夏休みが近づくと「自由研究のテーマは何にしよう?」と悩むご家庭も多いはず。
そこで今回は、小学校・中学校の教科書に精通した当サイト管理人・Uniが、自由研究のアイデアをご紹介!
教科書と連動させつつ簡単な応用も盛り込み、無理なく宿題を進められるように構成しました。
しかも、夏休みのお出かけスポットの定番・水族館を活用したものを厳選してご案内します。
特別な道具を使わず、身近なもので代替することで、保護者の負担も軽減(ここ大事!)できますよ。
自由研究をサクッと終わらせるには
夏休みの宿題の中で、最も保護者の手が必要なのが「自由研究」。
実験や研究に携わってきた管理人Uni は、自由研究が子供や保護者の負担になっている現状をとても残念に感じています。
特に理科分野の自由研究は失敗も多く、泣きつかれることもありますね。
こうなると保護者の方も「適当にやって、とにかく提出さえすれば…」となってしまいます。
でも、今の子供たちが受験や就職で求められるのは「問題解決力」。
自由研究を通して学ぶのは知識ではなく、この❝問題解決の方法を考えたり、得られた結果を思考する力❞を育むことにあるんです。
でも、最後までやり切らせるのは至難の業…。
では、一体なぜうまくいかないのでしょうか?
我が家の2人の子供も毎年、理科の自由研究を提出しているのですが、そこで気付いたのは「子供が学校で習ったことを親が知らずに進めるのは良くない」ということです。
つまり、子供が学習した範囲を超え過ぎてしまうと、難しすぎて理解が追い付かず、結果も考察も親がやる…というパターンに陥ってしまうからですw
さらに、小学校で学んだ科学の基本(実はほとんど全分野を学んでいます)を身近な題材にいかに結びつけるか…それが自由研究をスムーズに終わらせるポイントだと思います。
でも、親が過去の教科書をさかのぼって見たり、これから習うであろう「プラスアルファ」の部分まで把握して研究テーマを探すのは大変ですよね。
そこで今回は、理科の教科書を知り尽くした当サイト管理人・Uni が自由研究テーマをガチ提案!
夏休み定番のお出かけスポット❝水族館❞を軸に進められる内容に絞ってお伝えします。
子供が「それ知ってる!でも、ここから先は知らないなぁ」という部分にスポットを当てることで、自由研究に取り組みやすいアイデアを掲載します。
上手にテーマを選んでお子さんの知的好奇心を育くみつつ、自由研究をスムーズに進めていただけたら嬉しいです。
また、あまり手を掛けたくない人は、❝仕掛けたらほったらかし実験❞もいいかも♪
こちらも参考にしてくださいね。
その他の学年や中学生用、放置系・短時間系のテーマはこちらの記事をご覧ください↓↓↓
自由研究アイデア集 | 世界で1つのワガママ旅へ (uni-voyage.com)
自由研究に欠かせないものは?
