売り切れ・満席にならないよう、旅行の予約は早めにしたいもの。
早い方が割引などの特典が受けられることもありますね。
でも、その分、予定を変更する可能性も高くなります。
また、小さい子供やお年寄りが一緒の場合や、仕事の予定が立てにくい人、台風などの自然災害の多い季節やエリアも、旅行をキャンセルするリスクが高いといえます。
そんなとき、強い味方になってくれるのが旅行のキャンセル保険!
この記事では前半でキャンセル料が発生するタイミングを旅行・ケースごとに解説、後半でキャンセル保険の種類と補償の範囲、それぞれの特徴についてわかりやすく紹介していきます!
本記事の補償金額はそのプランでの上限を表しています。
また、特記がない限り、インターネット申し込み時の保険料を掲載しています。
最新情報は各保険会社の公式サイトでご確認ください。
キャンセル料とは?
ツアー旅行や飛行機、ホテルなど、予約を取ってから出かけることが多いですね。
でも、この予約というのは、売買が成立した「契約」のこと。
先方は予約が入った時点で、部屋・席などを確保し、利用日が近づけば費用をかけて清掃や食事などの準備をします。
そのため❝キャンセル(取り消し)❞という行為は、それまでに発生した人件費や諸経費などの損害を相手に与える可能性があるのです。
その損害を予約者に請求するのが「キャンセル料」です。
相手が受けた損害に対して支払うものですから、予約数ヵ月前のキャンセルなど新たな予約を受けられるような、つまり、損害を十分に回復できる条件の場合は、キャンセル料は発生しません。
これは「消費者契約法9条」という法律で守られている❝キャンセルする側の権利❞です(詳細は『ホテルなどの宿泊施設』にて参照)。
注意するべきなのは、同じ航空会社・同じホテルだったとしても、
といった違いがある点です。
申し込み時にキャンセル規定をよく確認し、どのタイミングで対応すればキャンセル料を払わないで済むのか理解しておきましょう。
詳しくは各項をご覧くださいね。
ツアーのキャンセル料
ツアー旅行は正式には「募集型企画旅行」といい、この場合のキャンセル料は国土交通省の標準旅行業約款(第16条第1項関係)で定められています。
約款のままだと難しいので、概要を簡潔に書くとこんな感じです(団体旅行を除く)。
【 国内旅行 】
区分 | 取消料(キャンセル料) |
旅行開始前日の20日前から8日前まで (日帰り旅行は10日前から) | 旅行代金の20% |
旅行開始前日の7日前から1日前まで | 旅行代金の30% |
旅行開始前日 | 旅行代金の40% |
旅行当日 | 旅行代金の50% |
旅行開始後または無連絡不参加の場合 | 旅行代金の100% |
【 海外旅行 】
(日本出国時又は帰国時に航空機を利用ならびに日本外を出発地及び到着地とする募集型企画旅行契約)
区分 | 取消料(キャンセル料) |
旅行開始日がピークのとき旅行開始前日の31日前から40日目まで | 旅行代金の10%以内 |
旅行開始前日の2日前から30日前まで | 旅行代金の20%以内 |
旅行開始前日の1日前(=旅行開始日の前々日)以降 | 旅行代金の50%以内 |
旅行開始後または無連絡不参加の場合 | 旅行代金の100%以内 |
国内旅行では約3週間前、海外旅行では約4~5週間前からキャンセル料が発生することがわかりますね。
その後は出発日に近づくにつれてキャンセル料が高額になっていきます。
しかし、旅行前日のキャンセルでも、ツアーなら半額は返金されるので、意外と損はしないものです。
無理に行かずにキャンセルをして、体調や状況が良くなってから行くほうが楽しめるかもしれませんね!
個人で手配したもの(航空券、ホテルなど)
一方、個人旅行や出張など、自分で手配した航空券やホテルなどの宿泊施設を自己都合でキャンセルする場合、どのようになるのでしょうか?
