タクシー相乗りが違法とされていたのは昔の話。
ついに相乗り制度が解禁となり、国が料金の按分法などモデルケースを提示して、より具体化したんです!
ただし、これに則ったサービスが実現するにはもう少し時間がかかるかも。
…というわけで、今回は今すぐ使える相乗りタクシーとマッチングサービスをまとめて紹介!
アプリで簡単に相乗り相手を探せるものや、定額制、シャトルバス風のものまで便利なサービスが勢ぞろいです。
日常やビジネスだけでなく、旅行時に使えるサービスもあります。
ぜひご覧ください!
タクシーの相乗り規制緩和とは
天気の急変や電車の運行遅延などがあると、毎回のようにニュースになるのが❝タクシー乗り場の長蛇の列❞。
そんなときに「使える!!」と話題になったのが、タクシーの配車アプリです。
でも、タクシーの数には限りがあるため、乗りたい人が1台ずつ手配していると結局❝配車待ち❞の状況になってしまいますね。
そこで活用したいのがタクシーの❝相乗りサービス❞。
目的地が同じ方面の人同士を乗車前にマッチングさせ、1台のタクシーに乗り合わせるサービスです。
実はタクシーの相乗りは最近まで違法とされていました。
これは道路運送法という法律で❝1回の運送につき1つの運送契約を結ぶ❞というタクシーの原則があったからです。
どういうことかというと、例えばタクシーの運転手は、1回の運送で複数の乗客から別々に運賃を受け取ることができません。
そのため、1回の運送で乗せられるお客は1人または1グループで、代表者1人が運賃を払うようになっているのです。
しかし、混雑緩和やSDGsへの取り組み、また、実現はしなかったものの『東京オリンピック2020』での海外旅行客への利便性を図るなどのメリットを見据え、タクシーの相乗りの実証実験や法整備が行われてきました。
そしてついに、国土交通省より通達が公布され、2021年11月からタクシーの相乗りが規制緩和となったのです。
※ 国土交通省プレスリリースより
…とはいえ、完全なモデルケースがあるわけではなく、すでに利用されている❝配車アプリ❞を活用するのが現実的なよう。
そこで、次項から相乗りするメリット・デメリットや、相乗りができるおすすめ配車アプリを紹介したいと思います!
相乗りタクシーの仕組みと料金
相乗りというと路線バスが代表格ですが、不特定の客が不特定の停留所で乗り降りするバスとは異なり、相乗りタクシーにはいくつかのルールがあります。
基本的には、こんな感じです。
問題になるのは、❝どのように乗車料金を配分するか❞ですね。
ほとんどは次の計算をし、乗り合わせた人それぞれが負担する金額を決めています。
《支払金額の計算方法》
自分の支払額=タクシーへの総支払額 × 自分の乗車距離 ÷ 相手と自分の乗車距離の合計
前述の制度では❝原則として乗車距離に応じて按分すること❞されているため、国土交通省の案でもこの計算式を使用して下記の想定が示されています。
より具体例が表されているので、見てみましょう。
【乗車例】
Aさんの乗車距離:15㎞
Bさんの乗車距離:10㎞
利用距離合計(Aさん+Bさん)=15+10=25km
利用料金(タクシーに支払う総額)=5000円
⇩
Aさんの支払額=5000円×15㎞÷25㎞=3,000円
Bさんの支払額=5000円×10㎞÷25㎞=2,000円
このように重なる区間があってもそれぞれが乗車した距離で計算するところがポイントです。
ではどのくらい安くなっているのか同じ例で見てみましょう。
この場合、タクシーが走った距離15㎞の乗車運賃が5,000円ですから、1㎞あたりの運賃は333円(5000÷15より)となります(初乗り運賃などは無視しますね)。
相乗りしないで利用すると、
Aさん:乗車距離15㎞なので、15㎞×333円=5,000円
Bさん:乗車距離10㎞なので、10㎞×333円=3,330円
となりますから、
相乗りしてお得に利用できた金額は、
Aさん:5,000円-3,000円 = 2,000円安い
Bさん:3,330円-2,000円 = 1,330円安い
となります。
1,000円超えると大きいですね!!