まず、取り掛かる前にお伝えしておきたいのが、自由研究をスムーズに進めるポイント。
写真を撮りまくる!これにつきます。
観察にしろ実験にしろ、写真は多ければ多いほど後々役立ちます。
デバイスやクラウドの容量を確保しておくことも大切です。
スマホやデジカメなら写真を拡大するのは簡単なので、被写体のアップの撮影は不要。
それよりも全景や異なる視点(角度)、同居の生物やレイアウト、フラッシュ有り無しのパターンなどを撮っておくのがおすすめです。
もちろん、水族館などの説明プレートは絶対に撮っておきましょう。
加工フィルターは使わずに、そのまま(事実)を撮ることを心掛けてください。
ただし、フラッシュ撮影禁止の場所ではルールを守ってくださいね。
また、よくあるのが、後で見たときに何を撮ったのかわからなくなるパターン…。
これを防ぐには、撮影のルールを決めておくことが肝心です。
例えば水族館で生き物の写真を撮るなら、始めに「説明プレート」、次に「対象の生物」など、撮影順を決めておくのが私の経験上おすすめ。
そして、次に大切なのがメモ。
メモを見返した時に何の記録なのかわからなくなってしまうので、低学年の子供の場合は、どの生き物の記述を書こうとしているのか、チェックしてあげましょう。
最悪、写真があれば、それを見て家でゆっくり考えることも可能。
ですから、後で見てもわかる写真の撮り方をしておくことが大切です。
低学年(小学校1年生・2年生)で学ぶ内容とは
小学1年生・2年生には❝理科❞の授業はなく、❝生活科❞の中での扱いになります。
上下巻を2年間で学ぶ形式で、学校・家庭・地域などの社会や身近な自然との関わりを考える活動が中心です。
そのうち、理科分野の学習としては、四季の移り変わりや身の回りの生き物に着目したり、アサガオやトマトを育てたりといった単元が相当します。
また、夏休みまでの授業だけでは、その学びの上にテーマを組み上げていくのは難しいです(特に1年生)。
そこで、発達段階から考えて、近々習う内容で設定するのも1つの方法だと思います。
このような点を踏まえ、小学校低学年の子供には、見て結果がわかる研究テーマや、これからすぐに学ぶ内容に絡めたテーマがおすすめ。
例えば1年生の9月には身近な生き物に触れ、その生息環境やエサなどについて考える学習があります。
2年生は6~7月頃に生き物の生態を学び、生息場所やエサをインターネットを使って調べます。
学校では題材として、身近な昆虫や飼育小屋のウサギ、自宅で飼っているペットなどについて調べることが多いでしょう。
校庭や近くの公園などでフィールドワークをすることもあります。
そこで、今回提案する低学年のテーマは、これらに関連づけて構成してあります。
ぜひ参考にしてくださいね。
【観察】魚の形を観察しよう
まずは水族館に行き、魚の形に注目して見学していきましょう。
併せて、魚の入っている水槽のレイアウト(岩やサンゴ、砂地の厚さ、遊泳スペースの広さなど)にも注意を向けてあげてください。
できれば、魚や水槽の写真、説明のプレートなどは写真を撮っておくのがおすすめ!
帰宅してからゆっくり考えたり、説明文にヒントや答えが載っていたりするからです。
印刷すれば、宿題の提出時の資料にもなりますね。
写真が貼られているとレポートらしくなるので、超おすすめです。
では、具体的な方法を紹介します。
魚の形には流線型・扁平型・ひも状などがありますが、これは彼らが住む場所やエサと密接な関係があります。
例えば、
…といった具合です。
グループ分けした形の名称は子供自身が決めるのがおすすめ。
ペラペラ型、ニョロニョロ型など想像力を刺激してくれることでしょう。
でも、ここで終わりにしてはもったいない!
ここからが自由研究…子供の❝気づき❞を引き出してあげましょう!!
例えば、うすべったい形の魚を例にしてみると、同じ形でも住んでいるところが違う(底棲のものと岩礁帯に棲む魚がいる)のがおもしろいですね。
うすべったい形へと進化した理由を、魚の視点に立って考えてみてください。
「何を食べたかったからかな?」「何か怖かったのかな?」など助けてあげてもいいですね。
さらに、体の作りに着目すると、似た形でも違う点があることに気付けるでしょう。
カレイやヒラメは目が体の同じ側ですが、チョウチョウウオは両側にあります。
ヒレの付いている場所はどうでしょうか?
このように、なぜ違いが生じたのかを❝考察❞することで、研究としての体裁がとれるようになるわけです。
また、絵本で有名な『スイミー』のように、魚たちがどのようにして身を守っているのかを合わせて考えるのもおすすめ。
1年生の国語の教科書に掲載されている『うみのかくれんぼ』にも通じていますよ。
なお、二ホンウナギを含め、ウナギの多くは絶滅危惧種。
この辺りを深掘りすると発展学習になりますね。
生態も謎に包まれており、実は光村図書の国語の教科書にその謎を追い続ける日本人学者の話が載っています。
レプトセファルスというウナギの稚魚名が出てきますw
余談ですが、光村図書5年生の国語の教科書には 説明文『生き物は円柱形(本川達雄著)』が掲載されていました。
これを歌にした『♪生き物は円柱形』というYouTube動画が子供たちに大人気で^-^
「歌う生物学者」本川先生がリリースしただけあって、短い歌なのに科学の秘密がギュッと詰まった一曲です。
ぜひ聞いてみてください!!
