コアラを抱っこできない?入国厳しい?オーストラリア旅行はココに注意!

海外旅行先として常に上位にランクインするオーストラリア。
ダイナミックな大陸と自然の織り成す絶景、それに培われた独自の生態系、さらに、イギリスの影響を受けた美しい街並み…と幅広い魅力がたっぷりあります。
時差が小さいうえに季節が真逆の南半球にあり、かわいいコアラやカンガルーに会える人気の旅行先でもありますが、楽しい旅のためにはちょっとした予備知識も必要です。
また、物価が高くて驚く人もいるほどですが、ものによってはお得なことだってあります。
ここでは、オーストラリアを旅行する際に知っておきたい注意点について紹介していきます。
物価が高い
オーストラリアを旅行していて驚くのが「物価の高さ」。
実は「世界生活費ランキング(英国EIU)」10位には大都市シドニーがランクインしています。
なんとニューヨークよりも物価が高いんですね。
具体的に比べてみると、
- カフェのサンドウィッチ単品が8豪ドル(640円)前後
- ランチで15~30豪ドル(約1,200~2,400円)
- ディナーコースで50~70豪ドル(約4,000~5,600円)
と目を見張る金額に!

コンビニのミネラルウォーターも1本4~5豪ドル(320~400円)で普通に売られています。
日本人の感覚からすると、3~4倍といった感じですね。
買うならスーパーマーケットの方が安くておすすめです(日本と同じw)!
このように、ワンコインでお弁当が食べられる日本とはだいぶ事情が異なります。
物価が高い傾向はシドニーやメルボルン、ブリスベンなどの大都市圏や観光スポット周辺で顕著なので、心得ておくと良いでしょう。
なお、物価高の背景には、オーストラリアの人件費の高さがあります。
アルバイトの時給が2,000円近くと聞けば、商品の値段がこんなに高いのも納得です。
また、加工品は輸入に頼っているため、スナック菓子やレトルト食品などは割高感があります。
一方で日本より安いものも。
例えば、
- ビールの中ジョッキが5豪ドル(約400円)
- カプチーノは3豪ドル(約240円)
とお手頃価格。
また、牛肉や野菜・果物など食材そのものは日本より安いものが多いので、ロングステイなら外食を少なめにして自炊すると、食費をだいぶ抑えられますよ。
一方、ブランドグッズも免税価格で買える点を除けば、大きなお得感はありません。
ただし、オーストラリア製のコスメは割安です。
オーガニックなどにこだわったブランドもあり、バラマキ土産におすすめです。
ホテル代は部屋単位
オーストラリアを含め、海外の宿泊料金は「1部屋あたり」で設定されているのが普通です。
そのため、複数人で1部屋を利用すれば、宿泊費をだいぶ抑えられるというわけです。
そうはいっても、やはり諸外国と比べて決して安いとは言えないのがオーストラリアのホテル代。
1泊の宿泊費は1部屋あたりこんな感じです。
- スタンダード:100~200豪ドル(約8,000~16,000円)
- スーペリア:200~300豪ドル(約16,000円~24,000円)
- デラックス:300豪ドル~(約24,000円~)
2~3人で一緒に泊まれば、日本よりも安くなるか同じくらいといった印象ですね。
パック旅行だと気がつきにくいですが、個人で旅行を手配するなら、家族や友人と同室に宿泊するとお得に旅行できますよ。
ただし、海外では友人・親子は1人1部屋が基本。夫婦なら1台のベッドで寝るのが当たり前です。
日本のように、1部屋にベッドが2台入った「ツインルーム」という概念はなく、1部屋を二人で使うという意味合いになることが一般的なので注意しましょう。
エキストラベッド(ロールアウェイ)を入れる場合は、チャージを取られることもあります。
観光の制限がある
独立した大陸から成るオーストラリアには、ここにしか生息しない動物や植物、独特の文化など、珍しいものがたくさんあります。
それを目当てにオーストラリアを訪れる人が多いのですが、あまりに観光客が多いと、それ自体が思わぬ弊害を生むこともあり、当局が観光に制限を設けているものもあります。
代表的なものは次の3つです。
コアラの抱っこ

