ロシアの世界遺産から穴場まで バーチャル旅行もできるおすすめスポットを紹介

世界一広い国ロシア。
かつての社会主義国家のイメージとは裏腹に、帝政時代には壮麗な建築技術や華麗な芸術が花開いた、美しい文化を持つ国でもあります。

そんなロシアには、貴重な世界遺産が29もあるのをご存知ですか?
その数、世界第9位!さすが大国ですね。

そこで、今回はロシアから必見の世界遺産を含め、おすすめスポットを厳選してお届けします!
もちろん当サイト管理人Uniの深掘りネタと、マニアックな解説付きです。
バーチャル観光ができるスポットもありますので、ぜひご一読ください!

2021年からは電子ビザが取得できるようになり、手続き面ではかなり楽になるので人気も上がるかも!?
一足お先に魅惑のロシアの旅をどうぞ!

モスクワのクレムリンと赤の広場:世界遺産

ロシアの観光スポットといえば「クレムリン」と「赤の広場」を思い浮かべる人が多いのでは?

でも、クレムリンとは何か、知っている人は意外と少ないもの。

Moscow - Red Square - The Kremlin 5D4_1373
クレムリンの城壁 Photo by Flickr

実はロシア語で ❝クレムリ❞ は ❝城塞❞ を表す言葉。
ここでいう「クレムリン」とは首都モスクワにある城塞を指しています。

この城塞、なんと2,235mもある城壁で三角形に囲まれており、その中には観光スポットというにはもったいない程の建築物が多数収まっています。

クレムリン美術館・博物館公式サイトバーチャルツアーより

中でも「ウスペンスキー大聖堂(生神女就寝大聖堂)」は必見。
壁や柱、屋根などの一面を飾るイコンやフレスコ画に、圧倒されること間違いなしです!

ここは多くのロシア皇帝の戴冠式が執り行われた由緒正しいロシア正教会であり、外観の美しさも格別です。

また、その名からは想像できない華麗な展示物がたくさん収められているのが「クレムリン武器庫博物館(Kremlin Armoury Museum)」。

武器や甲冑などの軍事品もありますが、多くの観光客の目を惹くのはロシアが誇る財宝でしょう。
12世紀から伝わるものや、王冠、食器、女帝エカテリーナ2世が戴冠式で着用した衣装なども展示されています。

クレムリンの美術館・博物館は総合公式サイトから閲覧できます。
それぞれバーチャルツアーも体験できるので、ぜひ試してみて!
絶対行きたくなりますよ!

また、クレムリンが面している「赤の広場」は、❝広場❞と呼ぶのが適切なのかと疑問に思うほどの広さ!
平均でも幅130mもある道が695mも続いています。

ここの一角には1921年に亡くなったロシアの革命家レーニンの墓「レーニン廟」があり、当時のままに保存処理されて眠っています。
月・金以外の10時から13時まで彼に会うことができ、しかも無料!
そろそろ埋葬してあげては…という話も出ているので、ロシアが誇る偉大な指導者に会いたい方はチャンスを逃さないようにしましょう。

そして、赤の広場でひと際目立つのが、モスクワのランドマーク的存在「聖ワシリイ大聖堂(Saint Basil’s Cathedral)」。
カラフルな玉ねぎ型のクーポラ(ドーム)を持つ教会です。

中央にある主聖堂と、それを取り囲む8つの聖堂から成りますが、どれも異なる色や形で造られているのが特徴です。

聖ワシリイ大聖堂 By Photo AC

日本人からは絵本のお城のようにポップに見えますが、聖ワシリイ大聖堂は16世紀に建てられたロシア正教会の1つ。
正式名を「堀の生神女庇護大聖堂」といい、イワン4世が生神女(聖母マリア)庇護祭の日に戦いに勝ったのを記念して建てられました。

この生神女のシンボルが❝8❞であることから、8つの聖堂で取り囲むように建てられています。

俗称の聖ワシリイ大聖堂の方が知られていますが、この聖ワシリイはロシア正教の聖愚者と呼ばれる聖人。
大火災を予言した人物と言われています。

現在は聖堂としての役割よりも博物館の方がメインで、中に入ると壁・天井に施されたフレスコ画やイコンを見ることができます。
ソビエト時代の装飾品も見どころの一つです。