結論からいうと、航空券やホテルなどのキャンセル規定は、その運営会社が独自に決めています。
また、「じゃらん」「楽天トラベル」など旅行の検索サイトから申し込んだ場合でも、その申込先の規定が適用されるので、注意が必要です。
では、それぞれのケースで具体的に見てみましょう。
航空券はLCCだと返金少ない
サービスを最小限にする代わりに、格安運賃で飛行機に乗れるのがLCCの魅力。
でも、それゆえに乗客側の理由によるキャンセル時の規定はシビアで、払い戻しができない、または金額が少ない傾向にあります。
なお、払い戻しができる場合でも、スーツケースなどの受託手荷物、座席指定などの手数料はオプション扱いのため、払い戻し対象外となるのが一般的です。
また、返金方法は支払ったクレジットカード会社を通じて行われることもありますが、相当額のポイントとして返却されることもあります。
なお、LCC側の原因や払い戻しを認めた予約に関しては、それぞれの規定に応じた金額またはポイントが返金されるので、安心してくださいね。
さて、キャンセルするとデメリットが大きいLCCの場合、どうすればキャンセル料を最小限に抑えられるでしょうか?
払い戻しされない場合、一つの手段としてキャンセルではなく予約を変更するという方法もあります。
変更可能なチケットの場合、出発の48時間前までなどの期限はありますが、日時の変更ができることが多いのです。
ただし、変更するための手数料や、変更した便との運賃差額が生じます。
飛行機の利用自体を取りやめるのではなく、いずれ乗る可能性があるのなら予約を変更するほうがお得かもしれませんね。
レガシーキャリアはタイミングにより金額変化
JALやANAのような「レガシーキャリア(フルサービスキャリア)」は、LCCに比べ、乗客側の理由によるキャンセルでも返金される割合が高いといえます。
しかし、重要なのはキャンセルを申し出るタイミング。
また、国内線と国際線で取り扱いが違う点も要注意です。
国内線の場合、全日空(ANA)では購入した航空券の「有効期限満了日や予約便出発予定日の翌日から30日以内」を目安にするのが良いでしょう。
日本航空(JAL)では同様に起算して「10日以内」が目安です。
一方の国際線の場合、旅行開始前であれば「旅行開始日(または発行日)から1年と30日以内」が1つの目安になります。
取消/払戻手数料がかかりますが、タイミングによっては8割近くの返金も可能なので、LCCに比べればかなり安心です。
ただし、他航空会社で交換発行したもの、一部の電子証票(EMD)はANAやJALでの払い戻し適用になりません。
いわゆる「早割」のような割引運賃で購入した航空券の取消/払戻手数料は高額になる傾向があります。
条件によって対応の方法が異なるため、詳細は各航空会社の公式ウェブサイトや窓口へ問い合わせることをおすすめします。
なお、レガシーキャリアでも航空会社側や天候によるキャンセルは、100%補償の対象となるのが一般的です。
サービスの行き届いたキャリアならではの安心感がありますね。
また、ケガやインフルエンザなどでキャンセルする場合は、手数料なしで対応してくれる特別措置もあります。
ただし、事前に医師の診断書を提示するなどの手続きが必要です。
新幹線
予約した新幹線をキャンセルする場合も、運賃の払い戻しが可能です。
ただし、以下のような条件と手数料の発生があります。
切符 | 払い戻しの条件 | 手数料 |
普通乗車券 自由席特急券 自由席グリーン券 | 使用開始前かつ有効期限内 | ¥220 (往復・連続でも同じ) |
立席特急券 | 出発時刻まで | ¥220 |
指定席特急券 指定席グリーン券 | 出発日の2日前まで | ¥340 |
〃 | 出発日の前日から出発時刻まで | 30% (ただし最低手数料¥340) |
通常は「乗車券+特急券」のセットで買うことが多いですよね。
すると、一般的な払い戻し金額の合計は、次のようになります。
