海外旅行に行ってお土産を買うとき、ぜひおすすめしたいのが❝本❞。
現地の言葉で書かれた本はたとえ読めなくても良い思い出になるので(笑)、当サイト管理人Uniは必ず本屋さんに立ち寄ります。
そして感じたのが「本屋さんはその街を映す鏡である」ということ。
歴史や文化・流行りものなどの情報が、本屋さんに行くと見えてくるのです。
それは佇まいや雰囲気からも感じ取れるもの。
そこで、今回は世界中から選りすぐった管理人Uniのおすすめと、行ってみたい本屋さんのリストをご紹介したいと思います!
この街に行ったら、ぜひ立ち寄ってみてください!
- ハッチャーズ (Hatchards):イギリス
- シェイクスピア・アンド・カンパニー(SHAKESPEARE AND COMPANY):フランス
- ブクハンデル・ドミニカネン(Boekhandel Dominicanen):オランダ
- レロ書店(Livraria Lello & Irmão):ポルトガル
- クック&ブック(Cook & Book):ベルギー
- アトランティス・ブックス(ATLANTIS BOOKS):ギリシャ
- ラスト・ブックストア(The Last Bookstore):アメリカ
- エル・アテネオ・グランド・スプレンディッド(El Ateneo Grand Splendid):アルゼンチン
- ブック・ストリート(Đường sách/Book Street):ベトナム
- 鍾書閣(Zhongshuge Bookstore):中国
ハッチャーズ (Hatchards):イギリス
まずは、こちら。
英国王室御用達の書店「ハッチャーズ」をご紹介しましょう。
1797年創業のこの店は、イギリスで最も古い書店として知られています。
ロンドンで一番賑やかなエリア❝ピカデリーサーカス❞に建ち続け、老舗にふさわしい外観を備えているハッチャーズ。
店内にはヨーロッパ諸国の王室が選んだという本も販売されており、選書の格も流石というところ。
もちろん普通の書籍や児童書もたくさんあります。
ソファに座ってゆっくり選ぶこともできますよ。
イギリスで王室御用達の店というとかなり敷居が高いですが、本屋さんなら気軽に入れるので嬉しいですね。
入口にある❝王室御用達マーク❞もお見逃しなく!
店内には著名人のサインもあるので、買わなくても入る価値ありです。
『ハリーポッター』の原作者J・K・ローリングや、❝鉄の女❞と謳われたマーガレット・サッチャー元英首相、生き物好きには有名なアッテンボロー博士などのサインが置かれています。
さらに、是非ご覧いただきたいのが、4階まで吹き抜けになっている店内の階段。
また、本を買うと栞がもらえるのですが、これが金色で何とも格調高いんです。
The Guardian紙(イギリス)の『The world’s 10 best bookshops』に選ばれたこともある素敵な本屋さんなんですよ。
近くには紅茶で有名な「フォートナム&メイソン」があるので、併せてどうぞ!
シェイクスピア・アンド・カンパニー(SHAKESPEARE AND COMPANY):フランス
フランスを代表する有名な本屋さん「シェイクスピア・アンド・カンパニー」。
パリ5区にある老舗の書店です。
ノートルダム大聖堂のすぐ近くなので、観光のついでにも寄り易いですよ。
英米文学の専門店として1919年にオープンしたのが始まりで、現在は2代目。
冒頭で❝現地の言葉で書かれた本は良いお土産になる❞と書いたのに「フランスで英米文学!?」とお叱りを受けそうですが、それでもこの書店をおすすめする理由があります。
それは、ここで本を購入したときに押してもらえるスタンプ!
シェイクスピアの顔のスタンプを、その場で本にポンッと押してもらえるんです。
スタンプにある「KILOMETER ZERO PARIS」とはパリの中心地を示す道標で、これが書店の近くにあることに由来しています。
最高の旅の記念になると思いませんか!?