タクシー利用へのハードルがかなり下がった気がします(^-^)
デメリット・注意点と対策
お得にタクシーが利用できる相乗りサービスですが、当然、1人で乗車する場合には起こりえない問題も発生します。
どんなデメリットや注意点があるのか見てみましょう。
もう少し具体的に問題点を見ていきましょう。
まず、名前や顔、乗降地が相乗り相手にわかってしまうため、プライバシーが保てないデメリットがあります。
個人情報や勤め先・自宅など生活圏が知られるのは、あまりいい気がしないかもしれません。
ですが、実は一長一短あります。
リスクがある一方で、犯罪の抑止力にも繋がるからです。
相乗り用アプリによっては銀行口座を事前登録するため、アプリ運営側に素性を把握されていることになり、まったくの❝通りすがり❞ではなくなります。
性別や年代などで相乗り相手を選ぶこともできますね。
乗降地がわかってしまうのは仕方のない部分ですが、自宅や勤め先で乗り降りしたい場合は、最寄りの駅や交差点など少し離れた場所を指定することでリスクを軽減することが可能です。
特に女性や高齢者は気をつけましょう。
また、途中で乗り降りする人がいたり、それぞれの乗降地まで多少の回り道をしたりするため、最短ルートで行く場合より余計な時間がかかる面もあります。
しかし、タクシーを探したり乗り場で待ったりする時間や手間を考えれば、この点はデメリットにはならないかもしれませんね。
さらに、同乗者が決まった後で目的地やルートを変更することはできません。
急なキャンセルにも対応できないのが一般的です。
当然のことながら、相乗りの対象者は最終目的地やそこに至るまでのルート上で乗降したい人です。
そして、出発地と最終目的地の距離をマップ上で計算し、それぞれが利用した距離に応じて支払額を割り出します。
そのため、相乗り相手や料金に影響する変更はできない仕組みになっています。
このように、1人で乗車する場合と異なり、デメリットや不自由な面があることも事実。
ですが、前項のようにかなり安くタクシーを利用できることも事実です。
デメリットを理解して、上手に利用していきましょう。
相乗りアプリ おすすめ4選
相乗りタクシーの制度化はまさに始まったばかり。
ですが、エリアや目的地を絞って運用を始めているサービスもあります。
ニーズが合えば、お得に利用できること間違いなし!
ぜひ検討してみてください!
AINORY(アイノリ―)
相乗りしたい人のマッチング&配車アプリと言えば『AINORY』。
最も注目を集めているアプリではないでしょうか。
2020年2月より都内最大級のネットワークを誇るアプリ『S.LIDE(エスライド)』と提携したことで、配車まで一貫して行えるようになりました。
基本的な使い方は前述の例と同様で、出発地と目的地から複数の利用希望者をマッチングさせ、最適ルートを自動で導き出します。
相乗りする人が互いのプロフィールを確認したうえで承認できる制度も安心感がありますね。
料金は乗車距離に応じて割り勘するする仕組みで、お得なルートを利用する相手を選ぶこともできますよ。
※ 当日の運行状況により、支払額が変動する場合あり。
乗車賃を決済するシステムはない(2022年1月現在)ので、最後に降りる人が代表してまとめて支払うようにします。
ほかの乗客は乗車前に代表者に現金などで支払っておくのがマナーです。
nearMe.(ニアミー:タクシーシェア)
『near.Me』は様々な用途の❝相乗り❞を提供するサービス。
アプリ内にはタクシーシェアのほか、後述する空港送迎の配車&シェアサービス『nearMe.Airport』もあります。
ここではnearMe.の❝タクシーシェア❞機能について紹介しますね。
基本的な使い方は前述の国土交通省案や『AINORY』と同じ。
同じ方面に行きたい人を探してマッチングし、相乗り相手を選んでタクシーシェアを依頼。
成立すれば運賃を距離で案配し、通常より割安でタクシーに乗れるサービスです。
『AINORY』と大きく異なるのは、アプリ内で決済できる点。
先に降りる人(ライドメンバーと言います)は自分の乗車分をアプリに登録したクレジットカードでAINORYへ支払い、運転手へは最後に降りる人が立て替える形で全行程の運賃を支払います。
立て替えた分は後日、最後に降りた人の登録済み銀行口座に振り込まれるという仕組みです。
また、『NeaMe.タクシーシェア』には配車機能がないため、相乗り相手と合流してからタクシーを拾うか、最後に降りる人が予め手配しておかなければなりません。
配車の手間はありますが、決済がアプリで完結するため、当日に運賃の受け渡しが不要というのはトラブル回避となる安心感がありますね。
スマートなタクシーシェアの代表格と言っても良いでしょう。
nearMe.Airport (ニアミーエアポート)
空港に安く行きたいなら断然『nearMe.Airport』がおすすめ!