- 自由席
乗車券¥220+自由席特急券(またはグリーン券)¥220=¥440 - 指定席
乗車券¥220+指定席特急券(またはグリーン券)¥340=¥560(出発2日前まで)
また、一度に往復または連続の区間を購入した場合は、まとめて1つの手数料とカウントされます。
普通席の場合は乗車日が決まっていないので、期限内の手数料は一律¥220ですが、指定席の場合は出発前日から代金の30%ととなってしまう点に注意しましょう。
なお、払い戻しは、JRの駅(窓口)、旅行センター、主な旅行代理店などで可能です。
ただし、クレジットカードで購入した場合は、同じカードを持参することが必要です。注意しましょう。
また、JR側の事情による運休などは、手数料なしで払い戻されるのが一般的です。
ホテルなどの宿泊施設
航空券同様に、ホテル・旅館・民宿などの宿泊施設も客側の自己理由でキャンセルする際は、その運営会社の規定が適用されます。
宿泊施設側がキャンセルによって不当な不利益を被らないような範囲で、キャンセル料と申し出のタイミングが設定されていることが多いです。
それぞれ独自の設定なので例外もありますが、大雑把にいうと、次のような傾向が見られます。
- 観光エリアのホテル・旅館
2日~7日前20%、前日40%、当日50%、連絡なし100% - ビジネスホテル/シティホテル
前日20%、当日80%、連絡なし100%
都市よりも観光地の方がキャンセル発生の時期が早いところが多いですね。
これは観光地では朝食・夕食を含めた予約であることから、食材など仕入れの問題も絡んでくるためです。
なお、ハイシーズン中や年末年始などは別のキャンセル規定や予約金制を設けているところもありますから、気を付けてくださいね。
また、すべての宿泊施設が良心的なわけではありません。
キャンセル規定を自由に設定できる以上、施設側に損害が少ないタイミングにも関わらず、法外な請求をされる事例も少なからずあるのです。
このような場合、「消費者契約法9条」の違反となる可能性があるので、訴えることもできます。
この条文には、
次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。
消費者契約法第9条第1項
一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分
とあり、簡単に言い換えると「施設側が受けた平均的な損害の金額を超えてキャンセル料を請求したら、無効にするよ」という感じです。
宿泊施設の予約は、施設と客との契約によるもの。
トラブル回避のためには、予約ごとにキャンセル規約もしっかりと理解しておくことが大切ですね。
旅費の返金・ポイント返還の方法
キャンセルしたときに気になるのが、返金の方法と時期。
これは旅行代理店や航空会社・ホテルなどの規約に則って、手続きが行われます。
対応は各社様々ですが、よくある事例を紹介しましょう。
決済方法 | 返金方法 |
現金 (店頭、電話、コンビニ振込、銀行振込など含む) | 指定口座への振込 (口座を連絡する必要あり) |
クレジットカード デビットカード | クレジットカード会社を通して返金 (引き落としのタイミングなどにより返金時期は異なる) |
マイル | 手数料を払えば全部あるいは一部戻る(※) →JAL,ANAなど多くの航空会社 戻らない→マイルで特典予約などをした場合 |
クーポン | 自己都合によるキャンセルでは返還されないことが多い |
旅行券・ギフト券 | 現金書留などで郵送返却(券種が変わることもある) |
このように、代金の支払い方法で、返金方法もかかる時間も異なります。
返金までの手続きや受け取りを考えると、多少時間はかかりますがクレジットカードで支払っておくのが一番手間いらずですね。
旅行保険のついたクレジットカードなら安心もついていて、旅先でも便利なのでおすすめです。
旅行のキャンセル保険とは?