気温は下がりますが、9月~5月に行くと300ルーブル(約400円)安く入場できますよ^^

サンクトペテルブルグ歴史地区と関連建造物群:世界遺産

もしもロシアの都市を1つだけ選んで観光…となったら、迷わずおすすめしたいのが「サンクトペテルブルク」。
ロシア帝国時代の首都として栄えた文化都市です。

ロシアの中でも治安と気候が良く、街が丸ごと世界遺産になったと言っても過言ではないほど見どころ満載!
構成資産は建築物や街道、森、湖など含め、36件も登録されています。
「どこを見よう??」という規模ですよね(笑)。

その内の1件である「サンクトペテルブルク歴史地区」だけを見てもかなりの大盤振る舞い(?)で、

  • エルミタージュ美術館
  • 聖イサアク大聖堂
  • 血の上の救世主教会
  • カザン聖堂
  • ペトロパヴロフスク要塞

…と、盛りだくさん。
じっくり見ていたら何連泊すれば足りるんだろう…という観光エリアです。

この辺りは多くの情報がインターネット上にあるので、今回は割愛。
その代わり、関連構造物として少し離れたところにある「エカテリーナ宮殿」を紹介します。

ここは、かのピョートル大帝の妃であり、第2代ロシア皇帝にもなったエカテリーナ1世ほか、歴代の女帝たちが愛用した避暑地です。

元々は質素だった宮殿を、ロココ調の美しく豪華絢爛な姿に改築したのは、二人の娘であり第6代ロシア皇帝となったエリザベータ。
明るい水色に白と金が映える、現在の姿となりました。

Catherine Palace
Photo by Flickr

ここには部屋一面を琥珀で覆った「琥珀の間」があります。

琥珀とは古生代に地上を覆っていた木々から出た樹脂の化石。
映画『ジュラシック・パーク』では、琥珀に埋没した蚊の体内から恐竜のDNAを取り出したんでしたね。

琥珀は古くから宝石として価値が高く、透明感のある黄金色は富の象徴でもありました。
その琥珀をふんだんに使って部屋をあつらえたのですから、王室の権力の強大さがわかりますね。

この琥珀の間、実は第二次世界大戦中にナチス・ドイツが持ち帰ってしまい、その後、行方不明なのだとか。
現在見られる琥珀の間は、2003年に再現されたものなんです。
いや、再現する現ロシアもすごいよねぇ。

宮殿内にはナチス・ドイツ軍により破壊・炎上している当時の様子も飾られています。
美しい宮殿を蹂躙されたロシアの人々の悲しみが伝わりますね。

さて、琥珀の間ほど有名ではないのですが、個人的に大好きなのが「アラベスクの広間(Arabesque Hall)」。

ロココを基調とした部屋に、イスラム特有の幾何学模様とターコイズブルーが効果的に配されており、独特の雰囲気があります。

調度品に目を奪われますが、床の美しい柄の絨毯と寄せ木細工、天井画にもぜひ注目を

catherine palace interior
アラベスクの広間 Photo by Flickr

ところで、このエカテリーナ宮殿は日本の歴史とも縁がありまして、1791年、ロシアに漂流した日本人商人・大黒屋光太夫が帰国の許可を得るため、エカテリーナ2世へ謁見しに訪れた場所でもあります。

井上靖氏の『おろしや国酔夢譚』はこの史実を基にした小説ですが、映画化した折には宮殿内の大広間でロケを行ったそうですよ。

おろしや国酔夢譚 (文春文庫)

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光太夫が使っていた日本の調度品や扇子・漆器などは、現在もサンクトペテルブルクの「人類学・民俗学博物館」で見ることができます。

日本人で初めて大帝国ロシアに触れた光太夫。
現代の私たちが見ても気後れするほどの豪華さを、江戸時代の彼はどのような思いで見たのでしょうね。

エカテリーナ宮殿も人気のスポットなので、観光シーズンはガイド付きのツアーで入場する方が確実
入場時間が決まっているので、長蛇の列に並ばずに済みますよ。
ちなみに個人でチケットを購入する場合、公式ウェブサイトと宮殿での販売のみとなっているので、注意してくださいね。

宮殿内の公園も見事ですが、隣接する「アレクサンドル公園(アレクサンダー公園)」も素晴らしいので、ぜひ立ち寄ってみて。

こちらはロシア帝国最後の皇帝・ニコライ2世の居城だった「アレクサンドロフスキー宮殿」の一部です。
公園内には❝中国村❞があって、池にかかる橋や点在するコテージに、ロシアから見る❝東洋❞の姿を感じることができます。


地下鉄の駅:市民の日常にある地下宮殿?