《 自由研究の進め方・ポイント 》
- 水族館に行き、魚の体の形に注目して観察する。併せて、水槽レイアウトや魚の目・ヒレなどの位置についても書き留めておく(イラストがおすすめ)。
- 観察してきたことの「同じ・似ているところ」と「違うところ」を見つける。
- なぜ②のような相違があるのか、なぜ②のように変化(進化)したのか考えてみる。難しければ図鑑やインターネットを活用して助言を与える。
《 発展学習 》
- 観察した魚の特徴や習性などを付け加える。上記③を考える際の材料になることもある。
- 別項『魚の好き嫌い調べ』と統合することも可能。
【調べ学習/観察】魚の好き嫌い調べ
低学年の研究は、対象物を自分と同化させたり比較させたりして考えるのがわかりやすいでしょう。
例えば、食べ物の好き嫌いのある子供に「魚にも好き嫌いってあるのかな?」のように問いかけ、魚の食性(何を食べているか)に着目してみるのも方法です。
食性には「草食性」「肉食性」「雑食性」があり、どの生き物も基本的にはこれらのいずれかに分類できます。
できれば水族館に行ってみましょう。
水族館の説明プレートには食性について書かれているので、チェックしながら観察するれば、楽に情報収集できますよ。
なお、水族館に行く前に❝餌やり❞の時間を調べておくのがおすすめ。
※ 施設によって❝フィーディングタイム❞や❝お食事タイム❞などの名称があります。
見学しやすい小規模水族館を敢えて狙うのも手です。
関東地方ならさいたま水族館(別記事参照)は超おすすめ!
展示生物が絞られているので、テーマに沿った観察がしやすいのが最大のポイントです。
また、❝餌やり体験❞のイベントを行っている水族館も多いので、参加してみるのも良いでしょう。
水族館のバックヤードが見られるので、おもしろいですよ♪
さて、ここまでが基本の調べもの。
さらに充実させるためには、食性に関する内容を少し発展させ、研究らしい体裁を整えていくのがおすすめです。
好き嫌いの極めつけ…生き物の偏食について調べてみるのもおもしろいでしょう。
例えば、ウミウシの仲間には決まったものしか食べない❝好き嫌いの激しいヤツ❞が多いです。
- スミゾメキハダウミウシ:ハゼのヒレだけを食べる。
- キヌハダウミウシ:ウミウシだけを食べる。
- コノハミドリガイ:緑藻(特にハネモ類)を食べ、9カ月絶食できることが確認されている。
気になる人は「盗葉緑体(クロプトクロロプラスト)」を調べてみよう。 - ミノウミウシ:刺胞動物(クラゲやイソギンチャクの仲間)のみ食べる。
特にアオミノウミウシは猛毒のカツオノエボシも捕食。自身も有毒になっている。
呆れるほどに偏食過ぎるウミウシたち。
❝海の宝石❞と呼ばれる美しいウミウシですが、この偏食により飼育はとても難しいのです…。
また、食性から歯や口の形をかんがえてみると良い考察になります。
例えば、肉食魚の代表格「サメ」の仲間は幾重にも歯が生えていて、抜けても次の歯が前へ前へと出てきます。
「アクアワールド大洗水族館」はサメの飼育数が日本一で、様々な口を持ったサメが一度に見られるのでおすすめ。
同じ下向きでも、エイやホウボウ、熱帯魚のコリドラスは砂や泥の中に隠れている獲物を捕らえるタイプです。
特にホウボウは特殊なヒレを使って獲物を探すので、水族館に行ったらぜひ見てみてくださいね。
また、アジやイワシ、マグロなど多くの魚の口は先端についています。
これらの魚はエサに向かって行って捕食するタイプ。
ぜひアジを一匹買ってきて、食べる前に口を観察してみてください。
唇(?)の部分を引っ張ると、意外と長く伸びることがわかります。
また、細かい歯が付いていて、噛みついたエサが簡単に逃げられないようになっています。
この構造がエサを捕りやすくしているわけですね。
魚の実物を見ると、調べ学習だけでなく観察の要素も含められますよ。
一方、同じ先端についていても、口先が尖っているチョウチョウウオやハタタテダイの仲間は雑食性。
サンゴや岩の隙間にあるエサをつつく様にして捕るのに適しています。
中でも甲殻類が大好き。
小エビやオキアミを丸ごと与えると、殻だけ残して中身の美味しいところだけ器用に食べてしまいます。
釣り好きの子なら、針に殻だけ残された経験があるのではないでしょうか?