一番良いのはキャンセル料が発生する前に予約を取り消しすることです。
でも、それができれば苦労はしませんよね。
ここからはキャンセル保険について具体的に見ていきましょう。
まず、キャンセル料とは旅行代理店や交通機関・宿泊施設が受けた損害を「支払ってください」と請求するものでしたね。
損害の度合いは予約された日時に近づくにつれ増えるので、キャンセルを申し出たタイミングによってキャンセル料も変わってきます。
キャンセル料の規定や払い戻し方法は、相手方や予約の種類、支払い方法などによって細かく決まっていて、例えば海外ツアーの予約を取り消す場合、旅行前々日から代金の50%、当日は100%のキャンセル料が発生します。
仮に20万円の海外ツアーを前日に取り消すと、単純計算で10万円を支払わなければならないのです。
このようなキャンセルによる損失を埋めてくれるのがキャンセル保険です。
加入には、大きく分けて
- キャンセル保険に加入するタイプ(旅行と同時あるいは別のタイミングで申し込む)
- カード保険に付帯するタイプ
があり、さらに細かく分けられます。
それぞれに特徴があるので、詳しく見ていきましょう。
保険として申し込むタイプ
やむを得ず旅行をキャンセルする場合に限定して、キャンセル料の補償を行う保険があります。
ケガや交通トラブル、急な出張、忘れ物など幅広く補償するタイプも多いので、大きな安心感が得られますよ。
この保険の申し込み方法は次の2通りが一般的です。
おすすめポイントと共に具体的なキャンセル保険も紹介するので、保険選びの参考にしてくださいね!
旅行代理店で申し込む
飛行機やホテルを手配するとき、旅行代理店を通すことがあります。
旅行の申し込みでも、特にパッケージツアーを利用する場合は、旅行代理店経由が多いですよね。
このとき、キャンセル保険を扱っている代理店だと、旅行と一緒に申し込むことができます。
どの程度の掛け金で、どのくらい保証されるのか、具体的な例を見てみましょう。
H.I.S.『キャンセルサポート』
『キャンセルサポート』-H.I.S.-
格安旅行でおなじみのH.I.S.が業界初と銘打って、2019年に発売したのが『キャンセルサポート』という保険。
保険業界大手・三井住友海上火災保険との提携というのも、大きな安心感を持てますね。
H.I.S.の店舗だけでなく、オンラインでの申し込み(マイページから)もできるのが嬉しいポイント。
ただし、H.I.S.で海外旅行を予約することが条件で、旅行開始日の14日前までが申し込み期間です。
具体的な保障内容を見てみましょう。
【 キャンセル補償の概要 】
キャンセル原因 | 支払い割合 |
---|---|
死亡・危篤(予約者本人・同行者または配偶者・3親等以内の親族) | 100% |
入院(予約者本人・同行者または配偶者・2親等以内の親族) | 100% |
通院(予約者本人・同行者または配偶者・2親等以内の親族) | 70% |
急な出張(予約者本人・同行者の海外出張または2泊以上の国内出張) | 70% |
渡航先での暴動・テロ・ 地震 | 100% |
交通機関の遅延・欠航・ 運休(2時間以上) | 100% |
パスポートの置き忘れ、 失効等(予約者本人・同行者) | 70% |
妊娠、早産等、婚約破棄、離婚(予約者本人・同行者) | 70% |
ペット(犬・猫)の死亡(予約者本人・同行者の家庭で飼育。遺体処理した場合) | 70% |
勤務先の倒産、家屋家財の損害(100万円以上)、災害避難指示、航空機遭難等、緊急捜索事態、出入国規制等、裁判所への出廷(いずれも予約者本人・同行者) | 100% |
保険に加入した本人だけでなく、一緒に行く予定の同行者に何かあった場合のキャンセルでも保障されるのは嬉しいですね。
犬猫が死んだときも対象にしているのは珍しいです。
ただし、キャンセル料を補償(返金)されるのは加入者のみですから、その点は注意。
気になる保険料ですが、次のように旅行代金に応じた設定になっています。
