺乳類122種、鳥類444種、爬虫類64種、魚類71種が確認されています。
その他にもカバやナイルワニ、ミズオオトカゲ、美しい鳥類など多種多様な生物の観察ができるのは嬉しいですね。
特に、オカバンゴ・デルタに水が潤い始める5月から8月にかけてはベストシーズン!
エサを求めて肉食動物の動きが活発になるので、多くの動物に会えるチャンスです。
色味の薄さが特徴的なケープキリン、褐色の毛並みが美しいセーブル・アンテロープ(その気品に一目ぼれ!)、オカバンゴの固有種でS状の角が印象的なレッド・リーチュエなども、ぜひ探してみてください。
アフリカ南東部に生息するチャップマンシマウマも見られます。
黒い線の間に茶色の薄い線が入っているのが特徴です(アニメ『けものフレンズ』にも登場しますね)。
ライオンやヒョウなどの肉食動物はさほど多くはないのですが、ガイドの力量と運任せでも結構見ることができます。
実は他国のサファリではGPSを利用して動物との遭遇率を高めるところもあるのですが、ボツワナでは人の手を加えず、共存しながら自然を守る方法をとっています。
その効果かわかりませんが、手つかずの自然の中で生きる動物たちは他国よりも警戒心が薄く、ボツワナでのサファリは野生動物との距離感が近いと言われています。
絶滅危惧種リカオンの生息も一定数確認されているので、期待しましょう!
11月~12月は出産シーズンなので、赤ちゃんが見たい人はこの時期がおすすめです。
ちなみに、真夏の12月~2月は道路が冠水するほどになり、通行できなくなる道もあります。
サファリができないわけではありませんが、可能なら避けた方が良いでしょう。
また、オカバンゴ・デルタのもう一つの楽しみがウォーターサファリ。
水量が多い場所では、伝統の手漕ぎ船「モコロ」に乗って動物の観察ができるんです。
木をくりぬいただけのモコロは大人気のアクティビティ。
サファリのムードを最高潮まで押し上げてくれます。
水上から眺める動物たちの姿も、また格別です。
モーター音が出ないモコロなら、至近距離まで近づくことも可能!
このように、オカバンゴではキャンプのロケーションによって特色あるサファリを楽しめるので、デルタ内のキャンプを巡る楽しみ方もあります。
例えば、北側は一年を通して水が多く、オカバンゴらしい景色が見られるエリア。
水辺の動物やパピルスの茂みに集う野鳥の観察に向いているほか、近隣の村にも近いのでローカルとの触れ合いも楽しめます。
また、西側もウォーターキャンプに最適なエリア。
水場を好む草食動物が多く、中でも希少なレイヨウの仲間「シタツンガ」が見られるスポットです。
さらに、南部は「モレミ動物保護区」と重なっており、ゾウ、カバ、バッファローにかなりの高確率で出会える大人気のエリア。
アフリカ屈指のサファリポイントとして有名です。
モレミ動物保護区を訪れるなら、ベストシーズンは乾季の7月から10月がおすすめ。
干上がり始めた水たまりに動物が集中します。
運がよければチーターのハンティングが見られるかも!
また、リカオンの保護に力を入れており、現存するリカオンの30%が生息しているとのこと。
貴重な彼らに会える確率が高いと評判です。
チョベ国立公園
ボツワナ北東部を流れるチョベ川とその流域にあるのが「チョベ国立公園(Chobe National Park)」。
4つのエリア分けられ、アフリカ有数の動物密集地として知られています。
その中でもゾウ好きにおすすめしたいのが、北東部を流れるチョベ川流域の「セロンデラ」と呼ばれるエリア。
草原と森林に育まれ、アフリカ有数のゾウの生息地です。
この辺りのゾウはアフリカゾウの中でも体が大きいので、迫力満点!
特に乾季にはチョベ川周辺に集まるので、一度に数百頭の群れを目撃できたり、道路を横切るので通行できなくなったりするほどとのこと(ボツワナ観光局公式サイトより)。
また、ボツワナでしか見られないアンテロープの仲間「プク」との遭遇率が高いのもポイント。
セーブル・アンテロープも生息しています。

一方、たくさんの動物が見たいという人におすすめしたいのが、「サブティ」と呼ばれる西側のエリア。
アフリカ有数のサファリ天国と言われ、キリン、ゾウ、シマウマ、インパラ、ツェサビーなどの草食動物と、それを求めて集まるライオン、チーター、ハイエナなど、多くの野生動物を観察するのに適しています。
その他のエリアも含め、まとめておきますね。
- セロンデラ
北東部を流れるチョベ川沿いの草原と鬱蒼とした森林がある。
ゾウの群れ、ウォーターバック、リーチュエの仲間、プク、ローンアンテロープ、キリン、ヒヒの仲間、ライオン、ヒョウなど
- サブティ
西部のマバベ・ゲートから北へ約50kmにあり、湿地帯になっている。
キリン、ゾウ、シマウマの群れ(水の多い時期)、インパラ、ツェサビー、ローンアンテロープ、クロテン、クドゥー、バッファロー、ウォーターバック、イボイノシシ、エランド、ライオン、チーター、ブチハイエナ、ジャッカル、オオカミギツネなど - リニャンティ
北西部のクアンド川沿岸にある湿原と沼地、森林で構成される。
ゾウの群れ、レッド・リーチュエ、シタツンガなど。
特に、ライオン、ヒョウ、リカオン、セーブルアンテロープ、ローンアンテロープ、カバは高密度で生息していると言われている。 - ノガツァ
中間地帯にある暑くて乾燥した内陸地。
エランドが多く見られる。
エリアによって環境が異なるので、見られる動物も異なります。
好みのエリアを拠点にサファリを楽しむと良いでしょう。
おわりに
野生の王国として知られるアフリカですが、詳しく見ていけばエリアによってかなり見られる動物が違います。
ご紹介したようにキリンやシマウマも複数の亜種がおり、場所が違えば種類も異なるのです。
アフリカに行ったら「キリン」「シマウマ」という属名ではなく、分類された亜種名で「○○キリン」「○○シマウマ」とマニアックに探してみてください。
また、ライオン、ヒョウなどに目が行きがちですが、サーバルキャットやカラカルなどネコ科の中型種、ハイエナのように見えるのに昆虫食のアードウルフなど珍しい生き物の宝庫でもあります。
ぜひアフリカの、そして地球の素晴らしい姿を見て、自分だけの思い出づくりをしてきてください。
そして、少しだけ。
アフリカに住む人々と生き物たちの未来のことも、考えて頂けたら嬉しいです。

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