モスクワには多くの観光スポットがありますが、どこもかしこも大行列!
ふらっと立ち寄るなんて、観光シーズン中は無理な話です。

そんなモスクワで、シーズンや天候に関係なく、行列なしで気軽に見られるスポットが「地下鉄の駅

「駅…?」と侮ってはいけません!
モスクワを網の目のように走る16路線の200を超える駅のうち、44駅が文化遺産に指定されているんです。

これらの多くはソビエト時代に建設されたもの。
独裁者スターリンの治世のもと、まるで地下宮殿か美術館のような装飾とともに、美しいフレスコ画やモザイク画が社会主義のプロパガンダとして配されています

このような意図的な装飾も❝ロシアならでは❞といった感がありますが、とにかく見事なのでカメラに収めたくなること間違いなしです!!
特に戦後間もない1950年代初めに造られた5号線は、見ごたえのある駅が多いです。

また、モスクワの地下鉄は非常に深いところを走っており、降り口の見えないほどのエスカレーターに乗れば、地底に吸い込まれていくような錯覚すら覚えます。
第二次世界大戦中は地下シェルターとしての役割も果たしたそうですよ。

この深さのためかエスカレーターのスピードが速いので、初めて乗るときは手すりに摑まることをおすすめします(笑)。
きっと誰かに話したくなりますよ。

それでは必見の5駅をご紹介しましょう!

【おすすめ①】コムソモーリスカヤ駅(Komsomolskaya:5号線)

明るい黄色の天井と、アーチを描きながら整然と並ぶ68本の大理石の柱。
優美な白い曲線に縁取られ、天井を飾る8枚のモザイク画には、演説するレーニンの姿など社会主義への称賛が表されています。

シャンデリアも見事で、まさに地下宮殿と呼ぶのにふさわしさ。
1958年の「ブリュッセル万国博覧会」で受賞した駅です。

Komsomolskaya geltokia
Photo by Flickr

【おすすめ②】ノヴォスロボーツカヤ駅(Novoslobodskaya:5号線)

豪華絢爛な駅とは一味違うユニークさを併せ持っているのがこの駅。
通常のステンドグラスは日の光を浴びて輝きますが、地下鉄のホームにあるのでバックライトで照らしています。

Novoslobodskaya station (Ring Line)
Photo by Flickr

教会ならモチーフは宗教が多いですが、ノヴォスロボーツカヤ駅にある32枚のステンドグラスには音楽家・画家・地理学者など❝職業人❞を扱ったものがあります。

美しい真鍮で縁取られた作品は、ラトビアの芸術家によって造られたものです。

【おすすめ③】マヤコフスカヤ駅(Mayakovskaya:2号線)

華麗さはありませんが、実に優美なアールデコ様式の駅として人気があるのが、このマヤコフスカヤ駅。
こちらは1939年の「ニューヨーク万国博覧会」でグランプリを受賞しています。

天井にはソビエト誕生を物語るモザイク画があり、戦闘機などは美しい駅舎とアンバランスな気もしますが、かえってロシアらしさが感じられるかも。

Quais de la station Mayakovskaya (Маяковская).
Photo by Flickr


【おすすめ④】キエフスカヤ駅(Kievskaya:3・4・5号線)

漆喰で覆われた象牙色の天井と、金の装飾で縁取られたモザイク画が美しい大きな駅。
見ごたえは№1かも!?