【 保険料(オンライン予約の場合、1人あたり)】
プラン | 1,000円プラン | 2,000円プラン | 3,000円プラン |
---|---|---|---|
補償金額 | 10万円 | 20万円 | 30万円 |
対応商品 (海外旅行のみ) | 海外ツアー 添乗員同行ツアー 海外航空券 航空券+ホテル | 海外ツアー 添乗員同行ツアー 海外航空券 航空券+ホテル | 添乗員同行ツアー 海外航空券 航空券+ホテル |
詳細は『キャンセルサポート』公式ウェブサイトをご覧ください。
エアトリ『旅行キャンセル保険』
『旅行キャンセル保険』-エアトリ-
ネット専用の保険といえば「旅行キャンセル保険」。
正式な名称は「ネット専用旅行関連サービス取消費用補償保険」といいます。
この保険は旅行検索サイト「エアトリ」で販売されており、旅行の申し込み(代金支払い後)をするとマイページから下記期間まで申請できます。
【 申し込み期間 】
旅行代金を支払った日から5日以内、かつ旅行開始日までの残り日数が7日以上
ただし、この『旅行キャンセル保険』は取扱代理店がエアトリとなっているだけで、内容や引受保険会社は後述する『トリップキャンセル』と同じです。
旅行とは別にキャンセル保険だけ申し込みたい場合は、上記エアトリ公式サイトの下部にある外部サイトから申し込むか、同じ保険会社が提供する『トリップキャンセル』に申し込むという方法があります。
契約内容の詳細は『トリップキャンセル』の項をご覧ください。
スカイチケット『国内旅行傷害保険』
『国内旅行傷害保険』-スカイチケット-
他とは異なる補償を行うのが、航空券の検索サイト「スカイチケット」で申し込める『国内旅行傷害保険』。
提供する保険会社はChubb損害保険会社(旧 エース損害保険㈱)で、スイスに本拠地をおくチャブ・リミテッドの日本法人です。
今回ご紹介した他の保険と異なり、旅行先での傷害・死亡を補償する一般的な旅行保険の内容に、航空機の欠航や遅延時の宿泊費が補償されるタイプ(航空機遅延補償)となっています。
【 補償の概要(国内旅行傷害保険) 】
- 当日申し込み可
- 航空機欠航・遅延時の宿泊費補償(1万円)
当日中に代替便が利用できなかった場合に余儀なく宿泊した場合。地震・噴火を除く。
(以下、旅行傷害保険の部分)
- 国内旅行時の傷害保険
ケガによる入院(6,000円)、通院(3,000円)、賠償事故(3,000万円)、死亡(866万円)など - 携行品損害(15万円)
預け入れ荷物の盗難など
注目したいのは、台風・降雪などで飛行機が遅延・欠航し、仕方なくホテルに一泊することになった場合の宿泊費用を補償してくれる点です。
保険料が旅程に細かく応じた金額となっている点も、無駄がなく嬉しいですね。
【 保険料 】
日数 | 1泊2日 | 2泊3日~3泊4日 | 4泊5日~6泊7日 | 7泊8日 |
保険料 | ¥1,100 | ¥1,246 | ¥1,411 | ¥1,800 |
傷害保険に航空機トラブル時の宿泊補償をプラスすることで、さらに安心して旅の準備ができますね。
ただし、注意したい点もあります。
なんといっても当日に申し込めるのはすごい!
飛行機に限らず、幅広い充実した補償が受けられるのが魅力ですね。
保険会社で加入する(旅行と別に申し込む)
旅行の申し込みと別に加入できるのが、多くの種類を取り扱う保険会社の保険。
短期保険の1つとして、旅行にまつわるキャンセル保険を扱っていることが多いです。
キャンセル保険を取り扱っていない旅行代理店の旅行や個人手配でも加入できるのが、一番のメリットです。
『トリップキャンセル』
『トリップキャンセル』-AWPチケットガード少額短期保険-
世界有数の保険会社Allianz(アリアンツ)の子会社であるAWPチケットガード少額短期保険。
そこが提供している旅行のキャンセル保険が『トリップキャンセル』です。
インターネット環境とクレジットカードがあれば、すぐに申し込みできるのが魅力!