中は雑然と(失礼!)していて、古本屋さんのよう。
宝探し気分でお気に入りの一冊を探してみてください。
店舗では詩の朗読会なども行われていますよ。
ブクハンデル・ドミニカネン(Boekhandel Dominicanen):オランダ
高い天井とそこに描かれたフレスコ画、美しい窓、石造りの重厚な壁…本屋さんとは思えない、荘厳な雰囲気を漂わせているのが「ドミニカネン書店」。
この本屋さん、もともとは13世紀にゴシック様式で建てられたドミニコ会修道院だったんです。
その証拠(?)に、床には墓石が残っているんですよ。
18世紀終盤にはすでに教会として機能しなくなったそうで、その後は自転車置き場や倉庫など、様々な用途に用いられてきました。
そして、2006年、現在の書店としてオープンしたんです。
なので、建物としての歴史はありますが、書店としては新しいんですね。
ところが、前述の『The world’s 10 best bookshops』で取り上げられ、一躍有名になりました。
オランダの南部、ベルギーとの国境近くにある街・マーストリヒトにあるので、メインの観光ルートからは少々逸脱しますが、現在は年間70万人もが訪れる人気のスポットになっています。
何度か経営母体が変わったため、「セレクシーズ・ドミニカネン」「ポラーレ・マーストリヒト」と呼ばれることもありますが、同じ書店のことですよ。
面白いのは何種類もの言語の本が置かれていること。
国境近くの街にふさわしいラインナップです。
中に入ったら3階に上がって、17世紀に描かれたという天井画も眺めてみてくださいね。
外壁の持つ重厚な雰囲気とは裏腹に、内装や書店としての機能はしっかり現代風。
書籍だけでなくCD/DVDなどのデジタル版も置いてあります。
また、奥には地元のカフェが入っています。
上の階に上がって、カフェを見下ろすとテーブルが十字架型になのがわかりますよ。
建物の外観は教会そのものなので、うっかり通り過ぎないように!
❝書店❞を表す25か国語で装飾されたドアの周りにもご注目くださいね。
また、下記の公式サイトから❝3Dツアー❞もできるので、バーチャル旅行もできます!
ぜひご覧ください!
レロ書店(Livraria Lello & Irmão):ポルトガル
ゴシック様式の外観と、目を見張るほどの美しいステンドグラスで彩られた、1906年創業の書店。
ポルトガル第2の都市ポルトの世界遺産歴史地区の一角を成しています。
前述の『The world’s 10 best bookshops』に掲載された書店ですが、この書店を知らなくても、多くの人が「見たことがある」と思う光景があります。
それが店内にある通称❝天国への階段❞と呼ばれる階段。
そう、この階段は映画『ハリーポッター』の魔法学校にある動く階段のモデルになったと言われているんです。
…というのも、原作者のJ・K・ローリングがポルトに住んだことがあり、その時にこの書店を訪れてイメージを膨らませたのでは…と噂になったんですね。
緩やかな曲線を描く階段の裏側にも見事な細工が施され、その優美さはうっとりするほどです。
ただし、入店料が必要。
観光客が大勢訪れ、本来の業務に支障が出るようになってしまったからだそう。
入店料はすぐ近くの土産物店で支払い、バウチャー(予約・支払済み証明書)を受け取って店舗で見せるシステムですが、下記公式サイトからオンラインでも支払い手続きができます。
代金は1人(4歳以上)5ユーロ。
3歳以下は無料の幼児用バウチャーと、年齢を確認できる証明書の持参が必要です。
でも、書籍を購入すれば入店料分を差し引いてくれますよ。
それでもツアー客が頻繁に訪れ、外に入店待ちの列ができるほどの人気ぶり。
個人旅行なら夕方以降に行くのがおすすめですよ。
クック&ブック(Cook & Book):ベルギー
こちらは天井に無数の本がディスプレイされている斬新な本屋さん。
ベルギーの首都ブリュッセルにある「クック&ブック」をご紹介します。
それだけではありません。
その名の通り、料理と本が共存している店なんです。
日本でもカフェが併設された書店は珍しくありませんが、ここはスケールが違います!!
本のコーナーごとに部屋が分かれており、それぞれに凝ったディスプレイがされていて、イート・イン・コーナーでは料理を楽しめるんです。
特にブリュッセル南東にあるWoluwe-Saint-Lambert店は広くておもしろい!!
A・Bの2ブロックに分かれていて、どこも趣向を凝らした部屋と、その雰囲気にあったテーブル席があります。
例えば、美術関連の部屋はモダンなアート風。
音楽関連の部屋は大人っぽくライティングされて、バーカウンターでお酒が飲める、などなど。
また、同じくブリュッセルにあるUccle店は、児童書が多いので子連れ旅行におすすめ。
店内の床の一部が透明になっていておもちゃの汽車が走り抜けたり、ぬいぐるみで作られたイスがあったりと、本気のディスプレイに脱帽…。
遊具もあるので、親もじっくり腰を据えて本探しに勤しめます。
他にもあるので、興味のある方は下記サイトでバーチャル観光ができます。
ぜひぜひ、いろんな部屋をのぞいてみてくださいね!