オーストラリアと言えばコアラ!観光の目玉と言えるでしょう。
ぬいぐるみのように愛らしいコアラを抱っこするのを旅の目的にする人も多いですね。
ところが、オーストラリアのどこででもコアラを抱っこできるわけではありません。
例えば、シドニー、メルボルンなどの都市では、見ることはできても抱っこできる施設はないのです。
実は、コアラはとてもデリケートな動物。
人間と過度に接触していると、大きなストレスを受けるため、州政府が抱っこを禁止していたり、時間制限を設けていたりするのです。
さらに、抱っこのできる州の中でもコアラのいる施設すべてで許されているわけではありません。
コアラを抱っこしたいのなら、抱っこ可能な施設をしっかり調べていくようにしましょう。
中でもアクセスしやすいクイーンズランド州には、コアラを抱っこできる施設が多くあるので、紹介しますね。
ブリスベン近郊
- ローン パイン コアラ サンクチュアリ(Lone Pine Koala Sanctuary)
世界一のコアラ飼育数。
いつでも抱っこ可能だが、人数の上限に達した時点で中止となるので予約がおすすめ。
- オーストラリア動物園(Australia Zoo)
時間限定(1日2回程度)なので予約がおすすめ。写真撮影やデジタルダウンロードも可能。
コアラ以外の動物との触れ合いなど、幅広く楽しめる。
ケアンズ近郊
- ケアンズ ズーム&ワイルドライフドーム(Cairns ZOOM & Wildlife Dome)
もっともアクセスがよく、ケアンズ市街地のホテルから徒歩圏内にあるのが魅力。
1日8回程度の写真撮影チャンスがある。
ホテルの屋上にあり、種類は多くないがオーストラリアの代表的な生き物はほぼ見られるので、コンパクトに周りたい人に超おすすめ。アクティビティもあり。
- カランビン野生動物保護園(Currumbin Wildlife Sanctuary)
開園から昼過ぎくらいまで、毎日抱っこ&写真撮影可能(園のロゴ入り写真)。
抱っこできるのは1人だが、1回の料金で4人程度一緒に撮ってもらえるのがおすすめポイント。
アボリジナル・ピープルの文化や動物飼育員のトークなど、ショーの多さも魅力。
- レインフォレステーション・ネイチャーパーク (RAINFORESTATION NATURE PARK)
現在、ガイド付きツアーを予約した人のみ撮影可能になっている模様。
これらクイーンズランド州以外でコアラが抱っこできる州は、パースがある西オーストラリア州、アデレードがある南オーストラリア州だけです。
カンガルーは触れ合えるところが多いですが、コアラ抱っこを狙うなら、旅行先をよく検討するのがおすすめです。
グレートバリアリーフの保護
世界有数の美しいサンゴ礁が見られるグレートバリアリーフはダイバーに人気のスポット。
シュノーケリングでも十分に楽しめるほど、美しい魚たちが待っています。
しかし、この海を守るために、オーストラリア当局は様々な制限を設けているのが現状。
観光スポットや島によっては人数制限があり、立ち入り禁止区域を示すロープなどが張られているところもあります。

また、サンゴのかけらや砂・貝などの持ち出しは一切禁止。
空港で見つかると多額の罰金を支払うことになりますから、絶対に持ち出さないように!
魚や鳥への餌付けも禁止されていることがありますから、勝手に行わないようにしましょう。
ウルル(エアーズロック)への立ち入り
オーストラリア中央部にある、巨大な1枚岩「エアーズロック」。
先住民族アボリジニの言葉では「ウルル」と呼ばれ、最近ではこちらを耳にすることも多いと思います。
世界遺産でもあるウルルですが、実は2019年10月26日より登山禁止となり、永遠に閉鎖されました。

その大きな理由は2つ。
1つ目は、ウルルがアボリジナル・ピープルにとって“聖地”であること。
ウルルに対して何の敬意も払わない観光客が少なからずいることに、アボリジナル・ピープルは心を痛めてきました。
聖地であるウルルは、彼らの間でも日常的に立ち入りが許されていない神聖な場所。
なのに、それを踏みにじる観光客が無制限に立ち入ることは避けるべき、というアボリジナル・ピープルの文化を尊重した結果なのです。
2つ目は、荒天が多く、事故の危険性がある点。
高さは350m程ですが、ウルルの登山道は鎖を辿って登るような急斜面のうえ、非常に滑りやすく、気温が45℃を超えることもある乾燥地帯です。
このため、滑落や脱水症状などで1950年代以降、数十人が死亡しているという事実があります。
天候が悪いと登山ツアーは中止となりますが、無理する観光客もいるため、登山自体が禁止となったわけです。
しかし、登山はできませんが、麓から眺めるウルルの姿が偉大であることに変わりはありません。
ウルルがある「ウルル・カタ・ジュタ国立公園」にはアボリジナル・ピープルの文化に触れられる「カルチャーセンター」があり、ワークショップやウォーキングツアーも開催され、ウルルや彼らの文化を楽しむことができます。
検疫が厳しい
他の大陸から隔絶しているオーストラリア大陸と周辺の島々は、生物学的にも貴重なエリア。
有袋類として有名なコアラやカンガルー、卵を産む哺乳類のカモノハシなど、オーストラリア固有の生物は多く、独自の生態系をしっかりと守るべく、政府当局は様々な防衛手段を講じています。
その中でも特筆すべきなのは、検疫の厳しさ。
特にオーストラリア国内へと持ち込まれる物品は、旅行客の荷物を含め、細かいチェックを受けます。
このため、オーストラリア方面への旅行時は、荷造りのときから注意しておきましょう。
詳細は
オーストラリア大使館の検疫サイト
をご覧いただくと掲載されていますが、ここでは少々かみ砕いて紹介していきますね。
まず、入国時に記入する「入国カード」の該当欄に、
- 動物・植物でできた物品(装飾品含む)
- 特定の食品(例:乳製品、魚・魚製品、蜂蜜、肉・肉製品等)
を持ち込む場合は申告が必要です。
申告するものを何も持っていない旅行者はいないんじゃない?というレベルなわけです。
だって、バッグや財布・靴などの皮革製品や木製品を一つも持たない…って難しいですよね?
ちなみに、三味線や和太鼓のような楽器も対象です。