【 対象となる旅行 】
募集型企画旅行および受注型企画旅行等を対象にした保険(いわゆるパッケージツアー)
【 キャンセル補償の内容 】
- 本人の入院・通院
- 家族の入院・通院
- 旅行出発日の交通機関の2時間以上の遅延・運休・欠航
- 本人または親族の死亡(親等により適用期間は異なる)
【 保障プラン100% 】
旅行代金(円) | 50,000 | 100,000 | 200,000 | 300,000 | 400,000 | 500,000 | … | 700,000 |
保障の上限(円) | 50,000 | 100,000 | 200,000 | 300,000 | 400,000 | 500,000 | … | 700,000 |
保険料(円) | 1,510 | 2,870 | 5,580 | 8,280 | 10,990 | 13,700 | … | 19,120 |
【 保障プラン50% 】
旅行代金(円) | 50,000 | 100,000 | 200,000 | 300,000 | 400,000 | 500,000 | … | 700,000 |
保障の上限(円) | 25,000 | 50,000 | 100,000 | 150,000 | 200,000 | 250,000 | … | 350,000 |
保険料(円) | 830 | 1,510 | 2,870 | 4,220 | 5,580 | 6,930 | … | 9,640 |
旅行代金に応じて保険料が設定され、補償の範囲も全額と半額が選べるので、少ない負担で不安を取り除くことができますね。
ただし、注意点としては、
が挙げられます。
申し込むタイミングは限られますが、ネットで申し込みできるので早めに検討しておきましょう。
詳細はトリップキャンセル公式ウェブサイトをご覧ください。
なお、トリップキャンセルで適用外となる❝宿泊❞は、『宿泊キャンセル保険』に申し込むことで補償対象となります。
『宿泊キャンセル保険』-AWPチケットガード少額短期保険-
国内・国外のホテルも申し込み可能ですが、宿泊代金を事前決済(クレジットカード払い含む)し、かつ日本円での宿泊代金の領収証が発行される予約であることが前提条件となります。
詳細は、宿泊キャンセル保険 公式ウェブサイトをご覧ください。
ジェイアイ保険『t@biho たびほ』
『t@biho たびほ(キャンセル特約)』-ジェイアイ傷害火災保険-
ジェイアイ保険は、旅行代理店として有名なJTBと、保険会社大手AIGグループが設立した合弁会社。
セットになった保険だけでなく、必要最低限の補償だけのカスタマイズが可能なため、旅行日程によっては最低500円から申し込める低価格が人気です。
実はUniも旅行に行くときはこちらの保険会社を利用していますw
ここの保険には「旅行キャンセル費用補償特約」を付けられるのが特長。
保険料は補償金額に合わせて設定されているので、自分が支払った旅行代金に応じて申し込む方式です。
【 保険料の例 】
保険金額 | 5万円 | 10万円 | 20万円 | 30万円 |
---|---|---|---|---|
保険料 | 210円 | 420円 | 840円 | 1,260円 |
特約は基本の旅行保険に加入することが前提ですが、ジェイアイ保険なら非常にリーズナブルなので、特約を付けても負担が少なくて済みますよ。
AIG損保『旅行キャンセル保険「旅行変更費用補償特約」』
AIG損保 公式ウェブサイト(旅行キャンセル保険)ーAIG損害保険ー
損害保険大手のAIG損害保険が提供するキャンセル保険がこちら。
一般的な海外旅行保険に、オプションとして旅行代金のキャンセル料金を補償する『旅行変更費用補償特約』を付けられるものです。
【 補償内容の例 】
- 死亡・危篤(本人、同行者、本人の配偶者・3親等以内の親族)
- 病気やケガによる入院(本人、同行者、本人の配偶者・2親等以内の親族)
- 家屋・家財が火災・風災・水災などにより100万円以上の損害を受けたとき(本人、同行者)