アトランティス・ブックス(ATLANTIS BOOKS):ギリシャ
こちらも『The world’s 10 best bookshops』に掲載され、有名になった本屋さん。
なんと酔っ払った2人のイギリス人大学生が2004年に開いたという、風変わりないきさつがあります。
その突拍子もないアイデアから生まれた「アトランティス・ブックス」が建つのは、エーゲ海に浮かぶサントリーニ島。
そう、白い壁と青い屋根の教会で有名な、あの島です。
そのため❝世界一ロマンティックな場所に建つ本屋さん❞としても有名です。
この本屋さん、島にあるからと侮ってはいけません!
オーナーの強いこだわりが詰まった、本好きを唸らせるラインナップが揃っているんです。
古代ギリシャ語で書かれた『ハリーポッター』や、貴重な古書、初版本も置いてあるんですよ。
また、テラスには作家が集い、ワインを片手に執筆に勤しむ姿も見かけるとか。
ギリシャ語の本はお土産代わりに超おすすめ!
管理人Uniは旅行中、ギリシャ語に悩まされましたが、眺めるだけでもおもしろい字面だと思います。
アトランティス・ブックスでは様々なジャンルの書籍をギリシャ語で扱っているので、お好みの本を買えば良い思い出になりますね。
ホメロスの『オデュッセイア』なんか見つけたら、どっぷり古代ギリシャに浸れそう!
英語やフランス語、中国語などの本もありますよ。
もちろん店内を見て回るだけでも楽しめます。
壁にはアトランティス・ブックスの年表が描かれていて、なんだか応援したくなっちゃう。
すてきな本と美しい景色に巡り合えるアトランティス・ブックス。
潮風が心地よいテラスにも、ぜひ行ってみてください。
ATLANTIS BOOKS 公式サイト
ラスト・ブックストア(The Last Bookstore):アメリカ
本でアート空間を作り上げているのが、2005年、ロサンゼルスにオープンした「ラスト・ブックストア」。
地元の人に愛されつつ、観光スポットとしても人気の本屋さんです。
電子書籍やオンラインストアが台頭する中、リアルな店舗を追求するべく、皮肉を込めて付けられた❝最後の本屋❞という店名が印象的。
新品だけでなく古本や中古レコードなども販売しており、マニアにも嬉しいスポットです。
海外の古本屋さんって入りにくい印象ですが、ここなら気軽に入れそう!
子供用の絵本も充実。
海外の絵本ってアートのようで、日本ではあまりないタッチや構成の物もあって素敵です。
店内は本のテーマパークのようなオブジェやディスプレイがあり、なんと写真撮影OK!
カラフルな背表紙に包まれて、フォトジェニックな1枚が撮れますよ。
実はこの本屋さん、もともとは100年前の銀行だった建物を改装したもの。
ぜひ店の奥まで行くと金庫がありますよ(もちろん中は本です)!
また、ソファが置かれているので、じっくりと本を選ぶことも可能。
本のディスプレイ法なども参考にしたいですね~。
ライブイベント用のコーナーもあって頻繁に開催されているので、観たい人は事前に下記公式サイトをチェックしてくださいね。
さらに、2階では雑貨などの販売も行っていて、ショッピングもできます。
書籍以外のお土産探しにもおすすめの本屋さんです。
ただし、リュックなどの大きな荷物は店内に持ち込めません。
身軽に行くか、荷物は入店前に預けてくださいね。
エル・アテネオ・グランド・スプレンディッド(El Ateneo Grand Splendid):アルゼンチン
日本の裏側、アルゼンチンには豪華絢爛な本屋さんがあります。
それが首都ブエノスアイレスにあるチェーン店「エル・アテネオ・ブックストア」の1つ。
こんなに豪華なのは、20世紀初頭に劇場として建てられたからなんです。
その後、映画館だった時期を経て、現在は客席を取り払い、美しい書店として生まれ変わりました。
アールヌーボー様式の曲線で構成された店内は、円型の吹き抜けや美しい柱、ドーム型の天井など、書店とは思えない優美な空間を作り出しています。
元・劇場だけあって店内には今も緞帳が残っていますが、その後ろの舞台部分がカフェスペースになっているのには驚きです。
天井には今も舞台装置がぶら下がっており、その照明が舞台上を照らしているんですよ。
ステージ左右のボックス席にもソファが置かれているので、ゆっくり本を吟味できます。優
雅な気分に浸れそうですね!