Martin at Kievskaya
Photo by Flickr

複雑な政治的背景はさておき、ウクライナとロシアの友好の歴史を表したモザイク画が多数飾られています。
ベンチに座って、ゆっくり鑑賞したくなっちゃいますよ。

路線によって装飾が変わりますが、時間のない人はモザイク画の多い5号線がおすすめです。

【おすすめ⑤】プローシャチ・レヴォリューツィ(革命広場)駅(Ploshchad Revolyutsii:3号線)

大通りのような構内に、ロシア市民のブロンズ像が並ぶ観光客に人気の駅がプローシャチ・レヴォリューツィ駅。

ここにはブロンズ像に触ると幸運が訪れるという都市伝説(?)があり、特に人気の❝国境警備兵❞が連れている犬の像は鼻がピカピカになっています。

Ploshchad Revolyutsii Metro Station
Photo by Flickr

他にも美しい駅がたくさんありますが、今回は割愛。

でも、ロシアの地下鉄駅の魅力が詰まった動画(特に前半)を㈱ロシア旅行さんのサイトで見つけたので、拝借しました。

ぜひご覧ください!

㈱ロシア旅行さんより

なお、ロシアの地下鉄は定額制
1回の乗車券は片道55ルーブルですが、「トロイカ」というICカードを利用すれば1回36ルーブル(約49円)と少しですがお得になります。
クレジットカードやApple Payにも対応しているので、小銭を持っていなくても何とかなります!

こんなに美しい建築物が日常生活に溶け込んでいるなんて、さすがロシア…。
しかも通常運賃(それも格安)だけで間近でじっくり見られるので、駅を見るためだけに乗車するのもアリですね!

ただ、駅の中は英語表記が少なくキリル文字が多いので、駅名を判別するのは少々大変。
こちらの記事を参考に、翻訳アプリを入れておくのがおすすめです。

キジ島の木造教会建築(キジー・ポゴスト):世界遺産

奇跡の建築と呼ぶにふさわしいのが、ロシア北西部カレリア共和国のオネガ湖に浮かぶ「キジ島の木造教会」。

無名の職人たちがクギを一本も使わず、斧で加工しながら建てたというのですから、信じられません!

Kizhi Pogost. Кижский Погост
Photo by Flickr

長さ7㎞・幅500mの細長いキジ島には、3つの教会が現存しています(画像では1つに見えますが、3つの独立した建築物です)。

このうち最も有名な「プレオブランジェンスカヤ教会」は16世紀に建てられたものですが、落雷による焼失により1714年に再建されました。
ロシア正教の十字架を頂くタマネギ型のクーポラが22個ありますが、これも木材を組み合わせて出来ています。

キジ島でこのような木造建築が発達した背景には、ピョートル大帝の時代に伝統を重んじる風潮が高まったことがあります。

日本には世界最古の木造建築「法隆寺」があり、1300年を経ても姿を留める宮大工の知恵が忍ばれますが、ロシアの厳しい寒さと降雪に耐えるキジー・ポゴストにも、雨雪が内部に入り込まない独特の工夫が施されています。

教会を造った棟梁は「同じような教会はもう二度と建てられることはない」と言い、愛用の斧を湖に投げ捨てたのだとか。

老朽化が進み、修復が試みられていますが、現代の技術をもってしても困難続きとのこと。
当時の職人技のすばらしさが窺えますね。

内部はイコンなどが飾られ、外観の質素さとは異なる教会らしい華やかさがあります。

さて、現在では隣り合う2つの教会「ポクローフスカヤ教会」「ラーザリ復活教会」とともに、ロシア国内から集められた風車や農家・納屋などが移築され、島全体が農村生活を再現した景観保存地区に指定されています。

ロシアの伝統的な生活を見学・体験することもできますよ。

キジ島へはサンクトペテルブルクから北東約450㎞に位置するペトロザヴォーツク(カレリア共和国の中心地)を経由するのが一番。
まず、ここまで8時間半くらいかかります(苦笑)。

ペトロザヴォーツクからは観光シーズンの夏季なら高速船で1時間ちょっと。
冬季は湖が凍るのでホバークラフトがメイン。犬ぞり・雪上車などで行くツアーも見られます。

アクセスしにくいのが難ですが、一般的なロシア正教の荘厳な教会とは違う素朴な美しさをもつ教会群は一見の価値あり。
サンクトペテルブルクのほか、モスクワからも1泊2日でキジ島に向かうツアーが出ています。

広大なロシアでもここでしか見られない貴重な木造の世界遺産。
ぜひ足を延ばしてみてください!