この特約を旅行保険にプラスしておけば、取り消しによって支払わなければならなくなったキャンセル料を補償してもらえます。
しかも、保険料が安いわりに、大満足の補償額となっているんです。
【保険料と補償額の上限】
旅行日数(例) | 補償限度額 10万円 | 補償限度額 15万円 | 補償限度額 20万円 | 補償限度額 25万円 |
---|---|---|---|---|
5日間 | 290円 | 440円 | 580円 | 730円 |
7日間 | 300円 | 450円 | 610円 | 760円 |
10日間 | 320円 | 480円 | 650円 | 810円 |
14日間 | 350円 | 520円 | 700円 | 870円 |
少ない保険料で大きな安心をプラスできる保険といえるでしょう。
おまけに、旅行だけでなく短期の留学や出張などでの利用もOKです。
ただし、この保険はインターネット契約ができないため、資料請求後、郵送での手続きとなっています。
そのため、申込期間は「出発日の6か月前から10日前まで」。
支払い方法はクレジットカードのほか、銀行振込も可能です。
早めに準備するよう注意しましょう。
東京海上日動『海外旅行保険「旅行変更費用担保特約」』
『旅行変更費用担保特約(海外旅行保険)』-東京海上日動-
東京海上グループの東京海上日動が提供する一般的な海外旅行保険の特約として、キャンセル保険を付けることができるものです。
公式ウェブサイトから取り扱い店舗を検索し、インターネットで簡単に手続きできるタイプです。
これらに該当する場合、出国中止費用や中途帰国費用が規定に基づいて支払われます。
さらに、旅行の途中で帰国しなければならなくなった場合のみに使える『中途帰国費用のみ担保特約』もあり、こちらは出国当日に空港で申し込むことも可能です。
ただし、あくまでも特約なので、メインとなる「海外旅行保険」への加入が必要となります。
ご注意ください。
クレジットカードに付帯するタイプ
旅先でも何かと便利なサポートが受けられるのが、クレジットカードに付帯する保険。
中にはキャンセル保険がセットになっているものもあります。
わざわざ申し込んだり、保険料を支払ったりしなくて済むのが最大のメリット!
そのクレジットカードで旅行費用を決済していることが前提条件ですが、ポイント還元などのサービスもあり、お得に安心サポートを受けられるのが魅力です。
年会費が高額のカードほど補償内容は充実する傾向にありますが、ここでは利用しやすくお手頃なものを紹介していきましょう。
JTB旅カード(ゴールド)
大手旅行代理店JTBが発行する、お得に旅をサポートするカードが『JTB旅カード』。
6種類のうち、ゴールド会員(年会費¥15,000)となる次の2種類のカードには以下のようなキャンセル保険(旅行取消料補償規定)が付帯しています。
- 『JTB旅カード JCB GOLD』
- 『JTB旅カード Visa ゴールド』
【 前提となる条件 】
『JTB旅カード(ゴールド)』でJTBグループ会社が企画・実施する海外募集型企画旅行(いわゆる海外旅行ツアー)で、代金の一部または全額を支払った場合
【 キャンセル補償の内容(ゴールドカードの場合) 】
- 死亡・危篤(カード会員本人・配偶者・3親等以内の親族)
- 病気やケガによる継続3日以上の入院
(カード会員本人・配偶者・2親等以内の親族) - 家屋・家財が100万円以上の損害を受けた場合
(火災・爆発・洪水・風災・雪災など)
【補償の割合】
取消料の80%
ただし、オプショナルツアーや超過手荷物料金、空港税などは補償の対象外です。
なお、ゴールド以外のカードにも、
- 海外旅行保険(自動的にセットされるので、申し込み不要)
- 国内旅行傷害保険(旅行や交通機関などの代金を当カードで支払った場合に適用)
の旅行傷害保険は付帯しているので、一般的な補償はご安心を。
引受保険会社となるジェイアイ傷害火災保険が国内外55都市でサポートしてくれます。
また、保険以外にも特典を受けられるのが、クレジットカードの醍醐味!