カワハギの仲間もおちょぼ口のエサ取り名人として有名。
同じ先端に口が付いている魚でも、イシダイの仲間は非常に硬く、貝や甲殻類の殻を噛み砕くのに適した形状です。
さらに、口が上向きについているアンコウやオコゼは、エサが近寄ってくるのを海底で待ち伏せするタイプ。
特にチョウチンアンコウは釣り竿のような❝誘因突起❞でエサをおびき寄せるのは有名ですね。
メダカの口もやや上向きに付いています。
実際に飼育してみると、水面近くのエサを好んで食べ、沈んだものは食べ残すことがわかります。
身近な魚つながりでいうと、コイやキンギョの歯は口ではなく喉にあります。
これは咽頭歯といい、なんでも丸呑みにする雑食性のコイ科の特徴。
タニシなどの貝殻も割る強さですが、口にはないので餌やりのときに吸い付かれても(!)大丈夫ですよ~。
このように、エサの好みと口の形・位置、歯の形状、捕食方法は深い関係にあります。
この辺りを深掘りし、発展的でまとまりのある自由研究に仕上げていくと良いでしょう。
《 自由研究の進め方・ポイント 》
- 魚の食べ物について調べる。
水族館に行くと説明プレートで食性に触れていることが多いので、おすすめ。 - 生物の偏食・好き嫌いについて深掘りしていく。
・極端な偏食が多いウミウシを調べる。
・歯の形や場所とエサの関係。
・口の形とや位置とエサの関係。 - 上記を種類ごとにまとめ、生存戦略に言及できると◎。
兄弟で同じものが好物だとケンカになるが、違っていればケンカせずに済むね…など助言してみるとよい。
《 発展学習 》
- 実際に観察してみる。
・メダカやキンギョのエサの食べ方の違い。
・アジやカレイなどの口の位置や形状、歯の様子。
【調べ学習/実験】魚が住んでいるところを調べてみよう
魚が棲むのは水の中。
これは小さな子供でも知っていることです。
では、どんな水に棲んでいるのでしょうか?
こう問いかけると、「海」「川」「池」などの意見が出てくると思います。
そこで、その漠然とした水の条件を科学的に表現することに挑戦してみましょう。
例えば、淡水・海水などはイメージが付くと思います。
そして、淡水の川と塩水の海がまじりあう河口付近は❝汽水❞といいます。
また、淡水の同じ川でも、上流は水温が低く流れが速いですし、下流は上流より水温が高く、流れは緩やかです。
海も緯度が低い(=赤道に近い)地域や暖流が通る辺りは、付近よりも海水温が高くなります。
これらの水質・水温・水流の違いによって、魚の生息場所を分類することができます。
このような❝水の違い❞を知ったうえで、水族館に行ってみましょう。
水族館の説明プレートには、❝世界中の暖かい海❞、❝流れの穏やかな湾の中❞、❝水のきれいな上流❞、❝北極海など水温の低い海水❞など、魚が生息する条件が書かれてます。
なかにはサケやウナギ、アユのように川と海を行き来する魚(回遊魚)もいます。
(回遊できる仕組みもおもしろいのですが、浸透圧の話は低学年には少し難しいので、今回は割愛…。)
写真やデータを取り、帰ってから生息条件によってグループ分けしてみましょう。
地図や川・海の絵などの上に書き込んでいくのもおもしろいでしょう。
もし余力があれば体の大きさに着目してみるのもいいですね。
一般的に、海なら水深に、川なら川幅に比例して体が大きくなっていくことがわかるでしょう。
なお、コンパクトに自由研究をまとめたいなら、日本産の淡水魚に絞って調べるのがおすすめです。
さいたま水族館なら上流・中流・下流・それ以外と展示もまとまっているので、低学年の調べ学習にもぴったり!