セルギエフ・ポサドのトロイツェ・セルギー大修道院の建造物群:世界遺産

ロシアを観光するときに欠かせないキーワード❝黄金の輪❞をご存知ですか?

モスクワの北東には、ロシア中世の面影を今に伝える12の都市群があります。
それが輪を描くように点在することから❝黄金の環(ゴールデンリング)❞と呼ばれ、人気の観光スポットになってるのです。

その黄金の輪を構成する都市のひとつが「セルギエフ・ポサド」。

モスクワからバスで1時間半ほどで行けるので、ツアーに組み込まれていることも多いスポットです。
実はロシア正教最大の聖地でもあり、外国人だけでなく多くのロシア人信者も訪れる街。
そこはかとなく厳かな雰囲気も漂っています。

その中心となるのが「トロイツェ・セルギー大修道院」。

14世紀、貴族として生まれながら修道士として敬虔に生きることを選び、後に聖人となったセルギー。
彼がこの地に小さな庵と聖堂を建てたのが始まりです。

信仰に生きた彼を慕って人々が集い、大きな修道院へと発展。
現在の73000㎡という広さになりました。
ちなみに「トロイツェ」とは三位一体のこと。

白いクレムリン(外壁)に守られて、セルギーの遺体を安置する「トロイツキー大聖堂」、バロック様式の鐘楼や「スモーレンスカヤ教会」など、美しい教会群で聖域を構成しています。

Trinity Lavra of St. Sergius in Sergiyev Posad

この世界遺産に着いたら、まずはクレムリンにある門をじっくりご覧ください
門は2か所あり、1つは正門、もう1つは「ヨハネ生誕教会」の下にあります。

どちらの壁も精密なフレスコ画で埋め尽くされていますが、特にヨハネ生誕教会の方はセルギーの生涯を描いたものとなっており、信者たちにとっても特別な場所となっています。

中に入るとひと際目を惹くのが有名な「ウスペンスキー大聖堂」。

キリストを表す金色のクーポラの周囲に、聖母マリアを表す青いクーポラが配された、とても美しい聖堂です。

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16世紀にイワン雷帝の命令で建築されたウスペンスキー大聖堂は、ロシア人にとって神聖なもの。
内部には17世紀に作られた2つの巨大なシャンデリアがあり、さらに荘厳さを増しています。

しかし、青いクーポラに描かれた金色の星や白い壁とのコントラストなど、どことなくメルヘンな雰囲気を漂わせるこの聖堂。
観光客に人気があるのも納得の世界遺産です。

バイカル湖:世界遺産

世界一大きな国にある、アジア一大きな湖がシベリア地方にある「バイカル湖」

モスクワからだと遠いですが、北京やソウルからなら3時間ほどで近くの町、❝シベリアのパリ❞とも呼ばれる美しい「イルクーツク」へ行けます。
冬の絶景だけでなく、夏はトレッキングや水泳、ホバークラフト観光なども楽しめる世界遺産です。

面積は琵琶湖の約47倍もあり、世界の淡水の2割近くを占めると言われていますが、大きいだけじゃないのがスゴイところ。
この湖、古さ・深さ・透明度と3つの世界№1を持っているんです。

バイカル湖が誕生したのは2,500万年前。
通常の湖は周囲から土砂が流入して少しずつ埋まり陸地化してしまうのですが、バイカル湖はとてつもなく長い年月を存在し続ける珍しい湖なんです。

その理由は、バイカル湖の湖底にある2枚の地殻プレートの分かれ目(海溝)。
それぞれのプレートが逆方向に移動しているため溝が深まり、バイカル湖では土砂が溜まるよりも早く深くなっているので埋まらないというわけです。

その湖底の最深部はなんと1,642m!
これも長い年月を経ればさらに深くなっていき、世界記録を自ら更新していくことになります。

さらに驚くべきはその透明度。公式記録では42mと言われています。
オリンピックプールが50mですから、ほぼ向こう側まで見えるということ。驚異的です。
(※厳密には水の中からではなく、水面から見て検査板が何メートル見えるかが透明度です。)