「JTB旅カード」の特典には、
など、旅行関連だけでもこれだけあるから驚きですね。
ゴールド以外のカードは年会費¥1,600~¥2,000です。
それぞれのカードの詳細は、JTB旅カード公式ウェブサイトをご確認ください。
TRUST CLUB ワールドカード
大手信託銀行を中核とした三井住友トラスト・グループが提供する「TRUST CLUB カード」。
年会費2,500円~13万円までの幅広いランナップがありますが、今回お伝えしたいのは『TRUST CLUB ワールドカード』です。
『TRUST CLUB ワールドカード』は年会費12,000円ですが、Mastercardなので世界中で利用でき、お目当てのキャンセル保険『キャンセルプロテクション』が付帯しているのです。
【 補償の概要 】
- 死亡・病気やケガによる入院(カード会員本人、配偶者、1親等以内の親族)
- 病気やケガによる通院(カード会員本人、配偶者、子。限度額3万円)
- 補償限度額:年間合計10万円まで
【補償の割合】
キャンセル1回につき、払い戻しを受けられなかった費用(支払った費用)から、カード会員の自己負担額(1,000円またはキャンセル費用の10%のうち、いずれか高い額)を差し引いた金額が補償される。
『キャンセルプロテクション』が適用となるには、代金を『TRUST CLUB ワールドカード』で支払うことが条件です。
ここで注目したいのは、このカードの補償範囲!
なんと旅行だけではないんです。
【キャンセル補償の範囲】
- 国内旅行、海外旅行
- ホテルなどの宿泊やそれに付帯するサービス
- 航空機、船舶、鉄道、自動車等の旅客
- 宴会、パーティなど
- 運動、教養等の趣味の受講など
- 演劇、音楽、美術、映画等の公演、上映、展示など
このように、イベントまで含めた幅広い補償が用意されているのはとても珍しいです!
旅行にまつわるキャンセル保険が多い中、「そんなに頻繁に旅しない!」という人でも大活躍。
例えば地方在住で、都内などのコンサートに行く機会が多いという人なら、旅費もチケット代もまとめて補償してもらえるわけです。
様々なニーズに応えるカード付帯保険といえるでしょう。
さらに『キャンセルプロテクション』とは別に、一般的な旅行傷害保険(国内・海外)、購入商品補償保険(バイヤーズプロテクション)なども付いています。
もちろん、利用すればするほどポイントが貯まり、『TRUST CLUB ワールドカード』の場合は通常のショッピングでも「100円=3ポイント」の高い還元率になっています。
この点も見逃せませんね!
キャンセル保険で気を付けたいこと
このように、旅行にまつわる急なキャンセルを補償してくれるキャンセル保険ですが、利用にあたっては注意しなければならない点もあります。
まず、前提として、「興味がなくなった」「行きたくなくなった」など、完全なる自己都合でのキャンセルは補償外です。
病気やケガ・交通機関のトラブルなど各保険の規定にある正当な理由がなければなりません。
さらに、補償の対象となっていても、
などの場合は全額補償ではなかったり、保険が適用されなかったりすることもあります。
この記事では約款などから概要を抜粋して紹介していますが、変更になることもあるので、必ず公式ウェブサイトでチェックしてくださいね。
その他の特記事項としては、
- インターネットで申し込むタイプは、保険証券や約款は手元に届かず、サイト内のマイページなどで閲覧するタイプが多い。
- クレジットカード付帯のキャンセル保険は、そのカードで旅行代金などを支払うことが条件であることが多い。
なども挙げられます。
また、本人以外がキャンセル保険への申し込みを知らないと請求できない事態もありえますね。
家族に周知しておいたり、保険証券をプリントアウトして旅程表などと一緒に預けたりなどの措置をしておくことをおすすめします。