チェックしてみてください。
さて、ここからは応用編です。
もう少しステップアップしたい方は取り組んでみてくださいね。
実は魚にも”家(巣)”を作る習性をもつものがいます。
多くの魚は水中にばらまくか、サケのように穴を掘って卵を産みますが、いずれも産みっぱなしなので❝巣❞とは言えません。
ですが、魚の仲間にも巣を作り、卵を守る生き残り戦略を持つものがいるのです。
このような巣作りの代表選手といえば、「アナバス(キノボリウオ亜目)」の仲間。
熱帯魚で人気の「ベタ」や「グーラミィ(グラミー)」もアナバスです。
アナバスの多くは、オスが水面に大量の泡を作り、これを巣にします。
メスが泡巣(ほうそう)に産卵すると、オスは実に見事なイクメンへと変身!
泡を管理し、こぼれ落ちる卵を優しく巣に戻し、ヒレで新鮮な水を送り込み…といった具合です。
見た目が派手な観賞魚のイメージと異なり(特に普段のベタは、ケンカを売りまくっているヤンキーみたいだし)、片時も離れずに巣を守る姿は感動してしまうほど!
なお、アナバスの仲間は特殊な❝ラビリンス器官❞を持っていることでも有名です。
キノボリウオという分類名の由来にもなるこの器官、興味があったら調べてみてくださいね。
また、外来種として問題になっている「ブラックバス(正式にはオオクチバス)」も、実は巣を作る魚です。
産卵期になると水底にすり鉢型の穴を作り、きれいに掃除します。
ここにメスが卵を産み付けると、オスは孵化後3週間ほど巣を守るのです(国立環境研究所より)。
あの驚異的な繁殖力は、巣を作り子を守るという習性に起因するところもあったのですね。
しかし!巣を作る魚には、もっと上級者がいます!
それが「トミヨ」という5cmくらいの魚の仲間。
日本でも数種類(分類が定まっていないため、厳密に言えない)が生息していましたが、すでに絶滅してしまった種もあり、いずれも危機的な状況にあります。
この貴重なトミヨ類のうち、かつては関東地方に広く分布していたというのが「ムサシトミヨ」。
キレイな水に棲み、水草でピンポン玉のような巣を作ります。
しかし、現在は埼玉県熊谷市を流れる川の源流部にあたる、わずか400mを中心にした水域にしか生息していません。
世界中探しても、生息地はここだけなのです。
生息エリアは天然記念物に指定され、地元と県、そして埼玉県唯一の水族館「さいたま水族館」などで懸命に保護活動が行われています。
加えて、ムサシトミヨの繁殖を試みる水族館も多く、
- しながわ水族館(東京都品川区)
- 井の頭自然文化園・水生物館(東京都吉祥寺)
- さいたま水族館(埼玉県羽生市)
- 熊谷市ムサシトミヨ保護センター(埼玉県熊谷市/指定曜日のみ)
- 彩湖自然学センター(埼玉県戸田市)
- 関西電力宮津エネルギー研究所 丹後魚っ知館(京都府宮津市)
- 琵琶湖博物館(滋賀県草津市)
などでは実際にムサシトミヨが泳ぐ姿や、ピンポン玉のような巣を見ることができます。
ムサシトミヨやブラックバスの生態を元に、水質汚染や環境破壊へ言及しても良いかもしれませんね。
さらに、応用編!