すでに利用者が2万人を超える実績の空港送迎サービスです。
エアポートリムジンなどもありますが、そのバス停まで行くのが大変…という経験はありませんか?
その点、『nearMe.Airport』なら家の前から乗り込むことも可能(プライバシーの問題はありますが)!
サービス対象エリアからの利用のみとなっていますが、スーツケース1人1個まで無料というのも嬉しいですね(追加はエリアによって1個あたり300~1,000円)。
行き先は下記の空港。
対象エリアからの料金と追加料金も併せて紹介しておきましょう。
乗降地が対象エリアかどうかは申し込みフォームに入力したときに判定されるので、試しに打ち込んでみるのがおすすめ!
ちなみに、12歳未満の子供でチャイルドシートが必要な場合に料金がかかります。
6歳未満の乳幼児で、大人が抱っこして乗車できる場合は無料です!
北海道から沖縄まで網羅しているので、主要都市と空港間のアクセスに使えます。
サービスは順次拡大しているので、最新情報は公式サイトをチェックしてください!
嬉しいことに、羽田・成田空港の場合、家族や同僚など3人以上のグループで予約するとグループ割が適用に!
1人あたり500円引きになるので、お得ですね。
キャンセルも乗車の48時間前まで無料というのもポイント!
ビジネスでの利用はもちろん、赤ちゃん連れなど移動が大変なファミリー層にもおすすめです。
mobi(モビ)
ここまで紹介したアプリと異なり、❝定額制の乗り放題(サブスク)❞で利用できる相乗り送迎サービスが『mobi』。
スマホのアプリだけでなく、電話でも配車できるのが特長です。
運転手はエリア専属なので安心感アップ!
子供や高齢者だけでも乗れるので、習い事や通院などの送迎にも大活躍!
もちろんビジネスでの利用もOKです。
利用エリアは今のところ下記のみですが、なんと海外でも利用できます!
出張や長期の旅行など、慣れない土地での移動も楽に済ませられますね。
- 東京都
・渋谷区の指定エリア(JR渋谷駅・原宿駅周辺から代々木上原駅方面)
・豊島区の指定エリア(東池袋・大塚駅周辺):サービス開始予定 - 名古屋市
千種区・昭和区・中区の一部 - 京丹後市
峰山町・大宮町の一部 - シンガポール
シンガポール川周辺からフォート・カンニング駅、シャングリラ・シンガポール周辺エリアなど - ベトナム
ハノイ指定エリア(Cau Giay、Ba Dinh、Kim Maエリア):実証実験中(無料で利用可)
家が指定エリア外でも、対象エリアに定期的に利用する出発地と目的地が含まれるなら断然お得…というわけです。
気になる利用料ですが、日本国内の場合、1人あたり30日間 5,000円。
…ですが、家族なら500円プラスするだけで30日間乗り放題にできるんです(家族オプション)。
例えば、親子2人で利用するとしたら、1人2,750円。
家族3人で申し込んだら、1人あたり2,000円で快適な移動ができちゃうわけです。
まだまだ利用エリアが限られますが、自家用車を持たない都市部や交通弱者ともいえる子供や高齢者などの需要が見込まれますね。
おまけ:利用者募集中!nearMe.Town(ニアミー タウン)
『nearMe.Town』は大型タイプのシェアタクシー。
前述の『nearMe.』が展開する、相乗りシャトルの都心版です。
利用エリアは、今のところ
中央区、千代田区、港区、江東区の一部エリア(2022年1月時点)
ですが、順次拡大予定!
現在は利用登録者の募集期間中で、LINEアプリから登録すると❝最大2回使える50%OFFクーポン❞がもらえます。
運用開始時にはすぐに案内がもらえるので、お得なクーポンがもらえるうちに登録しておいてはいかがでしょうか?
※ 最新情報は各公式サイトでご確認ください。