劇場のボックス席なんてなかなか入れないから、気分も上がりそう。
また、2階・3階の客席部分も店舗として利用。
この客席部分から店内を見下ろす光景が、人気のフォトショットになっているんです。
2階は書棚がぎっしりですが、3階の一部はアート作品が並べられているので、美術館の気分も味わえますよ。
そして、天井を見上げてみてください。
直径が約20mもある巨大で美しいフレスコ画を間近に見られるのも、ここの楽しみの1つなんです。
もちろん書店としても申し分なく、南米屈指の蔵書数を誇っており、ローカルも愛用する本屋さんです。
CDやDVDの品揃えも充実しているので、アルゼンチン・タンゴの作品を買えば良い記念になりますね。
余談ですが、海外では公衆トイレが少なく、有料トイレを探すのに苦労することもありますが、ここでは無料でトイレを使えるんです。
ブエノスアイレス散策にも貴重なスポットです。
エル・アテネオ・グランド・スプレンディッドは前述の『The world’s 10 best bookshops』でも取り上げられていますが、Tripadvisorの❝トラベラーズ チョイス アワード 2020❞も受賞しています。
注目の❝美しい本屋さん❞です。
El Ateneo Grand Splendid 公式サイト
ブック・ストリート(Đường sách/Book Street):ベトナム
「ブック・ストリート」は書店の名前ではありません。ベトナム経済
の中心地ホーチミンにある、150mほどの通りの名です。
正式な名は❝Nguyen Van Binh(グエンバンビン通り)❞ですが、❝Duong Sach(ドゥオンサック=書店通り)❞で十分通じます。
ブック・ストリートは、有名な観光スポット❝サイゴン大教会❞の正面から伸びている歩行者専用の道。
中央郵便局の脇道にあたります。なの
で、ホーチミン散策のついでにふらっと通り抜けられる、絶好のロケーションにあるんですよ。
通りには書店が20軒ほど並んでおり、路上には古本屋さんが出ていることも多いです。
規模は小さいですが、神田神保町のようにあちこちの書店を覗いて歩く…というのも可能。
ほとんどの店が間口を広くとっている(…というかオープン)ので、気兼ねなく立ち入れるのも嬉しいポイント。
実はここ、ベトナム政府が国民の本離れを食い止めるため、読書啓発目的で造られた通りなんです。
ほとんどの本はベトナム語ですが、旅行の記念にはぴったり!
日本の漫画のベトナム語版も多数置いてあり、見つけたら思わず手に取りたくなること間違いなしです。
中にはオシャレなオープンカフェを併設している店や休憩スペースもあり、通り全体がスタイリッシュな印象。
ベトナムコーヒーの香りに包まれて本を読むのもおすすめです。
また、書籍だけでなく、文房具やベトナム土産も売っているので、結構楽しめますよ。
路上で朗読会やライブ演奏などのイベントが催されていることもあるので、近くに行ったらぜひ寄ってみてください!
街路樹が植えられているので木陰は多いですが、何といってもベトナムですから暑さは半端ありません。
熱中症には気を付けて、水分持参で行きましょう。
鍾書閣(Zhongshuge Bookstore):中国
今回ご紹介する書店の中で、最も不思議な空間を作り出しているのが、この「鍾書閣(しょうしょかく/鍾書書店)」。
中国の重慶にあり、デザイン性の高さと写真映えの良さから、海外でもじわじわ人気が上がってきている本屋さんです。
店内を巡る階段は計算して配置されており、美しい迷路のよう。
このだまし絵のような効果は、もう一つの仕掛けが成せる業。
実は天井をはじめ、随所が鏡張りになっているんです。
そのため、上を見上げるとまるで万華鏡の中に立っている気分に!
カラフルな背表紙と幾何学的な内装に包まれて、何とも言えない不思議な感覚を味わうことができます。
ロビーには円錐形の書棚があって、なんとも新鮮。
ランプシェードのような細い脚のおかげで、浮かんでいるようにも見えます。
ピンクで統一された児童書のコーナーや、試し読みができる休憩スペースも多くとってあり、長時間過ごせる工夫もあります。
万華鏡のような世界に疲れたら、木製の落ち着いたコーナーでリラックスして。
一面に書籍が置かれているだけあって、書店としてもかなりの広さ。
蔵書8万冊と品揃えは十分です。
同じ系列の書店は中国国内にいくつかありますが、どこもデザイン性に富んだ書店として人気があります。
機会があったら他の支店も覗いてみたいですね。