対象かわからないときは、とりあえず申告しておくのがオーストラリア入国時の鉄則!
持ち込むこと自体が違法なのではなく、きちんと申告すれば持ち込めるものもありますし、NGならそこで放棄すれば良いのです。
一方、無断で持ち込み発覚した場合は罪になりますので、ご注意を。
医薬品も申告しておいた方が良いでしょう。
なお、完全に火の通った食品の市販品なら申告の必要がありません。
例えば、コンビニなどで売られている
- 箱入りのクッキー
- ポテトチップスなどのスナック類
- 植物性原料のみのインスタントラーメン
などは申告不要ということです。
持ち込める物品、持ち込めない物品の範囲については、以下も参考にしてくださいね。
持ち込めるものの例
- 肉製品
常温で6ヶ月以上保存可能な市販の缶詰、レトルト、瓶詰
※肉のかけらおよび牛脂・豚脂(ラード)などの動物性油脂が含まれた肉エキス・ブイヨンは持ち込めない(カレー・シチューのルーは要注意) - 魚
常温保存可能(加熱滅菌されたもの)な市販の缶詰・レトルト・瓶詰・魚由来のだしなどはOK。
ただし、頭と内蔵が付いていないこと。
※切り身・塩漬け・乾燥・燻製などの高度な加工品は、サケ科であれば加熱滅菌されていないものもOK。
※市販品で未開封の魚卵(明太子、キャビアなど)は、サケ科以外であることが明記されていればOK。 - 野菜・果物・穀物・ナッツ
- ドライフルーツおよび乾燥加工した野菜(種、根、皮などを含まず、申告のうえ検査で問題がなかったもの)。
- 製粉されたもの(大豆、小豆、胡椒など)
- 米ぬか
- 精米(未開封の市販品、10㎏まで)
- 緑茶(製茶)
- 市販の加工(ローストなど)・包装されたナッツ
- バラ、カーネーションの切り花
持ち込めないものの例
- 上記以外の肉製品(生、冷凍、薫製・塩漬け・保存肉などの加工品も含む)
例:サラミ、ソーセージ、ラード、魚肉ソーセージ
- 生・冷凍(未調理)および種、根、皮のついた野菜・果物
- 乾燥した豆・穀物(玄米含む)で未調理のもの
- 生きている動植物
切り花や種子も含め、種類ごとに規制あり。
(持ち込み不可の例:ユリ・菊などの切り花)
※ペットの犬・猫は別途手続きすれば可
- 動植物製品
ドライフラワーの一部、原料が特定できないもの。
※動物由来の装飾品、木製の食器や工芸品、麦わら製品、漆製品などは申告の必要あり。
- 土・砂
砂や岩、化石は無機物のみであることが確認できれば持ち込み可。
おわりに
人気のあるオーストラリアは❝世界でここだけ❞の思い出が作れる特別な国。
コアラの抱っこ、世界遺産のウルルやサンゴ礁、フレンドリーなオージーたちとの触れ合いなど、楽しみが待っています。
でも、初日から空港の検疫で嫌な思いをしたり、期待していたアクティビティが実現できなかったりしたら、とても残念ですよね。
オーストラリアは特別な国だけに、特別なルールで守られていることを理解して行けば、楽しい思い出いっぱいで終わらせることもできます。
この記事をご参考に、素敵なオージーライフを満喫できるようお役立てくださいね。

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