シベリア地方に位置するバイカル湖は冬はマイナス20℃より下がるため、一面が氷に覆われます。

その美しい碧さといったら!
ディズニー映画『アナと雪の女王』の舞台アレンデールのような、透き通る氷の世界です。

Baikal ice on sunset
冬のバイカル湖 Photo by Flickr

透明度が高いということは、水中のプランクトンなどが少ないということ。
生き物からすればエサが少ないということになりますが、南米エクアドルのガラパゴス諸島と並ぶ❝固有種の宝庫❞と呼ばれるくらい、生命あふれる湖なんです。

固有種とは、その地域にしか生息しない貴重な生物のこと。
バイカル湖では、生息する1334種のうち、70%にあたる1017種が固有種なんです。

その生態系の頂点に君臨するのが、体長1mほどの「バイカルアザラシ」。

淡水だけに棲むアザラシの仲間はこのバイカルアザラシだけで、かつては海に棲んでいたものが陸封により淡水に適応していったと考えられています。

目がこぼれそうなバイカルアザラシ:サンシャイン水族館公式サイトより

適応力のすばらしさは、これだけではありません。

この恐ろしく透明度の高い湖では、獲物の魚を捕まえようと思っても、魚の方もバイカルアザラシの姿に気づきやすいという状況が生まれます。

そこで、バイカルアザラシはさらに遠くから獲物を見つけられるように、眼を進化させたのだと考えられています。
なんと目玉を大きくして、視力をアップさせたというのです。
その大きさは、大人の手のひらサイズだというのですから、進化ってすごい…。

このバイカルアザラシの目玉の秘密は山本省三氏の絵本『すごい目玉をもったアザラシがいる!』で詳しく紹介されています。
大人が読んでも面白いので、ぜひご一読ください!

すごい目玉をもったアザラシがいる! (動物ふしぎ発見)

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残念なことに、2020年7月、バイカル湖周辺の森林伐採を可能にする法律が成立したとの報道がありました。
これにより、世界自然遺産になっているバイカル湖の透明度や貴重な生態系を損なう危険性が危惧されています。

シベリアの真珠❞とも呼ばれるバイカル湖。
その名にふさわしく美しい姿を、いつまでも留めてほしいと思います。

ウラジオストク

さて、最後にご紹介するのは、ロシア極東の都市「ウラジオストク」です。

ロシアの大都市は西側に集中しているので、観光も西側に偏りがちですが、日本から遠いため長旅でないと難しい一面があります。
モスクワなら10時間半、サンクトペテルブルクなら15時間半はかかりますからね。

その点、ウラジオストクは日本から直行便でわずか2時間半
この近さでも、ヨーロッパをたっぷり感じられる風景が待っているんです。

アジアにもヨーロッパ風の街並みが残るマカオ・香港などがありますが、さすがに2時間半は無理。

それに、何といってもアジア圏とは違う❝圧倒的なヨーロッパ感❞が得られます

道を行き交う人々もアジア系が少ないですし、看板などで見かけるキリル文字にも異国情緒がたっぷり。

さらに、他のヨーロッパ諸国に比べロシアは物価が安いのも、お手軽旅行におすすめの理由の1つ。
タラバガニなどのシーフードをはじめ、ロシア料理の❝ボルシチ❞❝ピロシキ❞など、グルメもリーズナブルに堪能できます。

ちなみに❝イクラ❞はロシア語で、魚卵を意味する言葉。
こぼれそうなほどイクラやキャビアを詰めたクレープ❝ブリヌイ❞や、おいしいシーフードレストランが多いので、グルメ三昧も楽しめますよ。

最近では古き良き時代の街並みに加え、キッチュでおしゃれな店も増えてきました。

中でも、赤レンガ造りでフォトジェニックな「グム百貨店」界隈は、女子に人気のスポット。

夜のイルミネーションも美しく、オシャレな店が集まるとして近年人気のエリアです。

このように、ウラジオストクは週末旅行3連休などを利用して行ける、気軽なヨーロッパなんですね。
6~8月は観光のベストシーズンなので、夏休みの旅先候補にも加えてみてください。

しかも、取得が面倒だったロシアのビザも、2021年からインターネットで電子申請できるように!
(しかも日本語訳付きです!)
手続きも簡単になったので、ますます近くなりました。