高学年・中学生の兄弟との共同研究や、科学好きな子は、水質についてもう少し掘り下げてみましょう。
具体的には❝液性❞や❝硬度❞について調べるテーマを追加します。
実験の要素も取り入れられますよ。
例えば、夏休み中に旅行する機会があったら、旅先の魚が棲んでいそうな場所や絶対いないだろうという場所の水を持ち帰って、液性を調べるとおもしろいです。
※ 後述のリトマス試験紙を持っていき、その場でチェックするのもおすすめ。
液性とは酸性・中性・アルカリ性といった水素イオン濃度を示すものであり、小学校6年生の『水溶液の性質』として学びます。
調べ方は安価で入手しやすいリトマス試験紙(赤/青)がおすすめです。
BTB試験紙はリトマス試験紙よりも高価ですが、細かく判定したいときには便利ですよ(中学校で使用)。
自宅の水道水、海や川の水、濁ったり緑色になったりしている池や湖の水、温泉水はどうでしょうか?
魚がすむ水の条件と一致するでしょうか?
同様に、水の硬度について調べるのも一法です。
硬度とはカルシウムやマグネシウムといったミネラル分の濃度を表し、低ければ軟水、高ければ硬水です。
この線引きは国によっていろいろですが、世界保健機構(WHO)の基準では、硬度120mg/l(ppm)未満を軟水、120mg/l(ppm)以上を硬水としています。
日本の河川はだいたい硬度50ppm程度の軟水ですが、ヨーロッパやアフリカの河川は200ppm以上の硬水であることが多いです。
※ ヨーロッパ産のミネラルウォーターも硬水が一般的。商品ラベルで確認できます。
したがって、これらの地域の魚を飼育するのはとても大変!
アフリカにあるマラウイ湖やタンガニーカ湖に棲むシクリッドは非常に美しいのですが、水道水の硬度では合わないので、途端に調子を落としてしまうのです。
熱帯魚ショップに行くと硬度をあげる調整剤が売られているので、これを使って飼育するのが一般的ですが、そもそも硬度がこんなに違うのはなぜ何でしょうね。
その国の地形や地質に大きく関わっているので、気になる人は調べてみてください(^-^)
なお、硬度の測定キットも「gHテスト」「THテスト」などの名称で熱帯魚ショップで売られています。
《 自由研究の進め方・ポイント 》
- 魚が棲んでいそうな場所や水の条件を考えてみる。
海水・淡水・汽水域、淡水でも湖・川・池などの違いもイメージしておく。 - できれば実際に水族館に行き、魚種と生息場所を調べてくる。
水温の高低や流れの有無、川であれば上流・下流などの流域なども調べる。 - 生息の条件ごとに魚種を並べ、グループ分けしたり地図上に書き込んだりしてまとめる。
《 発展学習 》
- 魚の家(巣)を調べる。
- 水質(pHや硬度)について調べ、魚をとりまく環境にも言及する。
魚が住んでいるのは水の中…と思われがちですが、乾季になると泥の中で夏眠するアフリカハイギョや、少しの間なら陸上を移動できるキノボリウオやウナギなどもいます。
通常のエラ呼吸の他に、前述のラビリンス器官や別の空気呼吸する仕組みが備わっているのですが…自由研究のブラッシュアップに調べてみるとおもしろいですよ。
おわりに
自由研究は自主的に取り組んでほしいもの。
でも、子供だけでは難しいのが現状です。
ここでは具体例を挙げながら自由研究の進め方をご紹介しましたが、これらの具体例をはじめから子供に提示せず、困ったときの❝助け舟❞として活用していただければ幸いです。
そして、自由研究を通して、考えること・調べることの面白さを知り、私たちを取り巻く環境や様々な課題にも興味を持ってもらえたら、親としても嬉しいですよね。
ぜひ大人も楽しみながらサポートしてあげてください!
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