そんなウラジオストクのおすすめスポットは、何といっても「ポクロフスキー聖堂(パクローフスキー教会)」。

ロシア正教の教会なので、シンボルのクーポラももちろんあります。

ビザンティン様式で建てられた聖堂の内部は、淡いグリーンのパステルカラーでかわいらしい印象
ミサが行われる日曜の朝なら、美しい歌声を聴けるチャンスもアップです。

ただし、神聖な場所なので、見学時は静かに。
入堂するときは女性の髪はスカーフで覆うのが、ロシア正教のマナーです(入口で借りられますよ)。

ウラジオストクには美しいロシア正教会がたくさんあるので、ミサ中でなければ聖堂内のイコンを見せてもらうのも素敵ですね。

また、ロシア芸術といえばバレエをイメージする人も多いと思いますが、日本から2時間半の街で本場のロシアバレエを観られるのが「マリインスキー沿海州劇場(Mariinsky Theatre vladivostok)」。

マリインスキー沿海州劇場公式サイトより

本拠地はサンクトペテルブルクにある世界三大バレエ団の一つで、ウラジオストクの劇場はその支部にあたります。

大劇場はクラシカルな雰囲気の中、最新の舞台設備が備わっており、本拠地に負けず劣らずといったところ。
小劇場では日本でもお馴染みの『白鳥の湖』など、親しみやすい演目が上演されています。

チケットはインターネットでも購入でき(日本語OK)、サンクトペテルブルクより取りやすくリーズナブル
演目や座席にもよりますが、なんと150ルーブル(約210円)から購入できます!
この機会にぜひ本場のバレエを堪能してはいかがでしょうか?

さらに、20数年前まで軍港都市として発展してきたウラジオストクならではの場所も。

第二次世界大戦中に活躍した潜水艦が当時のままに展示されている「潜水艦C-56博物館」、帝政ロシアからソビエト時代まで要塞だった場所を整備した「ウラジオストク要塞博物館」など、珍しい観光スポットもあります。

実物に触れるとあって、マニアには垂涎の場所かもしれませんね。

S-56 submarine
潜水艦C-56博物館 Photo by Flickr

そしてヨーロッパの玄関口となる「ウラジオストク駅」も忘れてはいけません!
モスクワへと続く、全長9,297kmの世界で一番走行距離が長いシベリア鉄道の東端の駅です。

1981年の起工式には帝政ロシアの最後の皇帝・ニコライ2世が立ち合い、西側の起点モスクワの駅に似せて建てられました。

Vladivostok railway station 360x180
ウラジオストク駅舎内 Photo by Flickr
※画像をドラッグすると他の部分も見られます。

乗客じゃなくても駅舎へは入れるので、ぜひ立ち寄ってみて!
レトロな外観も素敵ですが、構内の天井にあるモスクワまでの風景を描いた絵も見事です。

また、ここからモスクワまで7日間の列車の旅をするのも人気。
日本の新幹線などとは違ってコンパートメントタイプ(客室)なので、長旅でもしっかりプライベートな空間を保てますよ。

車窓を流れるロシアの街並みや、停車駅での売り子とのコミュニケーションも列車旅の醍醐味。
時間に余裕のある方におすすめのロシア旅です。

近くのイルクーツクやハバロフスクへの小旅行もおすすめ。
こちらの駅舎の美しさも見事です。

少し郊外へ行ってみたい方には「プリモルスキー水族館」がおすすめ。
ウラジオストク市内からタクシーで30分ほどかかりますが、料金は700ルーブル(980円)くらいです。

ここには前述のバイカル湖に生息する固有種がみられるほか、ベルーガ(シロイルカ)のショーなどが人気。
大きなトンネル水槽もあります。

でも、圧倒されるのは、建物内外の様々なところに展示されている巨大なオブジェたち。

シャチをはじめ、ザトウクジラ?ダイオウイカ?…とにかく色々です。
そのスケールの大きさも楽しんでください(笑)。

Primorskiy Aquarium Vladivostok

おわりに

あまりに広く見どころが多すぎて、紹介しきれないほどのロシア。
隣国といえども、私たちはロシアをどのくらい理解しているのでしょうか?

ユーラシア大陸を覆うように存在する巨大な国。
様々な民族が作り上げた一つの国家。
その内包する深い歴史とかけがえのない自然の一端を、感じていただければ幸いです。

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(お読みいただき、ありがとうございました。)

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